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【足もみマップ】耳鳴り・めまい・疲労を一掃、免疫力もアップ!

実験で証明!「足裏マップ」通りにもんだら腸が動いた!痛みが和らいだ

 かつて、私は整形外科の看護師として働いていましたが、その頃から、「足」には強い興味がありました。足に感覚のない頸椎損傷の患者さんに足のマッサージを施すと、予想以上に機能が回復した、という不思議な出来事もありました。

 その後、ICU(集中治療室)に異動になり、さらに足への興味が深まります。ICUの患者さんは、外を出歩きません。それなのに、ゴワゴワした足の裏の患者さんが多く、さまざまなにおいを発しているのです。

「寝ているだけなのに、足が汚れていくのはなぜだろう?」と疑問に感じながら、時間を見つけては患者さんの足をのぞき込んでいました。

 後に、アロマテラピーを学びに行った先で、同じく集中治療室出身のセラピストであるリアノン・ルイスという師に出会いました。彼女はこう言ったのです。「アロマセラピーを施すなら、足を観察してから精油を決めるのがいい」

 足には本人も気づいていない体の状態やストレス、思考の癖が出ているというのです。

 そして、私は足裏を主とするリフレクソロジーを学び始めました。すると、これまで多くの人の足を見て疑問に思っていたことが、みるみる解明されていったのです。

 現在は、看護師の経験と、リフレクソロジーやアロマセラピーなどの理論を活用した「足を通した心身のセルフケア」を広める活動をしています。

足の反射区はセルフケアに最適

 リフレクソロジーは、「refl ex(反射)」+「ology(学問)」といわれ、欧米では診断学の一種と言われています。足や手、顔、耳などには、体や心の状態を反射する「反射区」があるとされています。

 反射区は臓器と対応し、刺激することでその臓器に働きかけられる一方で、その状態も反映します。

 反射区は、手や顔などにも存在します。ただ、足は、ふだんあまり手入れされていないことが多く、ありのままの全身を反映していると言われています。

 ケアにも観察にもちょうどよい大きさであることから、反射区のある部位の中でも最も重宝され、活用されてきました。

 海外の研究では、リフレクソロジーによるマッサージは、痛みの緩和、便秘や不眠の改善、ストレスや不安の軽減など、さまざまな効果が確認されています。

 最近、テレビ番組の取材を通じて、足もみについて、ある二つの検証を行う機会がありました。

 一つは、小腸のぜん動運動を検出する機械を用いて、足の裏を反射区別に押したところ、小腸の反射区を刺激したときのみ、グラフに大きな振り幅を検出しました。小腸の反射区を押すと、ほんとうに小腸が動いているということです。

 もう一つは、足をもむ前後の温熱による疼痛閾値(どのくらいの温度で痛みを感じるか)についての検証です。

 足をもんだ後では、もむ前よりも温熱刺激の閾値が大幅に上がっていました。これは足もみが、体の痛みに悩む人の役に立つことが証明された、貴重なデータとなりました。

 以下に掲載するのが、足の裏の反射区です。足の裏に描かれた体の地図のようなものです。気になる不調がある臓器や器官のエリアを刺激することで、その臓器や器官の調子を整えられると言われています。

 また、反射区は心や気持ちも反映します。足の裏の心の反射区を表したのが、以下の図です。反射区を押すと違和感はあるのに、体の自覚症状はまったくないというとき、自己の心情を振り返り、心の反射区に当てはめてみてください。「病は気から」というように、心の不調は体を静かにむしばんでいきます。

 まずは「基本のもみ方」を実践し、さらに当てはまる症状があった場合は、こちらを行ってください。もむときは「痛い」と感じるほどの力は強すぎです。「気持ちいい」と感じる程度の強さを意識してもんでください。

 また、やみくもにもまず、最初に足を観察するようにしてください。色に変化ないか、硬くなっていないか、皮が剥けていないか……など、体からメッセージが出ていないかを確認してください。

 毎日足を観察し、触れることで、心身の異常を早く察知でき、悪化を防ぐことができるのです。

「足もみ」基本のやり方

特に不調な部位がない場合、この基本のやり方で足をもむと健康維持に役立つ

① 足指を引っ張りグルグル回す

親指から順に、指先を先端方向に軽く引っ張りながら、グルグルと大きく5回ずつ、左右に回してほぐす

②足指の骨を前後にバタバタされる

足指のつけ根から甲の部分にある骨を隣同士1本ずつ手でつかみ、前後にずらすように動かす。4カ所ある骨と骨の間をほぐすように意識する

③足のアーチを緩める

足を内側から両手でつかみ、雑巾を絞るように、土踏まずのアーチをひねり、関節を緩める。指先から足首にかけて、少しずつ手をずらしながら2往復する

④親指の腹で土踏まずを刺激

手の親指のつけ根から腹までの全体を土踏まずに当てる。反時計回りに大きな円を描くように土踏まず全体をほぐす。8周行う

⑤足の甲を伸ばす

足の両サイドを手で包み、足の中指の骨が最も高くなるように下から押し上げながら、足の甲が左右に開くように伸ばす。6回行う

6 足首のつけ根をほぐす

両手の親指を足のつけ根に置いて、小さな円を描くように押し回しながらほぐす。足首周りを数カ所行う

症状・悩み別~足裏もみのやり方

美顔・ほうれい線

①各足指の股を手の親指と人さし指で挟み、よくもみほぐす

②皮膚をつまんだまま、足先に引っ張りながらシュッと抜く。各足指の骨と骨の間を広げるイメージで行う

③足の甲側で、親指のつけ根部分にある下あご(ほうれい線)の反射区を細かく横に押しほぐす。ほおのたるみが気になる人や、ここを押すと痛い人は、繰り返しよくもみほぐす

疲労・プチうつ

①湧泉の上に両手の親指の爪を重ね、体重を乗せるようにし、息を吐きながら4秒かけて押し込む。いちばん深いところで4秒キープ。息を吸いながらゆっくり戻す

②左足にある心臓の反射区に、両手の親指を揃えて置き、鼓動をイメージして1、2、1、2…と交互に押す。自分の脈のリズムで行うとさらに効果大

③甲状腺エリアをまんべんなくもみほぐす。角質がついている場合は、角質ケアをする

肩こり

①足指を後ろに反らせるようにし、肩ラインを露出させ、手の指4本でかかと方向に押し込む

②横隔膜ラインをスタート地点とし、小指、小指と薬指の間、薬指に向けて、3本の線を描くように手の親指を指先方向に滑らせる

③横隔膜ラインをスタート地点とし、肩甲骨の反射区を足からはがすイメージで、小指側にずらすように刺激を与える

便秘

①右足の回盲弁の反射区を手の親指でグッと押す。押したまま、その手を外側に倒す。5秒キープしてから離す。これを5回繰り返す

②大腸の反射区を右足から左足にかけて刺激する。手の親指でエリアを押し進めるように行うが、逆行しないように。できる限り、大腸の反射区の外側を刺激する

③右足が終わったら、左足へ。手の親指で細かく押し進める。逆行しないこと

④両手の親指を足の甲に置き、「八」の字を描くように左右に引き伸ばす。背中の反射区に当たる甲全体をほぐす

耳鳴り・めまい

1 第4、5指を裏側だけでなく、側面や甲側も含め、つけ根から足先に向けてよくもみほぐす

②足裏側と甲側から指間を手の指で挟み、骨と骨の間に溝を作るように押し回し、刺激する

免疫力アップ・アレルギー

①副腎のエリアを、手の親指でグッと押し込み、そのまま指先を離さず、外側に開くように手首ごと倒す。10秒間押し続ける。痛みを感じるのが正しい反応

②手の指の関節で胸腺エリアを横から刺激する。突起部なので、ゆっくり丁寧にエリアを10秒ほど内側に向け押し続ける。エリア全体を親指の腹でもみほぐしてもよい

ストレス太り

①アキレス腱を親指と人さし指で挟んで、下から上にもみ上げ、やわらかくほぐす

②広背筋のゾーンを、両手の親指で円を描くようにクルクルとマッサージする

※自律神経が走る脊柱起立筋と、ストレスでこりやすい広背筋の反射区を刺激するのがコツ