足は元気と若さの源!足を意識してケアをすると人生の質も大きく向上する
顔の手入れは、皆さん、毎日しっかり行っていると思います。でも、足の手入れを毎日しているという人は、そう多くないのではないでしょうか。
これからは、ぜひ足にも意識を向けるようにしてください。なぜなら足は心身の元気の源だからです。
足は、現在の心身のコンディションがすべて現れる、「全身の縮図」とも言われています。
例えば、足を触ったときに感じる肌の温度で、血液循環のよしあしがわかります。足が冷たかったら下肢の血流が悪く、末端まで酸素や栄養素が運ばれていない証拠です。
このようなときは、血流を促す足のマッサージがとても役立ちます。
一方、足が温かすぎるのもよくありません。ホルモンの影響や靴のサイズが合わずに炎症を起こしている可能性があります。
足の色も、全身の肌の色から見たときに、その人らしい色であれば問題ないのですが、違和感がある場合は要注意です。理想は、地面に接する部分がピンク色で、土踏まずが白っぽくなっている状態です。
また、肌の潤いと乾燥具合は、ホルモンバランスを現しています。更年期の女性は、かかとやくるぶしが乾燥している人が多いですが、最近では、若い女性もホルモンバランスの乱れから、足裏や側面によく乾燥が見られます。
むくみを感じる場合は、代謝が悪いか、ストレスによる疲労が蓄積していると考えられます。
外反母趾がある、あるいは扁平足になっている場合、靴が合っていない、姿勢が悪い、左右のバランスが崩れているなどが要因でしょう。
このように心や体のちょっとした不調でも、まるで問診票のように足には現れるものなのです。
足指に力が入ることが健康な足の条件
特に注意してもらいたいのは、歩くときに足の親指にしっかり力を入れて歩いているかどうかです。
歩くとき、足指、特に親指で地面を踏んで蹴ることで、前へ進みます(下の写真参照)。また、足の指は、下半身の筋力をバランスよく使うための始点にもなっています。

足腰の弱い高齢者は、足の親指に力を入れて歩けません。その状態が続くと、下半身の筋肉のバランスが悪くなり、かかと、ふくらはぎ、ひざ、さらには腰へと負担が大きくなっていきます。これが、ひざ痛や腰痛、股関節痛の要因となり、やがては歩行困難、寝たきりにまでつながっていくのです。
足腰は、足の親指から衰える、と言っても過言ではないわけです。
今回ご紹介する足のマッサージには、足指が鍛えられるものも含まれますので、ぜひ実践してください。また、同時に「足指グーパー」という運動も行うと、なお効果的です(下参照)。
力強く歩くために足指を鍛える「足指グーパー」のやり方
1 足指をギュッと握り「グー」を作る

2 足指を思いっきりパーッと開き「パー」を作る

自分の心地よい圧で押すのがポイント
では実際に、心と体を優しくいたわる足マッサージのやり方をご紹介していきます。
まず、足マッサージで最もたいせつなのは、「自分にとって“心地よい圧”で行う」ことです。一般的に、マッサージは「痛いところはこりがあるから強くもむ」とか、「グイグイ押しもむほうが効果的」などと思われがちです。
しかし、実はこれは逆効果。かえって筋肉や関節に炎症を起こしたり、肌を痛めたりすることにつながります。強すぎず、弱すぎず、自分にとって“心地よい圧”で行うように心がけてください。
「どのくらいの強さでもむことが自分にとって最適か」。このように自分の体のことを知ることが、セルフケアでは最もたいせつなのです。
足マッサージの基本テクニック
①手のひら全体で優しくなでる
手のひら全体を使い、ゆったりしたリズムで、優しくなでるように手を滑らせます。
ひざ下のマッサージを行うときは、このやり方で行います。指の力を抜き、手のひら全体を肌に密着させるのがポイントです。
②親指の腹でさする
親指の腹全体を肌に密着させ、ゆっくりと滑らせるように動かします。このとき、爪を立てないように注意してください。
足の甲や指などをマッサージするときは、この方法で行います。
③親指などで押す
指を寝かせて、指の腹全体で押しもみします。足の裏をもむときなどは、この方法で。
急に強い力で押さないように、ゆっくりと指を沈めるイメージで押すのがポイントです。
④足首をゆっくり回す
足首のケアは、回して柔軟性を高めましょう。
グルグル勢いよく回すのではなく、一回り5秒程度かけながらゆっくり回すのがポイントです。
心身を癒やす!足マッサージのやり方









※以下でご紹介する手作りアロマトリートメントオイルを
使用したオイルマッサージを行うと、さらに効果が高まる
※いつ行ってもよいが、ゆっくり時間の取れる
お風呂上がりが最適
※何かをしながら行うよりも、
しっかり足を意識しながら行うほうが効果が高い
※全部行う時間のないときは、部分的に行ってもよい
70代からでも足はよみがえる!
よりリラックス効果を高めるために、心を落ち着けて、深い呼吸とともにゆったりとしたリズムで行ってください。
時間がないときは、足指だけ、足首だけと部分的に行ってもOKです。忙しいからと三日坊主になるよりも、毎日、少しでも足のケアを行うほうがはるかに有効だからです。
仕事のちょっとした合間や、テレビを見ながら行うことも可能ですが、前述したように「足を意識する」ことがたいせつ。
週に1〜2回くらいはお風呂上がりなどにゆっくり時間を取って、足を意識しながらマッサージすることは、人生の質を上げることにもつながると思います。
「これまで足のケアをしてこなかった」という人も、今から始めて遅すぎることはありません。
私の教室の生徒さんたちの中にも、60代、70代から足のケアを始めて、動かしづらかった足がかなり動くようになったり、歩行が力強くなったり、痛みが改善したりした人はたくさんいらっしゃいます。
特に、コロナ禍の影響で、通勤や外出の機会が減った昨今、よりしっかり足をケアしないと、衰えも早くなります。心身をいたわる意味でも足マッサージを実践してください。
アロマトリートメントオイルを使えば心身を癒す効果も倍増
足マッサージの効果をさらに高めるために、私はアロマトリートメントオイルを使用することをお勧めしています。

アロマトリートメントオイルとは、肌用の植物油に精油(エッセンシャルオイル)を加えたもの。植物の心地よい香りが心身にプラス効果を与え、さらにオイルを塗ることでマッサージもやりやすくなります。
はるか昔から、人は身近な植物を心身の健康の維持と不調の改善に使用してきました。
大地に根を張り、太陽の光をいっぱいに浴びて育つ植物は、外部の厳しい環境から身を守るために多様な物質を作り出しています。それらは「フィトケミカル成分」と呼ばれ、ポリフェノールやカロテノイドなどが知られていますが、揮発性の芳香成分「精油(エッセンシャルオイル)」もフィトケミカル成分の一つです。
このフィトケミカル成分は、免疫力向上や老化抑制、肥満予防など、さまざまな健康効果を持つことがわかっています。
また、精油の心地よい香りは、緊張やこわばり、ストレスを解消し、心身をリラックスさせる効果があります。
アロマトリートメントオイルを使ってマッサージを行うことで、皮膚を保湿・保護し、精油が持つ鎮静・消炎・血行促進などの作用による相乗効果が得られるのです。
「心地よい」と感じる香りを選ぶ
アロマトリートメントオイルは、簡単に手作りできます。
市販の肌用の植物油20㎖に、精油を4滴加えます。後は、それを遮光ボトルに保存して、必要な分だけ使用するようにしてください。
肌用の植物油は、ドラッグストアやアロマショップ、ネット通販などで購入することができます。

精油は、アロマショップなどで購入することができ、種類がさまざまあります。足をマッサージするときの強さと同様に、自分が「心地いい」と感じる香りを選ぶのがベストです。
オイルを使用するときは、手のひらにオイルを適量取り、なじませるようにオイルを温めてから使用します。足に塗っていくうちに滑りが悪くなってきたら、適宜、オイルを足しながら行います。
ぜひ週に1~2回程度は、お風呂上がりなどにゆったりした時間を確保して、アロマトリートメントオイルを使用した足マッサージを実践してください。
※注意事項 アロマトリートメントを使用したマッサージを行う場合、肌が敏感なかたは事前にパッチテストを行ってください。腕の内側など、体の目立たない部分にアロマトリートメントを塗布し、30分後と48時間後の2回、確認してください。異常が出た場合は、直ちに洗い落とし、すぐ皮膚科専門医の診療を受けてください。