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【慢性的な鼻づまり】の意外な原因は硬いわき腹!わき腹を伸ばすとスーッと鼻が通る!

「わき腹伸ばし」でスーッと鼻が通る

鼻がつまってお困りの患者さんは、当院にもたくさん来られます。実は、鼻づまりの体には、ある共通する特徴があります。

それは左右どちらかの、あるいは両方のわき腹がガチガチに硬い、ということ。

ちなみに、硬いのが左のわき腹なら左の鼻が、右のわき腹なら右の鼻がつまります。通常、左右差があるものですが、両鼻ともつまっているという場合は、両方のわき腹が硬くなっています。症例をご紹介しましょう。

20代から副鼻腔炎を患っていたというAさん(40代・女性)。来院時には右鼻がつまっている状態でした。

Aさんは鼻づまりで来院されたわけではなく、足の親指に激痛があるとのことでした。症状は痛風(体の中にたまった尿酸が結晶化して、激しい関節炎を発症する病気)にそっくりですが、尿酸値には異常がなかったそうです。

体の状態を見ると、右のわき腹が顕著に縮み、硬くなっていました。では、内臓の状態はというと、肝臓がれ上がり、パンパンになっています。

肝臓は、体の右側に位置する臓器ですから、そこに腫れや炎症などが生じると、右のわき腹が縮んで、硬くなります。生活習慣を伺うと大のお酒好きとのことで、それで肝臓に慢性的な負担がかかっていると考えられました。

そこで、右のわき腹を伸ばして、こわばりをとる施術を行いました。すると、Aさんの鼻はその場でスーッと通るようになり、驚かれていました。

その後、お酒を控えめにしたところ、痛風のような痛みも、すっかりよくなったと報告してくれました。

甘い物、お酒、薬が鼻づまりを引き起こす

肝臓は体に害になるものを解毒する臓器です。肝臓に負担がかかるものを摂取しすぎると、硬くなったり腫れたりするのが手技でよくわかります。

Aさんの場合はお酒でしたが、薬やサプリメント、エナジードリンク、砂糖などのとりすぎが原因となっているケースも見られます。

一方、左のわき腹が硬くなるのは、食べすぎが原因です。胃は左側にカーブした袋のような形状なので、食べすぎて胃がパンパンになると、左のわき腹が縮んで硬くなるのです。

この場合、胃の裏側に当たる背中の左側も、右側と比較すると盛り上がって硬くなっているはずです。

ただし、食べすぎの人は同時に砂糖やお酒をとりすぎて、肝臓にも負担がかかっていることが多く、右のわき腹も硬いということがよくあります。

つまり、お酒、食べ物、薬など、その内容は人によってさまざまですが、食べすぎたり飲みすぎたりすると、内臓に負担がかかり、わき腹が硬くなるのです。

これまでのケースを見ていると、たいていの患者さんが食べすぎ飲みすぎに対しては、自覚がありませんでした。しかし、わき腹には、そんな臓器の状態がしっかりと反映されるのです。

では、それがなぜ鼻づまりを招くのでしょうか。わき腹が硬いということは、そこにある組織が圧迫された状態です。

すると循環が滞ります。体の部位はつながっていますから、その結果、鼻の循環も悪くなり、鼻がつまるのです。

ですから、副鼻腔炎だからといって、鼻だけに注目して対処しても、なかなかよくなりません。根本的に改善するには、わき腹のこわばりをとって、循環をよくしなければなりません。

血圧降下や胃の不調の改善も

そのためのセルフケアが、以下にご紹介する「わき腹伸ばし」です。これはわき腹を手でつまみながら上体を横に倒して、わき腹を引き伸ばす体操です。

グーッと引き伸ばしてから戻す動きを繰り返すことで、硬くなったわき腹を効率よくほぐすことができます。左右どちらかに副鼻腔炎や鼻づまりがある場合は、そちらの側のわき腹で行います。両方につまりがある場合は、両方のわき腹を引き伸ばします。 

後者の場合、実践前に上半身を左右に倒して、やりにくい方向があれば、そちらを重点的に行いましょう。つまむと痛みを感じる、他と比べて硬い場所があれば、そこも重点的に行うポイントです。

経験上、かなり症状の重い副鼻腔炎であっても、わき腹伸ばしで何かしらの改善が見られます。つまっていたものが取れて、空気の通り道ができるので、とたんに鼻水がタラタラと出てくることもあります。

わき腹伸ばしには、そのこわばりの原因となった臓器の機能を高める効果も期待できます。Aさんの場合は痛風のような症状がよくなりましたが、高血圧、胃の不調などが改善したケースもあります。

ウエストが細くなるなどの美容効果も期待できますから、ふだんから行うといいでしょう。

左右どちらか、鼻の通りの悪いほうを確認する

通りの悪い方の鼻の穴を指で押さえます。

体を左右にゆっくり倒してみます。

鼻の通りの悪いほうと同じ側のわき腹は伸ばしにくく、倒しにくいことが確認できます

わき腹伸ばしのやり方

①イスに座る。鼻がつまっている側の骨盤の上に手を当て、親指と人指し指の腹でわき腹の皮膚をつまむ

②手は固定したまま、上体をその手の反対側に倒し、わき腹の皮膚を引き伸ばす。上体が倒れる力を利用して、固定した手で皮膚を引き伸ばすのがポイント。少しずつ手の位置を上にずらす

③骨盤の上から肋骨の下まで、5カ所程度に分けて、わき腹全体の皮膚を引き伸ばす。肋骨の下まで手を移動させたら、今度は上から下方向へ、わき腹をつまんで上体を倒していく

※骨盤から肋骨、肋骨から骨盤までを1往復と考え、5往復行う

※硬い部分、分厚い部分、痛みを感じる部分がある場合は、そこを重点的に行うとよい

両方の鼻がつまっている場合は、両手でわき腹をつかみ、左右に倒して行ってもよい