気づきが深くなれば おのずと人生は変わる
たいていの人は、気分に支配されています。気分がよければ積極的になりますし、気分が落ち込んでいれば、何もしたくなくなるものです。
心と体が気分によって支配される理由は、それらを結びつけているのが「氣」だからです。
「気分」は「気(氣)によって分かれる」と書くように、よい氣を受ければ、心と体は軽やかになり、悪い氣を受ければ、重苦しくなります。
片づけとは、空間の氣を整える行動です。ですから、片づけると気分がよくなり、心も体も軽やかになるのです。
そして、片づけによって気分をコントロールできれば、心と体もコントロールでき、人生を自在に変えていく土台が整います。
氣が整い、よい氣で満たされてくると「気づき」がやってくるようになります。片づけでいちばん大事なのは、この気づきに焦点を合わせることです。
気づかないかぎり、人生は堂々巡りになり、次のレベルに行くことができません。
「わかっちゃいるけど、やめられない」という心の状態がありますが、これは気づきの浅さから生じるものです。
気づきが深くなり、「このままではいけない」と強く思うようになれば、おのずと人生を変えていくことができます。
この気づきは、不幸な事態を避ける力でもあります。例えば、気づきが深ければ、体に何らかの病状が出たときに、それが致命的なものなのかどうかを察して、適切な行動を取れます。
逆に、気づきが浅いと、体の不調を放置して、命にかかわる事態になるかもしれません。同じように、家の中の小さな乱れを放置することは、人生の大きな問題に発展しかねないのです。
片づける人の脳は瞑想と同じ状態になる
片づけている人の脳には、ジョギングをしているときや山を歩いているとき、あるいは密教の修行でマントラ(真言)を唱えているときと同じことが起こります。
いわば、片づけるという行為そのものが瞑想となるのです。ですから、その最中には、いろいろな気づきが浮かんできます。そして、気づいたことをすぐ実行すると、人生が深くなります。
片づけにおいて、「早くやろう」とか「きれいにしよう」というのは目標であって、目的ではありません。片づけの本当の目的は、気づきを誘発し、自分の生き方、人生を変えていくことにあるのです。