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【秋元隆良の奇跡の写真】スノームーンの奇跡

「富士に満月」

 2020年3月10日は満月でした。3月の満月は、「ワームムーン」と呼ばれ、2月の満月は「スノームーン」といいます。この写真は、一見すると太陽のように見えますが、実は月を超高感度で撮影したカットです。右下の建物に灯りがついていることから、夜であることが推測できると思います。

 撮影を行った2月は、雪の時期からスノームーン(雪月)と呼ぶそうです。その満月を富士山に合わせるために、朝霧高原の一角にある田貫湖に向かいました。

 富士山の山頂付近に満月を持ってくる構図は限られているため、湖畔の広々としたキャンプ場からの撮影になりました。月の出は、日暮れと入れ替わりの時刻でしたが、撮影地の月は富士山の頂上横辺りから昇るため、月が富士山に昇る数分間を、薄暗い中でそのときを待ちました。

 暖冬でしたが、2月の夜はそれなりに冷えます。富士山の肩越しに月の光軸が現れたときには、感動を覚え、寒さも忘れて撮影に挑みました。

 月が昇り出て頂上辺りに来たときには、空気中の氷の粒が、月輪を作り上げてくれました。

 風のない澄んだ空気の夜で、水鏡のような湖面には、満月の明かりから、月・富士山・高い樹木を写し込み、テントの灯りなどキャンプ場の明るさが彩りを添え、北欧のような印象を受ける景観になりました。

 テントの中の人々も、凍える夜になっていましたが、人々は外に出て自然が作り出した絶景を楽しんでいました。

(秋元隆良)