約1900年前に天皇に献上されたといわれる古文書『ホツマツタヱ』は、日本書紀や古事記より古い6000年前の古代日本について書かれた謎多き歴史書です。
「ヲシテ文字」という神代文字(※)による40の文(アヤ)には、歴史のみならず統治や社会生活にかかわるさまざまな知見が書かれています。
その中で、昭和初期から不思議なパワーがあるとして注目を浴びてきたのが、あわ唄です。現代の日本人にもなじみ深い五・七調で書かれた48の音を唄ったり聴いたりすると、自然治癒力が上がると言われてきました。
※日本で漢字伝来以前の超古代から使われていたとされる文字。ヲシテ文字のほかにもさまざまな種類がある
あわ唄には天と地を整える働きがある
上のあわ唄の歌詞を見て、「これなに?」と思ったかたもいるでしょう。
そこでここでは、そもそもあわ唄とはなんなのかというところから話を始めたいと思います。 あわ唄とは、アで始まり、ワで終わる48音の歌のことです。これは、約1900年前、景行天皇に献上された『ホツマツタヱ』という古典に載っています。
古事記、日本書紀の原典の一つとされるもので、そんな昔にあわ唄のような体系的な唄があったのを知って、私は驚きました。
あわ唄の文字の順番を見てください。最初のアカハナマは、すべてア行の文字です。次のイキヒニミはイ行です。以下、ウ行、エ行、オ行と続き、後半は、逆にオ、エ、ウ、イ、アの行の順となっています。非常に体系的なのがわかります。
あわ唄の歌詞は一見、意味がないように思えるかもしれませんが、アは天を意味し、ワは地を意味するとされています。簡単に言うと、天と地を整える働きを持つ唄ということですね。地球の天と地だけではなく、人体の天と地も整えるのです。
人体の天と地というのは、下図をご覧ください。人体には、第一〜第七の七つのチャクラがあります。第一と第七を除く五つのチャクラとウ・オ・ア・エ・イの五音が響き合っていることがわかっています。
つまり、五つの母音をしっかり響かせることで、五つのチャクラが活性化するわけですね。古代インドのタントラ(密教)ヨガや真言密教でも、同じことを伝えています。
五つの母音を響かせると、チャクラに対応する経穴と経絡が開き、気きの流れがよくなります。実際に試すと、だんだんとわかりますよ。
発声のしかたで臓器が活性化する
『ホツマツタヱ』にも、あわ唄が五臓六腑を元気にすると書いてあります。
例えば、ウの音は、丹たん田でんの第二チャクラを響かせるので、腸の働きを活発にし、生命エネルギーを増大します。イの音は、額(脳のう下か垂すい体たい)の第六チャクラを開くので、見えないものを見る力がわいてきます。そして、ウからイに昇るにつれて、高い音で発声するとさらによく響くようになります。
甲状腺ホルモンの少ない女性がいますが、そういう人は舌を大きく出してエー音を響かせてください。疲れやすい人は、丹田にウー音を響かせて生命エネルギーを刺激します。
消化器系の弱い人は、みぞおちに意識を集めて、オー音を響かせてください。循環器系の弱い人は、胸に意識を集めて、アー音を響かせるとよいですね。
このほか、対応するチャクラに強く響く発声のコツを下にまとめましたので、ご覧ください。
最後に、あわ唄の音程が気になる人もいるでしょう。
これは、好きなメロディで唄ってかまいません。チベットの僧侶のように、同じ音階で引き延ばす唄い方でもよいし、他の曲のメロディで唄ってもかまいません。
例えば私は、神の恵みに感謝するアメイジング・グレイスのメロディでときどき歌いますが、ぴったり合うのが不思議なくらいです。歌って気持ちのよい節回しを見つけてください。