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【睡眠薬いらず】【快眠】指に輪ゴムを巻くだけで自律神経が整いぐっすり眠れる

睡眠導入剤の常用者も薬なしで眠れた!

「輪ゴム療法」は、輪ゴムを手足の指に巻くだけの簡単なセルフケアです。これは、私が自身のアレルギー性鼻炎を抑えるために考案したものですが、それ以外にもさまざまな症状に効果を発揮します。

 なかでも、多くの人に「速効性がある」と喜ばれているのが「不眠」です。睡眠薬を飲まないと眠れなかった人から、「熟睡できるようになった」という声をいただいています。

 その一人、Hさん(79歳女性)は、数年前から布団に入っても寝つけず、やっと眠れても夜中に目が覚めて明け方まで眠れない状態が続いていました。睡眠導入剤を飲むようになって寝つきはよくなりましたが、薬に頼りたくないと輪ゴム療法を開始。すると、数日後からぐっすり眠れるようになり、ほどなく睡眠導入剤が不要になりました。

 また、身内の死をきっかけに不眠症になったYさん(70歳女性)も、睡眠導入剤を常用していました。

 しかし、薬を飲んでも数時間後には目が覚めてしまい、夜中に薬を追加しないと眠れなかったそうです。一晩に2回も薬を飲むのが不安になり、輪ゴム療法を始めたところ、よく眠れるようになり、朝の目覚めもスッキリしたとのこと。睡眠導入剤も、スッパリやめられました。

 なぜ指に輪ゴムを巻くだけでこんなに不眠に効果があるのか、不思議に思うでしょう。しかし、輪ゴム療法の作用がわかれば、それも納得できると思います。

自律神経の乱れを整える

 不眠のいちばん大きな原因は、自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)の乱れです。

 自律神経は、体を活動的にする交感神経と、休息をもたらす副交感神経がバランスをとりながら働いています。日中は交感神経が優位になって人は活動的に動きますが、夜になると副交感神経が優位になり、リラックスモードになって入眠しやすくなります。

 ところが、ストレスや心配事があって交感神経が活発になりすぎると、夜になっても副交感神経への切り替えがうまくいかず、眠れなくなってしまいます。

 その自律神経の乱れを手軽に調整できるのが、輪ゴム療法です。ただし大事なことは、「どこに輪ゴムを巻くか」です。それを知るために、まず体の重心をチェックします。

 重心は本来、体の中心にありますが、日頃の体の使い方や、内臓の疲労・萎縮などによって、たいていの場合、左右どちらかに偏っています。すると、骨格や筋肉にゆがみが生じ、リンパや血液の流れが悪くなったり、神経の働きが乱れたりします。

 また、重心のズレは自律神経にも影響し、左重心の人は交感神経の働きが強く、右重心の人は副交感神経の働きが強い傾向があります。そこで、重心がどこにあるか、体を左右にひねって調べます。

 右にひねりやすければ右に、左にひねりやすければ左に重心が偏っています。この重心のズレによって、輪ゴムを左右どちら側に巻くか決まります。

重心をチェックする方法

足を肩幅に開いてまっすぐに立ち、勢いをつけずにゆっくりと体をひねって、左右のどちらかにひねるほうが後ろまで見やすいかを確認する。

右にひねりやすい人➡︎右重心

左にひねりやすい人➡︎左重心

体をひねるときに、かかとがあがらないようにする

輪ゴム療法の3つの作用

 重心のズレがわかったところで、輪ゴム療法の3つの作用について説明します。併せて、不眠の場合、どこに輪ゴムを巻いたらよいかご説明しましょう。

圧自律神経反射

 自律神経は、皮膚に圧を感じると、その刺激によって交感神経と副交感神経のバランスに変化が生じるというおもしろい特性を持っています。これを「圧自律神経反射」といいます。

 上半身のどこかを圧迫すると、上半身の交感神経の働きが弱まり、副交感神経が優位になります。反対に下半身は、交感神経が優位になり、副交感神経の働きは弱くなります。

 また、下半身のどこかを圧迫すると、その逆の反応が起こります。この反応を用いて、自律神経を整えることができるのです。

 不眠は上半身の交感神経が興奮している状態なので、手の指に輪ゴムを巻いて副交感神経の働きを強くします。それによって、交感神経を抑制します。

重心のズレの解消

 私が行っている身体均整法では、重心のズレによる体のゆがみが多くの不調に関わっていると考えます。輪ゴム療法には、その重心のズレを正しい位置に戻す作用があります。

 体を左にひねりやすい左重心の人は、左の指に輪ゴムを巻きます(下図参照)。余談になりますが、足に巻くときは手とは反対で、左重心の人は右足に輪ゴムを巻くと、右側に重心が乗りやすくなります。上半身と下半身では、斜めに交差するように左右のバランスを取ろうとするので、逆になるわけです。

 そのため右重心の人は、手の指に輪ゴムを巻くときは右手に巻き、足に巻くときは左足に巻きます。なお、繰り返しになりますが、不眠には左右どちらかの手の指に輪ゴムを巻きます。

 重心のズレは体調や体の使い方によって変わりますから、輪ゴム療法をするつど、重心のチェックを行ってください。

経絡・ツボの刺激

 経絡は全身を巡る気血水(生命エネルギーや血液や体液など)の通り道で、ここが滞ると不調や病気の原因になると東洋医学では考えます。

 手の薬指には「三焦」という経絡が通っており、爪の生え際に「関衝」という三焦経のツボがあります。このツボには交感神経の興奮を抑え、睡眠のリズムを整えるメラトニンというホルモンの分泌を促進する作用があるため、よい眠りを促します。

 また、関衝は、背骨の前後の動きを支える要である腰椎1番(背骨の腰の部分のいちばん上)のゆがみを解消する働きもあります。頭が疲れると腰椎1番が緊張して、背骨が反らしにくくなりますが、腰椎のゆがみが取れると頭の疲れも取れて、眠りやすくなるのです。

 以上のことを踏まえて、不眠に効く輪ゴム療法をしてみましょう。体を左右にひねって、ひねりやすい側の薬指の爪のつけ根に輪ゴムを巻きます。強く巻く必要はありません。そこに当たっていれば、皮膚は圧を感じますから、フワッと巻くだけでもじゅうぶんです。

 女性なら、ニラや小ネギを束ねてあるような、小さな輪ゴムがサイズ的に合うようです。普通の輪ゴムなら、三重巻きくらいにします。

 巻いたら、体を左右にひねって重心をチェックしてください。左右同じくらいにひねれれば、重心のバランスが取れています。

 巻く前と変わらないようでしたら、巻きが緩いか、輪ゴムが合わないのかもしれません。圧を調節するか、輪ゴムではなくヒモなどを巻いてみてください。

 また、輪ゴムは1日中、寝ている間も巻いたままでかまいません。しかし衛生面から、1日1回取り替えてください。また輪ゴムが多少ずれても、三焦経のライン上を刺激するので、効果は変わりません。

ぐっすり眠れる輪ゴム療法のやり方

 輪ゴムはきつすぎず、肌に跡がつかない程度の緩さで巻く。2〜3重にするとよい。就寝中に巻くときは、特にきつくならないように注意する。

 重心チェックで、右にひねりやすかった人は、右重心。その場合、右の薬指の爪の生え際に輪ゴムを巻く。

 重心チェックで、左にひねりやすかった人は、左重心。その場合、左の薬指の爪の生え際に輪ゴムを巻く。

運動と併用すると効果は倍増

 輪ゴム療法の効果をさらにアップさせるためにお勧めなのが、運動です。運動不足で体を動かさないと、首から上と下のバランスが悪くなり、不眠になりやすくなります。

 例えば、デスクワークで頭ばかり使っていると、体は疲れていないので、夜になってもなかなか眠れません。歩くだけでもいいですから、体を動かしましょう。頭も体も疲れるとよく眠れます。ただし、体がゆがんだ状態で歩くとさらにゆがみがひどくなりますから、輪ゴム療法をしながら歩くといいでしょう。

 なお、睡眠導入剤を常用しているかたは、最初は薬と併用して輪ゴム療法を始め、眠れるようになったら薬を減らしていくといいでしょう。