ゆほびか ゆほびか
  • 文字サイズの変更
  • 大
  • 中
  • 小
  • SNS
  • twitter
  • facebook
  • instagram

【骨ホルモンを活性化】若返りを促進する「ハナビラタケ骨スープ」

骨から全身の若返りを促進!

いつまでも元気に若々しく、そして美しくいるために、体の中で最も重要なのはどこだと思いますか。

顔? 皮膚? 筋肉? 体形?

どれも大切ですが、何といってもいちばん重要なのは「」です。

これを示す実証データがあります。当院で、男女239人の「見た目年齢」と骨の量(骨密度)との関係を調べたところ、強い相関関係が認められました。年齢の割に骨密度が高い人、つまり「骨が若い人」ほど「見た目が若い」ということがわかったのです。

骨と深く関わるのは、見た目の若さだけではありません。骨の細胞から、体内の臓器や血管を含めて、全身の若返りを促進することができるのです。

なぜなら、私たちの骨からは、美と健康を増進するために、体内で大活躍する「骨ホルモン」が出ているからです。その正式名称は「オステオカルシン」と言います。ここでは、わかりやすく「骨ホルモン」と呼んで話を進めましょう。

骨ホルモンの最もすごい点は、「マスターキー」のようなホルモンであるということです。

ホルモンは、体内のいろいろな器官に働きかける、いわば「メッセージ物質」です。
それぞれの器官の細胞には、特定のホルモンの受容体(レセプター)があります。受容体とは、鍵穴のような働きをする場所です。
ホルモンという鍵と、受容体という鍵穴とが一致したときだけ、そのホルモンが作用できるしくみです。立体パズルのように、丸なら丸、星形なら星形など、鍵と鍵穴が一致しないと働けないのです。

ところが、骨ホルモンだけは例外で、あらゆる器官の細胞の受容体に、パクッとはまって働くことができます。

そのため、脳では神経伝達をよくし、心臓では心機能を高め、膵臓ではインスリンの分泌をよくし、腎臓では腎機能を活性化し、美肌を作り、筋肉を増強し、皮下脂肪は適度に保つ……など、骨ホルモンは全身のあらゆる場所で働くのです。まさに、美と健康を作る「万能の鍵」といえます。

減ってきたホルモンの働きを補完

さらに、骨ホルモンには、もう一つすばらしい特徴があります。ほかのホルモンは、加齢とともに分泌が減っていきますが、骨ホルモンは対策さえ講じれば、何歳になっても骨から引き出すことができるのです。そして、減ってきたほかのホルモンの補完をしてくれます。

このすばらしい骨ホルモンを、骨から引き出す方法として、手軽で効果的なのが、今回、ご紹介する「ハナビラタケ骨スープ」です。

ハナビラタケは、最近、注目されているキノコで、突出した健康効果を持つ、いわゆるスーパーフードの一種です。といっても、お手頃価格で市販されているので、お金をかけずに健康作りに役立てられます。

ハナビラタケ骨スープは、ハナビラタケに骨つき肉とタマネギ、ニンジンなどを加えて作ります。煮込むだけで簡単に作れるうえ、骨ホルモンを引き出すのに最適です。

私たちの骨は、絶えず一定量が溶かされ、一定量ができて、生まれ変わりながら強さを保っています。
そして骨ができるときに、骨ホルモンが出るしくみになっています。

骨が順調に生まれ変わり、活発にできていくとき、骨ホルモンもたっぷり出てくるのです。そうした骨の生まれ変わりを、ハナビラタケ骨スープが強力に促してくれます。

このスープに使う骨つき肉は、骨ごと煮るので、骨髄と肉から、カルシウムをはじめとしたミネラル、コラーゲン、コンドロイチン、たんぱく質の構成成分であるアミノ酸、各種のビタミンなどが出てきます。
骨から出てくる成分なので、当然、骨の材料として最適です。

さらに、グツグツと煮込むことで、栄養素が細かく分解された形でとれるのが大きな利点です。それによって、使う消化酵素を最小限に抑え、体に負担をかけずに骨の材料が摂取できます。

骨ホルモンとハナビラタケは最強の組み合わせ

ハナビラタケが吸収をよくしてくれる

私たちの体は、摂取した成分ではなく、吸収された成分でできています。どんなに骨づくりに効果的な成分をとっても、吸収されなければ役立ちません。そこで活躍するのがハナビラタケです。

ハナビラタケには、カルシウムを腸から吸収させるとともに、骨に吸着させるビタミンDがたいへん豊富です。ビタミンD源の代表といわれる干しシイタケの10倍以上のビタミンDが含まれているのです。

同時に、ハナビラタケは女性ホルモン様の成分も含んでいます。
女性は閉経期以降、骨を守る女性ホルモンが急激に減るため、骨の産生より溶出が高まって骨粗鬆症(※1)のリスクが高まります。

※1 骨量が減って骨が弱くなり、もろく折れやすくなる病気

その分、骨ホルモンも出にくくなってしまいますが、ハナビラタケをとることで、女性ホルモンの働きが補われ、その意味でも強い骨作りと骨ホルモンの分泌が促進されるのです。

このように、ハナビラタケ骨スープには、骨の材料と、それを吸収・吸着させる成分、骨の産生を促す成分がすべて含まれます。骨ホルモンをどんどん出すための、最強のカードがそろっているわけです。

強い骨と若々しい体が作れる最強のスープ、ハナビラタケ骨スープを、ぜひ飲んでみてください。

「ハナビラタケ骨スープ」の作り方

監修:山本江示子、料理・レシピ・スタイリング:古澤靖子

【 材料 】
(作りやすい分量・7~8人分)

・鶏モモ肉骨つきブツ切り 600g
・ハナビラタケ 2パック(200g)
・ショウガ(皮つきの薄切り) 1片分
・タマネギ 1/2個
・ニンジン 1本
・白菜 300g
・レンコン 1/2個
・小松菜 適量
・水 1200~1500㎖
・塩・コショウ 適宜

【作り方】

①鶏モモ肉は熱湯に入れ、サッとゆでて臭みを取り、取り出す

②ハナビラタケは、一口大に手で割く

③ショウガは薄切り、タマネギはくし形に、ニンジンは長さを半分に切り縦に2~4つに切る。白菜はざく切り、レンコンは大きめのひと口大に切る

④小松菜は4㎝長さに切る

⑤鍋に鶏肉とショウガ、タマネギ、ニンジンを入れ、水を注ぎ、ハナビラタケ、白菜、塩小さじ1を入れ、火にかける

⑥沸騰したらアクをとりながら、弱火で2時間コトコトと炊く。途中で水が減ってきたら、適宜水を足す(※圧力鍋の場合は、高圧で20分)

⑦小松菜を入れてフタをして1分ほど蒸らし、塩・コショウで味を整える

高血圧も正常化しやすくなる

ハナビラタケ骨スープが、「骨ホルモン(オステオカルシン)」の分泌を強力に促すことは、すでにお話ししました。ここでは、その骨ホルモンの働きについて、詳しくご紹介しましょう。


❶脳の働きをよくする

骨ホルモンは、脳の神経伝達や神経の結合をよくします。その結果、認知能力や判断能力を高め、認知症の予防にも役立ちます。また、記憶に深く関わる脳の海馬という部分の働きをよくして、記憶を長くとどめるようにします。

❷心臓の機能を高める

心臓では心機能をよくします。つまり、心臓が長くしっかりと働けるようにしてくれます。

❸血流をよくして血管病を防ぐ

血管を必要に応じて拡張させ、血流をよくします。骨ホルモンは、血管の内皮細胞(いちばん内側にある細胞)から、血管を拡張させるNO(一酸化窒素)という物質が出るように促すからです。

これによって、高血圧も正常化しやすくなります。そのことが、脳梗塞や心筋梗塞(※1)といった血管病の予防にもつながります。

※1 脳や心臓の血管が詰まって起こる病気

❹膵臓でインスリンの分布を促す

膵臓では、膵臓壁の細胞から出ているインスリンの分泌をよくします。そのため、糖尿病の予防や改善に役立ちます。また、インスリンの分泌促進は、筋肉の増強にも役立ちます(詳しくは後述)。

❺腎機能を活性化する

腎臓では腎機能を活性化します。腎臓は、血液をきれいにする器官ですから、腎機能が高まるのは、血液のクレンジング作用が得られるということです。腎機能は年齢とともに低下しますが、それを食い止めるためにも骨ホルモンが役立ちます。

❻骨を丈夫にする

骨は、絶えず生まれ変わっています。破骨細胞という細胞が古い骨を壊す一方で、骨芽細胞という細胞が新しい骨を作っているのです。
 骨ホルモンは、骨芽細胞が骨を作るときに出ますが、その骨ホルモンにより、骨芽細胞自身も活性化されます。ですから、このスープで骨ホルモンの分泌を促すほど骨が強くなり、ますます骨ホルモンが出るという好循環が生まれます。

❼筋肉を増強する

骨ホルモンの分泌が高まると、筋肉も増強されます。前述のように、骨ホルモンには、インスリンの出を促す作用があります。

インスリンは、糖を細胞に取り込ませて血糖値を下げるホルモンです。しかし、実は糖だけでなく、たんぱく質などの筋肉への取り込みも促進して、筋肉を増強させる作用があります。ですから、骨ホルモンの分泌が高まると、筋肉も増えやすくなるのです。このことは、特に、高齢者のサルコペニア(※2)やフレイル(※3)を防ぐために重要です。

※2 筋肉が減少して身体機能が低下した状態 
※3 虚弱になって健康障害を起こしやすい状態

あらゆる器官を活性化し強くするスーパーホルモン

全身の代謝を高めてやせやすい体をつくる

❽「やせホルモン」を増やす

最近、消化ホルモンの一種である「インクレチン」、特に小腸の下部から出るGLP‐1という物質が「やせホルモン」として注目されています。その呼び名のとおり、GLP‐1には、全身の代謝を高めて、やせやすく太りにくい体をつくる働きがあります。

同時に、インスリンの分泌を促して高すぎる血糖値を下げ、過剰になった食欲を抑える働きもあり、さまざまな面でダイエットと健康づくりに役立ちます。骨ホルモンは、このGLP‐1の分泌も促進する働きがあります。

❾皮下脂肪を適量に抑える

今述べたGLP‐1の分泌が促されることで、代謝が高まり、余計な皮下脂肪が排除されます。その結果、肥満の人は、その改善・解消が促されます。もちろん肥満の予防効果も得られます。

➓ハリのある美肌を作る

骨ホルモンは、皮膚の真皮(表皮の下の層)にあって、肌のハリのもとになるコラーゲンやエラスチンを作っている線維芽幹細胞、さらに、いろいろな細胞になることができる皮膚の幹細胞に働きかけます。そして、ハリのある肌を作るとともに、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)を促して美肌を作ります。

⓫男性ホルモンを増やす

男性ホルモンは男性にとって重要なのはもちろんですが、女性の体内でも少量ですが分泌されています。そして、筋肉をつけたり、代謝を促してダイエット効果を高めたり、やる気や意欲を湧かせたり、うつを防いだりと、幅広く働いています。

骨ホルモンは、男性ホルモンを増やして、これらの作用をもたらします。

肉を食べると疲れる人にもお勧め

なお、ハナビラタケには女性ホルモン様作用を持つ成分が含まれるので、ハナビラタケ骨スープで、女性ホルモンと男性ホルモン、両方の作用を活性化できます。

このほか、ハナビラタケには、がん予防効果で知られるβ-グルカンという成分も、抜群に多く含まれます。β-グルカンの含有量は40%以上で、がん予防効果で有名なアガリクスの4倍以上です。

肉を食べて栄養をとりたいと思いながら、「肉を食べると疲れてしまう」という人もいるでしょう。それは、肉のたんぱく質を消化するために、消化酵素を多く使うためです。

ハナビラタケ骨スープのように、よく煮込んだスープなら、肉のたんぱく質もアミノ酸やペプチド(少数のアミノ酸がつながったもの)に分解されているので、多くの消化酵素を必要としません。その分、体に負担をかけないので、食べても疲れずに、重要な栄養素がたっぷりとれて吸収できます。

体内の消化酵素が不足すると、代謝酵素を消化酵素に変えて使うので、代謝が低下します。その意味でも、ハナビラタケ骨スープのような消化のよいスープメニューを多くし、消化酵素を節約することは大事です。

このスープは、目安として週に2回、できれば朝晩、難しければ朝か晩にとってください

同時に、ウォーキングやかかとの上げ下げなどの運動も行うと、骨に刺激が入り、骨ホルモンの分泌促進にはより効果的です。

ハナビラタケ骨スープを勧めたスタッフや患者さんたちからは、
「むくみや肩こりがとれ、慢性疲労がなくなった」(50代女性)
「胃痛、胃もたれ、胸やけがなくなり、顔色もよくなった」(40代女性)
などの声をいただいています。

手軽に作れるハナビラタケ骨スープを天然のサプリメントとしてとられてはいかがでしょうか。

この記事は『ゆほびか』2023年1月号に掲載されています。
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: amazon_banner01.png