大注目の炊き込みご飯ビリヤニ
最近、飲食店や一部の料理家を中心にスパイス料理が注目を集めています。特に人気なのが「ビリヤニ」です。
行列の絶えないインドカレー店がビリヤニ専門店を開業したり、料理本も出版されたりするほどです。
ビリヤニとは何かというと、肉や野菜、魚などを米とスパイスで炊いた日本でいう炊き込みご飯です。
インドやその周辺国で食べられており、スペインのパエリア、日本の松茸ご飯と並び、世界の3大炊き込みご飯の1つと言われています。
田中氏のように、ビリヤニを食べて「やせた」「調子がよくなった」という声があがっています。医師の私から見て、この現象は興味深いものです。
スパイスと米が健康効果の決め手!
そこで、ビリヤニについて調べてみると、非常に健康効果の高いことがわかりました。
特に、使われているスパイスに体によい効果を持つものが多く、ビリヤニの健康効果を高めていると考えられます。
使われるスパイスや具材は、作り手によって多少異なりますが、共通しているものが、クミン、コリアンダー、ターメリック、シナモン、カルダモン、ショウガ、ニンニクです。これに、ブラックペッパーや唐辛子を加え、辛みを出します。
いずれの食材も体にとてもよく、以下の効果が期待できます。
①クミン 消化促進・免疫力向上
②コリアンダー 解毒作用
③ターメリック 肝臓機能の強化
④シナモン 血糖値の急上昇抑制
⑤カルダモン 整腸作用・精神安定
⑥ショウガ 抗炎症作用・消化促進・血流改善・身体を温める・糖尿病のリスク軽減
⑦ニンニク 疲労回復・血流改善
⑧ブラックペッパー 血流改善
⑨唐辛子 胃腸機能の改善
唐辛子とショウガは、一緒にとると、がんの発症リスクが抑えられるという報告があります。料理に唐辛子を加えるときにはショウガも入れることをお勧めします。
そして、主食のことも忘れてはいけません。ビリヤニに使われるのは、バスマティーライスと呼ばれる細長い米です。ナッツのように香ばしく、エスニックな風味でビリヤニの味わいを深めてくれます。
バスマティーライスは、低GI食品であることが見逃せません。
GIとは、炭水化物を含む食品を食べたときの、消化吸収のされやすさを表した数値のことです。
低GIと呼ばれるものは、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることができます。食物繊維も含まれていることから、食後の余分な脂肪の吸収も抑えてくれます。
腹持ちもよく、ダイエット効果も期待できるのです。
緑茶・バター・ココナッツオイルでアレンジも◎
ビリヤニは、意外にも、家庭で簡単に作れます。
その際、お手元にあればぜひ入れていただきたいのが、緑茶、バター、ココナッツオイルです。
緑茶に含まれるポリフェノールには、認知機能を維持する効果が期待されており、記憶力の向上や認知症予防に取り入れてほしい食材です。
ミネラルやビタミンが豊富に含まれるバターやココナッツオイルは、炊くときに少量加えるのがコツです。ビリヤニの風味が豊かになり、より本格的な味わいが家庭でも楽しめます。
メイン食材の肉・魚もポイントです。お勧めは手羽先などの骨付きの鶏肉とイワシ、サバです。
魚も、骨付きのほうがいいので、缶詰を利用するといいでしょう。
近年、日本人のたんぱく質不足が問題となっています。
たんぱく質が不足すると、筋肉量や免疫力の低下、皮膚の老化などが起こります。
たんぱく質は、高齢者のみならず、働き盛りの人にも欠かせない栄養素です。魚や肉をとることは、不足しているたんぱく質を補うことにもつながります。
次の記事からはビリヤニをより健康的で簡単にアレンジした「スパイスご飯」のレシピをご紹介します。
日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。