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医師が勧める【骨トレ】~顔を若返らせるカギは顔の骨を鍛えること!

骨は美容の最重要パーツ!

 突然ですが、皆さんは、骨にはどんな役割があると思っていますか?「体を支えるためにあるもの」と考えている人は多いと思います。

 確かに、体を支える役割もありますが、それだけではありません。骨は、人の健康維持に欠かせない最重要パーツ。健康はもちろん、見た目の若さや美しさも、骨に左右されているのです!

 例えば、ご老人を想像してみてください。背中や腰が曲がって縮こまり、体は若いときより小さく、肌はシワシワ……そんな姿が思い浮かびませんか?

 これは「加齢によって骨が縮小する」ことで、骨が衰えてしまった結果です……と言われても、30~40代の働き盛りの人にとっては、遠い未来のこと。なんだかピンッときませんよね。

 しかし、この変化は意外と身近に、しっかりと表れてくるのです。それが、顔のシワやたるみといった「老け顔」の症状です。

見た目が若い人は骨が健康!

 私たちの体は、大小約200もの骨で構成されています。数ある骨の中で、最も早く縮小するのが、下あごの骨です。

 下あごの骨が小さくなれば、土台として支えていた皮膚や筋肉も、当然のごとく、たるみ、落ちてきます。

 これが老け顔に代表されるシワやほうれい線の原因です。また、顔の骨は下あごだけではありません。

 上あごや頭蓋骨も、ペースは劣るものの同様に縮小し、目尻や首のシワ、まぶたのたるみ、目のくぼみなどにつながってきます。

 肌の潤い維持やリフトアップをいくら行っても、効果が表れないということに心当たりはありませんか?

 そのような人は、骨が縮小・衰え始めている可能性があります。逆に、年を重ねても、いつまでも見た目が若い人というのは、骨の縮小・衰えがなく、健康な証拠。

 実際に、同年齢でも見た目が若い人は、年相応の人、年齢以上に見えてしまう人よりも、骨密度が高いという研究データもあります。

 ですから、骨を鍛えて、肌や筋肉の土台を維持するためのトレーニングがとても重要です。私は、このトレーニングを「骨(こつ)トレ」と称し、推奨しています。

割り箸をくわえるだけでも骨が刺激され、シワやたるみの改善ができる!

噛むことで顔は若返る

 骨トレのカギとなるのが「ピエゾ電気効果(圧電効果)」です。歩く、走る、字を書く、洗濯や掃除といった日常生活において、私たちは知らずのうちに、骨に衝撃や圧力を加わえています。

 これらが骨に刺激として伝わると、マイナスの電気が発生します。これが「ピエゾ電気」です。日頃から、骨は「破骨細胞(はこつさいぼう)」の働きにより、古くもろくなった部分を壊し、修復することで、骨の強度を保っています。

 骨の修復に欠かせないのが、「骨芽細胞(こつがさいぼう)」です。骨芽細胞は、骨が壊される刺激を受けると活性化し、コラーゲンなどのたんぱく質を分泌します。

 このコラーゲンが、骨の構成に欠かせないカルシウムを、しっかり沈着させてくれるのです。

 コラーゲンやカルシウムなどの物質は、もともとプラスの性質を持っていますから、マイナスの電気があれば、より吸着しやすくなります。

 つまり、ピエゾ電気が発生することで、骨の新陳代謝が促され、より強度の高い骨が構築されるのです。

 では、顔の若返りにとって重要な顔の骨を鍛えるには、どうしたらよいでしょう?答えはとても簡単で、「噛む」ことを意識し、行えばよいのです。

 ただし、強い力はまったく必要ありません。むしろ、強く噛み締めてしまうと、あごの関節を痛めるリスクも出てきてしまいます。

 ポイントは、優しく、短時間で適切に、そしてこまめに骨に刺激を与えることです。その点で「割り箸噛み(わりばしかみ)」は、とても適した骨トレです。

 上下の歯で優しく割り箸をくわえるだけでも、骨にはじゅうぶん刺激を与えることができます。

 また、骨が刺激されると、骨芽細胞から「オステオカルシン」というたんぱく質が分泌されます。

 この成分は「若返りホルモン」とも呼ばれ、認知機能を向上させたり、血糖値を下げるホルモンの分泌を促すことで、糖尿病やその合併症である動脈硬化(※1)、心筋梗塞(※2)のリスクを下げたりすることが、最近わかってきました。

※1 硬くなり弾力性が失われた動脈のこと

※2 心臓が酸素不足になり壊死する病気

 骨は、見た目の若さや美しさを維持するだけでなく、体のさまざまな機能を健康に保つためにも重要な役割を果たしているのです。

 そのうえ、コロナのマスク生活では、うっかり口元が緩んでいる人も少なくありません。

 割り箸噛みは、口の周りの筋肉も鍛えられますから、マスク越しでもきちんと口を閉じるトレーニングにもなります。乾燥や感染症のリスクの予防も、自ずとできるでしょう。

(割り箸噛みの詳しいやり方はこちら)