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【開運のキホン】易とか易経ってどんなもの?ー陰陽の符号で宇宙を解き明かす

古代中国で国を治める君主が学んだ壮大な哲学

 「易」と言えば皆さん、占いの一種としてご存じでしょう。易は正式には「易経」と言い、3000年以上も前にまとめられた古代中国の哲学です。そして、儒教の基本経典である5つの書「五経」の筆頭に挙げられる書です。

 その内容は「宇宙観の集大成」とも言われ、自然の理から、倫理や道徳、政治、経済、教育、医学など非常に広い範囲に及びます。

 昔から、易経は占いの教科書である一方で、国を治める君主やリーダーが学んだ「帝王学」の書でもありました。賢明な先人たちは、あらゆる知恵の説かれた易経を生活の指針だけではなく、広く政治や人事にも役立ててきました。

 日本でも、伊藤博文が難しい判断を迫られるような場合に、易経を頼りにしたという話は有名です。台湾の元総統・李登輝氏も易経を勉強なさっていると、私自身がご本人からおうかがいしました。

 そしてなにより、易経による占いは、ほんとうによく当たります。だからこそ、3000年経った現代まで受け継がれているのです。

 皆さんは、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉をご存じでしょう。この「八卦」は易経を構成する基本要素で、それぞれ異なった意味を持つ8種類があります。そして、八卦を2つ組み合わせたものを「六十四卦」と呼びます。

 易経では、「知りたいこと」に対して、六十四卦の中から1つの卦を導き出し、その意味を読み解きます。六十四卦それぞれの意味は詳しく決まっており、固有の名前もあります。参考までに、下に六十四卦の記号と名前について簡単に解説します。

たった2種類の符号が森羅万象を解き明かす

 上記のように、易経では「―」と「- -」の2種類の符号をそれぞれ「陽」「陰」とし、このたった2つの符号の組み合わせから、森羅万象、つまり宇宙のあらゆる現象を解き明かします。

 易経の世界観を示しているのが下図です。「―」と「- -」の符号を3本重ねたものを1つの固まりとし、それぞれに名前を与えました。「2×2×2」で8種類。これが「八卦」で、「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」という名前がついています。また、8種類の符号は、それぞれ「天・沢・火・雷・風・水・山・地」を表しています。

 繰り返しになりますが、この八卦を上下に2つ重ねると、「8×8」で64通りの組み合わせができ、これが「六十四卦」です。

 六十四卦を出す方法は筮竹や八面体サイコロなどいろいろですが、台湾では米粒やコインを使う易者が多いようです。

よりよい道を選ぶための潜在意識からの伝言

 易経は、今や世界中で愛されています。易経の普及には、分析心理学の創始者である心理学者カール・ユングや、潜在意識を活用した成功法則の提唱者として世界的に有名なジョセフ・マーフィー博士が大きな役割を果たしています。

 ユングは易経を中国で生まれた科学の古典としてとらえ、深層心理の研究に役立てました。マーフィーも易経を潜在意識と関連づけて独自の解釈を行っています。

 彼らは易経を、人間の意志の及ばない「運命」をうかがい知るものではなく、潜在意識からのメッセージを受け取って現実に活用するための方法と見なしていました。

 もし興味が出たら、易経に触れてみてください。あなたが自分の潜在意識からのメッセージを自覚し、よりよい道を選ぶ助けとなるでしょう。