チェックリストつき!自律神経のバランスがくずれると心と体にこんな不調を起こす
①排便や発汗、呼吸や心拍をコントロールしている
私たちの体には、体性神経と自律神経という2つの神経があります。体性神経は、自分の意志で制御できる神経で、自律神経は、自分の意志では制御できない神経です。
自律神経は、主に内臓や血管の働きをコントロールしています。具体的には、排便、排尿、生殖活動、呼吸、心拍、血管収縮、体温調節、発汗、嚥下といった生命活動に、深く関わっています。
②「活動」は交感神経、「休息」は副交感神経
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。交感神経は活動的になるときに優位になり、副交感神経はリラックスするときに優位になります。
例えば、排便機能なら、便を溜めるのは交感神経の働きで、便を排出するのは副交感神経の働きです。つまり、交感神経と副交感神経の両方が、バランスよく働くことで、私たちの生命活動は支えられているのです。
あなたは大丈夫? 「自律神経バランス」チェックリスト
あてはまる項目にチェックを入れ、最後にチェックの数を数えてください。
□ イライラしやすい
□ やる気が出ない
□ 睡眠時間が7時間より少ない
□ 寝つきが悪い
□ 就寝直前にスマホやテレビを見ることが多い
□ 朝、起きるのが辛い
□ 休日は昼まで寝てしまう
□ 食事の時間が不規則。夜食も多い
□ 食べ物を飲み込みづらい
□ お風呂でなくシャワーで済ませることが多い
□ 痛みを伴う筋肉のコリがある
□ 体のほてりに悩まされている
□ 冷え性である
□ 過敏性腸症候群の傾向がある
□ 1週間の中で体を動かすことがない
□ 感動する映画を見ても涙が出ない
□ 完璧主義で人にお願いするのが苦手
□ 仕事の段取りが苦手
6個以上あてはまる人は、自律神経が乱れている可能性がかなり高い。ここで紹介している、自律神経を整える方法を、積極的に活用しよう。3〜5個あてはまる人は、自律神経が乱れやすい生活になっているので要注意
気になる!自律神経が乱れるとどうなる?
①交感神経と副交感神経のメリハリがなくなる
自律神経は、日中は交感神経が優位になり、夜から朝にかけては副交感神経が優位になるというように、自然のリズムに合わせて、交互に働きます。
しかし、現代人は不規則な生活を送りがちで、交感神経と副交感神経のメリハリが、乱れやすくなっています。例えば、夜にベッドに入ってから、なかなか寝つけないのは、副交感神経が働いていない証拠といえます。
②現代人に多い交感神経の高ぶり
交感神経と副交感神経のメリハリがなくなると、暑いときに汗をかけなかったり、寒いときに体が温まらなかったりと、体温や血圧の調節にも影響します。
現代人に多いのが、いつも交感神経が高ぶって、副交感神経がしっかりと働かず、休息モードになれないパターンです。この状態が続くと血流が悪くなり、高血圧、肩こり、便秘、頭痛など、全身の不調につながります。
今日からはじめたい自律神経が整う生活術
①ストレス対策を心がける
自律神経のメリハリを乱す、最大の原因はストレスです。私たちの体は、強いストレスを受けると、脳の最高中枢である前頭前野の働きが低下します。
すると、自律神経を支配している脳の「視床下部」という部位にも悪影響があり、交感神経と副交感神経の働きが乱れます。
②就寝前のスマホ、休日の寝だめはNG
自律神経は、体内時計に大きく左右されます。深夜にテレビやスマホを見たり、寝る前に食事をしたり、休日に寝だめしたりするなど、不規則な生活を続けると、体内時計が狂ってしまうので要注意です。
③運動と睡眠で自律神経にメリハリ!
自律神経は、自然界のリズムと、体内時計(内側のリズム)が同調していれば、なんら問題なく正常に働いてくれます。
しかし、ストレスや加重労働、不規則な生活が、外側と内側の同調を狂わせ、自律神経のメリハリを乱すのです。つまり、自律神経のメリハリを取り戻すには、まず生活にメリハリを取り戻し、ストレスをうまく受け流すことが重要です。
メリハリのある生活のポイントは、運動と睡眠です。運動は交感神経、睡眠は副交感神経が主体。両方の時間を確保すれば、自律神経のメリハリが回復しやすくなります。
運動は、ウォーキングがお勧めで、早歩きで1日10~20分が目安です。睡眠は1日7時間以上、日付が変わる前に眠りましょう。
④夜の深呼吸で体がリズムを思い出す
運動と睡眠のほかに意識してもらいたいのが、呼吸です。普段から、呼吸が早くなっていないか気をつけて、ゆったりとした呼吸を意識的に行いましょう。
深い呼吸は、副交感神経を優位にします。いつも交感神経が高ぶっている現代人にはぴったりです。上に紹介した「ゆったり呼吸」を、就寝前に行うことをお勧めします。
この呼吸法を続ければ、「昼は交感神経」「夜は副交感神経」という本来のリズムを、体に覚え込ませることができます。
⑤1日の段取りを立て明日できることは今日やらない
ストレスを受け流すのに有効なのが、1日のスケジュールを立てることです。仕事や家事の段取りをしないと、今日やるべきことがはっきりしません。それでは、やることに終わりが見えず、いつも時間に追われているような心理状態になってしまいます。
1日や1週間の段取りを立てることが、活動と休息のメリハリを生みます。「明日できることは、今日やらない」といった、ゆったりとした心構えもたいせつです。
寝る前に1回やるだけ自律神経のメリハリ回復!「ゆったり呼吸」のやり方
①仰向けに寝てひざを立て、胸の上に手を置く。胸が膨らむのを意識しながら、8秒かけて鼻からゆっくり息を吸い込む
②胸がしぼむのを意識しながら、8秒かけて口からゆっくり息を吐く。①~②を5回繰り返す
③同じ姿勢のまま、おなかの上に手を置く。おなかが膨らむのを意識しながら、8秒かけて鼻からゆっくり息を吸い込む。
④おなかがへこむのを意識しながら、8秒かけて口からゆっくり息を吐く。①~④を5回繰り返す。