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【心を磨くトイレ掃除】見えないところを輝かせると売り上げも幸せも勝手にやってくる!

2020/11/09

あなたの隠れた感情は見えないところにある

 僕は今、世界でただ一人の「空間診断士」という肩書きで仕事をしています。掃除のやり方を教えているのではなく、掃除に向き合うときの心のあり方をお伝えしています。

 例えば、誰かが怒っていたり、悲しんでいたりした部屋は、なんとなく“空気が重い”と感じませんか?空気も空間も変わらないはずなのに、なぜ重いと感じるのでしょうか。

 それは、人は自分が思っている以上に、空間や空気を敏感に読み取る能力を持っているからです。そして僕は、空間は自分の中にある感情と密接につながっているという前提のもと、掃除をしています。

 もしよどんだ空間があるとすれば、その空間にかかわる人の心の中にもよどみがあるということ。

 掃除をすればよどみがなくなるからといって、イライラしながら掃除をしたとして、はたしてその空間の滞りはなくなるでしょうか。また、その人の心のわだかまりはなくなるでしょうか。

 その空間に眠る当人も気づかなかったメッセージを読み解いて差し上げるのが、僕、つまり空間診断士の役目だと思っています。

 幸せになるため、会社の売り上げを上げるために掃除をしましょう、という短絡的な方法論ではありません。あなた自身が心のあり方を決めさえすれば、結果的に幸せになり、売り上げが上がってしまうだけなのです。

 現在、全国でセミナーや講座、個人セッションなどを通してたくさんのかたから夫婦の仲がよくなった、病気が治ったなどの喜びの声をいただいています。

 でも、それは僕がすごいのではなく、「そのことに気づいたあなたがすごいんです」とお伝えします。

 なぜなら僕は、「自分がその場所だったら、どんなふうに掃除されたいかを考えてください」「ふだん意識しないところにこそ、あなたの感情が眠っているので、そこを探して掃除してください」なんて話を皆さんにしているだけですから。

1000回続けたら人生が変わる

 そもそも僕だって、最初からトイレ掃除が好きだったわけではありません。

 僕の両親は岡山県の山奥で、自然食を提供する宿を営んでいましたから、子供の体のことを考えて、学校給食ではなく発酵食品中心の手作り弁当を毎日持たせてくれました。

 僕は生後8ヵ月で化膿性髄膜炎と水頭症という病気になりましたが、後遺症も残らず、今元気でいられるのは、両親の祈りと徹底的な食の管理のおかげです。

 でも、食のたいせつさを知ってはいても、中学校では自分のお弁当のにおいが原因でいじめられ、学校に行くのが嫌になりました。

 そこで父に「学校をやめたい」というと、父は反対するどころか万歳して大喜びするのです。

「学校に行っていようがいまいが、生きているだけで100点満点だ」と僕の可能性を信じる父は、普通の親では信じられない反応をいつもするんです。

 そして、僕にこんな言葉を投げかけてくれました。

「おまえが苦手なことをたった一つでいいから毎日続けてごらん。1000回超えたら人生が変わるから」

 そのときに僕が決めたのが「トイレ掃除」でした。父のひと言をただただ信じようと思えたのは、それまでの父の生き様と、叶えたい願いをすべて父が叶えてきた人だからかもしれません。

トイレから泣いて出てくる人が続出

「トイレと仲良くなると、心から楽しんで掃除できるようになった」と船越さん

 最初の1年めは、宿のお客さんがほめてくれるのがうれしくてトイレ掃除を続けていました。

 ところが、うちの民宿はリピーターさんがとても多く、トイレ掃除を1年も続けると、お客さんにとっては僕がトイレ掃除をするのはあたりまえになります。僕は誰にもほめてもらえず不満が募りました。

 要するに誰かのため、誰かに認められるために掃除をしていたのです。「僕を見て。僕はこんなにがんばっているんだ」そういう感情が、僕が掃除をした空間には残っていたんです。

 どんなにきれいにしても誰もほめてくれない。自己顕示欲が強くなればなるほど、空間には重い感情が残りました。

 だから僕は、自分自身が楽しくなるように便器に話しかけたり、床に寝そべったりして、トイレと仲よくなることにしました。

 がむしゃらにきれいにする掃除から、自分を楽しませる掃除に変えたのです。それまで見なかったところを掃除するようにしました。

 すると不思議なことに、トイレを使ったあとに涙を流して出てくる人が続出したんです。それは喜びの涙でした。

 楽しみながら掃除をすると、その感情が空間に残り、使う人に伝わるのです。これに気づいたとき、掃除とはただきれいにすることが目的ではないとわかりました。

 中学卒業後、ニュージーランドに留学し6年間過ごしましたが、その地でおむすびの専門店「おむすび権米衛」の岩井健次社長と出会い、「空間のわだかまりを取り除くこと」を仕事として顧問契約を結ぶことになりました。

 それが評判になると、さらにいくつかの企業から声をかけられ、なかには売り上げが150%になる企業もありました。また、「掃除の講座をしてほしい」という人たちも集まるようになりました。

 今の僕は、人が掃除したがらない汚い場所を見つけると、宝の山を見つけたような気持ちになります。

 皆さんもまず、家の気になるところを1日に3秒間でいいので、本気で、心を入れて掃除してみてください。

 3秒間でも心を入れて掃除すると、空間は変わります。これを21日間続けると、なにより心を入れて掃除を続けることに慣れてきます。

 いやいや人にやらされるのではなく、自分から楽しんで掃除が続けられるようになること、自分の心を磨くことが、幸せな空間づくりの第一歩なのです。