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【小林正観】不況知らずの商売は誰でもできる

2カ月で4000個売れた財布

●本記事に記されている数字や価格は記事執筆当時のものです。(ゆほびか編集部)

 日本は不況だと言われるような状況でも、私の周りには不況はありません。出すもの出すものが飛ぶように売れています。

 私はトラベルライターですが、デザイナーとしてデザインもしています。SKP(正観〈S〉・小林〈K〉・プレゼンツ〈P〉)というブランドを持ち、商標登録もしています。

 私がデザインした財布には、「たくさんの仲間を呼んでくれてありがとう おはよう おかえり」と書いてあります。お札を入れるところにも「ありがとう」がびっしりです。この財布にお金を入れると、ほんとうに、お金がたくさんの仲間を呼んでくれます。

 バブル崩壊後、年3000個売れる財布はほとんどないそうですが、この財布は、発売後2カ月で4000個売れました。ふつうは2万5000円くらいする品質ですが、6800円で売っています。

 また私がデザインしたハンカチでは、高級綿糸を生地に使用し、「ありがとう」の文字を1枚に3280個プリントしました。同じ生地のハンカチをデパートで売ると1200円くらいなんだそうですが、それを1枚500円で売っています。売値の7割が原価で、残りの3割をメーカーとお店で折半しています。

 金銭を儲けることが目的でなく、うれしくて楽しいからやっているのです。

 ものが売れない時代と言われますが、「社会全体、地域全体が落ち込んでいる」と愚痴や泣き言を言う前に、まず、独り勝ちをする。そうして得られた利益は、自分のところに貯め込まず、地域の人や、自分の会社に出入りする業者にどんどん流す。儲かったお金をどんどんまくのが、独り勝ちの思想です。

「日本経済は悪くなりますか?」は愚かな質問

 先日、ある地域の活性化委員だという人に招かれ、講演会を行いました。

 その地域は、夜7時になると駅前の商店街のすべての店が閉まり、ゴーストタウンのようになります。最近、商店街から2㎞ほど離れた町はずれに、24時間営業のコンビニができました。

その店は、開店1カ月で、全国で2700軒ほどもあるチェーン店の中で売り上げナンバーワンになりました。そのような事実がわかっているにもかかわらず、委員会の人たちは、「どうしたら商店街は活性化するか」と悩んでいるんです。

 なぜ、もっと商店街の営業時間を長くしないんでしょうか。お客さんに喜ばれることをしないんでしょうか。試しに、喫茶店1軒でいいから、夜12時までやってみればいい。そうすれば、その喫茶店に人が来て、喫茶店の左右の文具店にも人が来るようになるかもしれません。

 そのように、人に喜ばれて独り勝ちするお店が現れない限り、商店街は復活しません。「商店街全体で、夜9時まで営業しよう」というのは、その協議だけで10年はかかるでしょう。

 喜ばれていたら、数字は必ずついてきます。世の中は不況と言われていますが、1000兆円以上のお金が、日本では預貯金されている。ただ動かなくなっているだけです。動かないのはなぜか。楽しくないからです。お金を使いたくなるような楽しさがないからではないでしょうか。

 この話をした後で、ある経営者の人が、私に聞きました。
「小林さん。日本経済は今後さらに悪くなる、と予言している経済学者がいます。ほんとうに悪くなるのでしょうか。小林さんの予測はどうですか?」

 私はこう言いました。

「あなたはなにを聞いていたんですか? 日本の景気は、あなたの商売には関係ありません。私が話しているのは、独り勝ちしましょうという話です。世の中の景気のよし悪しに、関心を持つ必要はないと思います」

 まずは、楽しくてしょうがない仕事を作ること。そして「どうしたら売り上げが上がるか」でなく、「どうしたら喜んでもらえるか」だけを考える。いかに自分が喜ばれる存在になるかということです。

 不況でも、独り勝ちしている人は山ほどいます。自分の仕事が「楽しい」か否かは、世の中の景気のよし悪しとは、いっさい無関係なんです。

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