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【物を増やさない方法】66歳快適一人暮らしの片づけ術

息子たちが困らないよう片づけを始めた

皆さん、初めまして。ショコラと申します。

雑誌やweb記事でも大人気のショコラさん

現在の1LDKのマンションに住み始めて19年。8年ほど前から暮らしを見直すようになり、少しずつ身の回りの物を整理してきました。その片づけも3~4年前に終わり、シンプルだけれども充実した日々を、ブログにつづっています。

その私の片づけ術をご紹介する前に、そもそもなぜ私が暮らしを見直そうと思ったのか、お話ししておきますね。

私には、40代で離婚した夫との間に、二人の息子がいます。

息子たちとはつかず離れずのいい関係ですが、老後を子どもたちに頼ったり、もしものときに、子どもたちに迷惑をかけたりしたくないと思っていました。

私たちより上の世代は、物を捨てられない世代と言われています。

そういう家庭の後片付け番組をテレビで見たとき、子どもたちが困らないように、不要なものは捨てて、本当に必要なものだけを残しておこうと思ったのです。

そこから始めた片づけですが、私がしたことは、とてもシンプルです。

①捨てる
②物を増やさない
③ストックはしない

どれも簡単なことに思えますが、実際にしてみると、迷うこともあります。そういうときのコツにも触れながら、私の体験をお話しします。

捨てるコツは、二つ。
「必要」「好き」以外は捨てる

42歳で家を出たときは、わずかな家具と雑貨、洋服や身の回りの物だけを持って、1Kの賃貸に移りました。そして46歳のときに、今住んでいる1LDKの部屋を35年ローンで購入したのです。

46歳のときに35年ローンで購入した1LDK。日当たりがよくグリーンが映えるインテリア

もともと、そんなにたくさんの物を持っていたわけではありませんが、生活するうちに、だんだん物は増えていきます。

お気に入りのライティングビューロー

チェストを処分してライティングビューローに買い替えたときは、かなりの物を捨てました。収納スペースが、これまでの半分に減ってしまったからです。

そういうときの捨てる基準は、「それがなくても寂しいと思わない物」、「壊れたら別の物を選ぶだろうと思う物」、です。

反対に、壊れてもまた同じ物を買うだろうと思うものは、捨てられません。

洋服は、けっこう迷いました。不要な物、あってもなくてもいい物は簡単に捨てられますが、高かった物や、また着るかもしれないと思う物は、捨てるのに躊躇します。

全衣類が入っているウォーキングクローゼット

そういうときは、スーツケースにいったんしまって、半年か一年たった頃、スーツケースを開けてみます。存在自体を忘れていた物、一度も着なかった物は、捨てました。

また、営業の仕事を辞めて着なくなったジャケットやスーツは、ネットオークションに出しました。

当時はヤフーオークションが中心の時代でしたが、出した物が全部売れたときは、うれしかったことを覚えています。ネットオークションは、売るときも買うときもよく利用しました。

靴も、パンブスを履かなくなったので、冠婚葬祭用とお気に入りの靴だけ3足を残して、あとは全部、捨てました。今は、スニーカーしか履きません。

食器は、一人暮らしなので一人分あればいいのですが、息子や友人が来ることもあるので、平皿など、必要なものは3枚用意してあります。

キッチン用品は、シンク下の収納スペースに収まる分だけ、と決めています。今、残っている食器やキッチン用品は、使い勝手がよく、気に入ったものばかりです。

衣類も、ウォーキングクローゼットに納まる範囲に抑えています。夏なら通勤用のスカートが3着、Tシャツは5~6枚。全部好きな物なので、それだけあれば十分です。

増やさない工夫。服は
1枚買ったら1枚捨てる

2~3年かけて今の生活の形になってからは、その状態を維持するようにしています。

服や食器、靴やバッグも、何を持っているか、全て自分で把握できる範囲に収めています。

服なら、スカートを1枚買ったら、代わりに何かを1枚捨てて、増やさないようにしてきました。最近は気に入っている物ばかりなので、代わりに捨てる物が少なくなってしまいました。

私は、毎月の生活費を12万円でやりくりしようと決めています。ですから、余分な物は買えません。買うときは、本当に必要な物、気に入った物を吟味して買います。

無駄遣いしないコツは、「欲しい物リスト」を作ることです。欲しいけど、急いで買う必要のない物を手帳に書いておき、時間がたっても欲しかったら、ネットオークションなどで購入します。

こうすると衝動買いを防げますし、時間をかけて商品を選べます。ここ数年、ショートブーツは毎年リストに書いていますが、まだ気に入った物に出合えていません。絶対に必要な物ではないし、本当に気に入ったショートブーツに出合うまで、気長に探そうと思っています。

洋服は、そのシーズンで欲しい物があるので、リストに入れていません。私は昔から洋服が大好きなので、欲しい物はバンバン買いたいのですが、その気持ちをぐっと抑えて、単品(スカートやセーターなど)なら5千円、コートなら2万円までと、予算を決めています。

買いだめ、作り置き、
ストックはいっさいしない

調味料や洗剤、ティッシュやトイレットペーパーなどの消耗品を買い置きする人がいますが、私は部屋が狭いこともあって、ストックは置きません。なくなりそうになったら、そのつど、補充します。

いつでも買い物に行ける環境ということもあって、食材も買いだめしていません。その日に食べたいものを、その日に買います。ですから、作り置きもしません。たまに作り過ぎて残ることもありますが、それでも、翌日には食べてしまいます。

また、調味料は100円均一の店で、小さいサイズのものを買っています。コストパフォーマンスを考えると割高かもしれませんが、一人なのでそんなに大量に使いませんし、置く場所もないからです。特にマヨネーズは私には最適なサイズ感で、スーパーにもコンビニにもない絶妙なサイズです。

私は一人暮らしを始めてからずっと節約してきましたから、自然に節約が身につきました。物をストックしないのも、100円均一ショップを活用するのも節約のためですが、それだけではありません。

100円均一ショップで気に入った物を見つけると、「100円でこんないい物が買えた!」と、気分が上がるから、というのもあります。

「安いから」買う物と
「気に入っているから」買う物。

ショコラさんの「欲しい物手帳」

「100円で気に入る物が見つかると、気分が上がる」と書きましたが、その一つが、手帳です。

私はこの手帳を毎年、夏が終わる頃には買って(早く買わないと、お気に入りの柄がなくなってしまう)、ブログでも紹介しています。

人によっては、「100円の手帳なんて侘しい。もっと上質の手帳のほうがよいのでは?」と、思うかもしれません。

でも私は、侘しいなんて一度も思ったことがありません。100円の手帳は、安いからではなく、気に入っているからこそ、毎年買っているのです。

40代の後半から50代の前半にかけて、私は契約社員から正社員となって、営業の仕事をしていました。当時、私は、1万円以上する革のシステム手帳を使っていました。仕事は忙しいながらも、やりがいがあって充実した毎日でした。

営業職だった頃の革の手帳は処分したが、この手帳だけは気に入って住所録として手元に残している

予定でビッシリと埋まった革のシステム手帳は、そんな私を支えてくれる大事な存在でした。1日に何度も何度も手に取り、書き込みをし、確認する。だから、その手帳を「高い」とは全く思いませんでした。

でも、今の私の生活に、そんな手帳は必要ありません。

今は週に4回、パートに出ているだけなので緻密なタイムスケジュールがあるわけでもないし、頻繁にメモを取ることもありません。小型で使いやすい100円の手帳で十分なのです。

価値観は、そのときの生活によって変わってきます。

金額よりもそれが必要なのか、自分の身の丈に合っているか、そして何よりも自分が気に入っているどうかがいちばん大事だと、私は思っています。

焦らず、ゆっくりと
片づけをしていけばいい

私の部屋は、家具は少ないのですが、どれもみんな、好きな物ばかりです。中には値の張る物もありますが、本当に気に入った物に出合うと、不思議と「高い」と感じません。好きな物は飽きませんし、片づけを経て、私の元に残っている数少ない物には、よけい愛着が湧きます。

私は、2~3年かけて物を捨て、家具を買い替えて、今の生活の形を作りました。

これから片づけを始めるかたも、1回で全部片づけようと思わず、時間をかけて少しずつ整理していけばいいと思います。

この記事は『ゆほびか』2022年12月号に掲載されています。