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人生を変える名著『奇跡のコース』とは?ー愛とゆるしで幸せになる(1)

2020/03/19

 1965年10月21日、コロンビア大学の心理学助教授、ヘレン・シャックマンさんのもとに、“内なる声”が訪れました。

「これは奇跡のコースです。メモを取ってください」

 彼女が、その声と対話しながら、7年にわたり、少しずつ文章を書き留めたのが『奇跡のコース』(原題:A Course In Miracles)です。そこには、真の自分を思い出すこと、分かち合うこと、裁かないこと、愛とゆるしを実践し、幸せに生きる方法が、懇切丁寧に書かれています。

 ヘレンさんに語りかけた声は、「イエス・キリスト意識」だと言われていますが、宗教ではありません。

 アメリカでは80年代ぐらいから広まって、今では、統合医療、心理学、成功哲学などの関係者は、『奇跡のコース』を知らないとは言えない状況になっています。ノーベル賞受賞者など、著名人でコースを学んだ人、影響を公言する人も少なくありません。

『奇跡のコース』には次のように書いてあります。「これは必ず通るコースです。いつ通るかは、任されています」……誰もがいつか通る道なのだと言っているわけです。

『奇跡のコース』は、1976年にアメリカで出版されて以来、世界22カ国で翻訳されている、「ほんとうの自分」を生きるためのガイドブックです。

世界で400万部を超えるベストセラー、『愛とは、怖れを手放すこと』(本田健訳)の著者、ジャンポルスキー博士をはじめ、世界的リーダーたちの間で、『奇跡のコース』は人生に奇跡を起こす書として活用されており、世界各地で実践の輪が広がっています。

 今では世界22カ国に翻訳されている『奇跡のコース』は、テキストと、ワークブック、マニュアルと付録の4部からなり、読者は365日、生活の中で試し、人生の変容を体験していくことができます。

以降では、『奇跡のコース』とはどのような内容なのか、そのエッセンスをご紹介します。

最初は難しく感じるかたも、どうぞ何回か、読んでみてください。
見える世界が、少しずつ、変わってくることでしょう。

『奇跡のコース』の基本的な考え方①「心があなたの世界を作り出している」

『奇跡のコース』は日本でも出版されており、勉強する環境も整っています。
 私がこの本に出会ったのは、人生どん底のときのことでした。

 この本は、分厚く、重く、字が細かく、英語も難しいため、友人のアメリカ人も、「英語も内容も難解で、よくわからない」と言っていました。

 けれども、この書物と出会ったことで、私の人生はあらゆる面で大きく変わりました。
『奇跡のコース』とはどういうもので、どう使うものなのか。私なりに、エッセンスをお伝えしましょう。

『奇跡のコース』を知っていちばん変わったのは、自分の中にある「観念」、つまり「思い込み」を書き換えられるようになったことです。観念を書き換えると、人生や、世界の見え方が変わります。

『奇跡のコース』に出会った頃、私は離婚するかしないかという状況で、悩んでいました。
 一生懸命仕事をしてきたのに、心はボロボロでした。

 その頃私は、「この世の中はひどいところで、悪意がいっぱいあって、油断するとやられる、ファイティングポーズで構えていないと生きていけない」……そう感じていました。
 世界が危険な場所に見えていたのです。

ところが、『奇跡のコース』には、「世界は、あなたの心の裏返し」だと出てきます。
 そして、内面を変えることで人生は変わる、というのです。

 自分の中にあるものが世界に投影されている、という考え方を知って、びっくりしました。

 それまでは、「相手は悪意に満ちた攻撃をしかけてきた。そういうことをする人は悪い人だ」、そう思っていたのに、『奇跡のコース』は、「自分が怒ったりイライラしたりするのは、今起きたことのせいでもなく、目の前にいる人のせいでもない」というのです。これについて説明していきましょう。

 例えば、私は、駅の窓口で列に割り込みをしてくる人に、つい怒りを感じてしまうのですが、その怒りの本質は、その相手に対して腹立ちを感じているのではないということです。

 自分の中に、「不公平に扱われた過去の記憶」があり、その体験を通じて心が刺激されて、怒りを感じるのだというのです。

 怒りと恨みの人生にするか、愛と友情と癒しの人生にするかは、自分で決めることができる。それがわかったとき、私の世界が変わりました。

 内側と外側が大逆転したのです。

 かつての私は、「なんで愛が自分にこないのか」と思っていました。「世界に愛があるはずはない」と思っていたのです。

 自分の心の中が愛だけになったら、世界は変わるのではないかと思い、実験をしてみました。

 まず、どんな人にも親切に接してみました。

 店員さん、駅で出会った人、ウェイトレスさん。最初はうまくいきませんでしたが、途中から自然にできるようになり、自分も気持ちよくなりました。おもしろいことに、タクシーの運転手さんに運賃をタダにしてもらったこともあります。自分の心が愛に満ちて穏やかなら、いい人たちと出会えることを実感しました。

 次にその逆も実験してみました。会う人ごとに、とげとげしい心で接し、文句をたくさん言ってみる実験です。そうしたら、靴紐がほどけて転んだり、何か落し物をしたり、まったくいいことがなかったので、早々に止めました。

『奇跡のコース』の基本的な考え方②「あなたは世界の犠牲者ではない」

私の父親はアルコール依存症で、暴力をふるい、私は長年、自分のことを犠牲者だと思っていました。

 人生の前半、「私は一生、暴力から解放されることはない。呪われた運命だ。刑務所には行かないまでも、呪われた暴力性と冷たさの中で生きていく人間なんだ」と確信し、絶望していました。実際にそれを確信させるような事件がいっぱい起きました。

 自分の人生がぐちゃぐちゃになってしまい、最初の結婚生活はうまくいきませんでした。
 しかし『奇跡のコース』に出会い、こう思ったのです。

「ちょっと待てよ。犠牲者だという思い込みを自分で作り上げて、自分はそれになりきっていたのではないか? 自分は犠牲者ではないのかもしれない。父親も加害者ではないかもしれない。父親が見ていた世界と私が見ていた世界は、まったく違っていたのかもしれない」。

 その瞬間から、私は人生を作り直していきました。

 私の場合は、父の影響が大きかったのですが、いろいろな例があると思います。

 例えば、子供のときに、親に手伝いを頼まれて、手伝いを終えてからパーティーに行ったら、ケーキがなくなっていた。なんて世の中は理不尽なんだ……。

 いちごが大好きで、デザートのいちごを最後まで大事に取っておいたら、お兄ちゃんが、「お前、いちご嫌いなんだな」と取ってパクッと食べてしまった。

 私たちは、こんなささいなことから「この世界は油断できないところだ。危険でいっぱいだ」と子供心に刻み付けることがあります。

 それがマイナスの「観念」です。この観念のまま、「犠牲者、略奪された人」として大きくなると、大人になってからも、だまされ、犠牲者に落ちてしまうことがあります。

 そのことがはっきりわかり、「自分は犠牲者ではない」とわかった瞬間、自分で自分の人生のコントロールができるようになりました。

 この間、書き出してみたのですが、私が経験した「人生に関する気づき」はおおよそ2000個程度ありました。この「あなたは世界の犠牲者ではない」という原則は、最大の気づきのひとつだと思っています。

次回は、『奇跡のコース』の基本的な考え方③④をお届けします。

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