【解説】①一度行うだけでも目がパッチリ、頬が引き上がる!マスク着用時も若々しい顔に!
【実践編】②上まぶたのたるみに効く顔ほぐしのやり方
【実践編】③下まぶたのたるみに効く顔ほぐしのやり方
【実践編】④目尻のシワに効く顔ほぐしのやり方
一度行うだけでも目がパッチリ、頬が引き上がる!マスク着用時も若々しい顔に!
長引くコロナ禍で、私たちの日常は大きく変化しました。リモートワークや自粛生活で外出の機会が減り、代わりに増えたのがスマホやタブレットを見る時間です。悪い姿勢で長時間スマホを見続ければ、首や肩はこり、目を酷使することにもなります。このような生活が長く続いていることで、ストレスを感じている人も多いことでしょう。
施術をしているとわかるのですが、このような人は必ず首や肩だけでなく、頭から背中まで、石のように硬くこっています。肩こり程度の自覚はあっても、頭や背中までこりが蓄積しているとは気づかず、それがあたりまえになっている人がとても多いのです。
そして、こうしたこりは、実は顔のたるみの要因となります。目元のシワやフェイスラインのたるみ、ほうれい線などは、年齢よりもこりが原因となっているのです。
顔と頭は、筋肉と筋膜でつながっています。頭がこることで筋肉や筋膜の動きや血流が悪くなると、顔の筋肉を引き上げる力が弱くなり、たるみやシワなどを引き起こしてしまうわけです。
上まぶたがたるめば、目が小さくなります。下まぶたがたるめば、クマの原因になります。顔のくぼみや影も目立つようになり、とても老けた印象になってしまいます。
「顔のたるみやシワは、コラーゲン不足で皮膚の弾力が落ちているせいだ」と思っているかたが多いと思います。もちろんそれも原因の一つですが、頭がこっていてはいくらコラーゲンを補充しても、顔は思うように引き締まらないのです。
顔のシワやたるみが気になる、という人は頭を触ってみてください。親指と人さし指で頭頂部の頭皮をつまめるでしょうか。
顔と同じくらい柔らかいのが理想的な頭皮の状態です。つまめない、硬くて動かないという人は、頭皮がこっている証拠なのです(下の写真参照)。
あなたの頭はこっている?たるみ・シワの原因となる!こりのセルフチェック
また、頭皮に弾力がなくプヨプヨしているのも、頭がこっているサインです。頭皮がつまめても、つまむと痛いと感じる場合、頭皮がむくんでいると思われます。
たった10秒で顔が引き上がる!
私のサロンでは、フェイスケアに加えて、頭と顔をほぐす施術も取り入れています。顔と頭を同時にケアすることで、一度の施術でも目がパッチリする、頬が引き上がるなど、大きな効果を得られます。
ここで紹介する「顔ほぐし」は、サロンの施術で用いられている、顔と頭をほぐす方法の一部です(詳しいやり方は12~16ページ)。今回は特に、マスクをしていても気になるまぶたや目元、目尻のたるみに効果を発揮するものを選びました。
顔ほぐしは、時間も手間もかからない、ほんのちょっとした時間にもできます。スキンケアの合間やテレビを見ながら、お風呂でシャンプーをするついででもできます。
また、頭皮や顔をマッサージするわけでもないので、髪が乱れることはありませんし、メイクをしたままでもできます。ほんとうに手軽にいつでもどこでもできるのです。
いつ行ってもOKですが、1日のこりはその日のうちに解消するのが理想です。寝る前に行うことで頭や顔のこりがほぐれ、リラックスでき、睡眠の質も上がるでしょう。朝のメイク前に行えば、顔のむくみがとれて、化粧ののりもよくなるはずです。
目元のシワやまぶたのたるみが気になるという人は、ぜひ「顔ほぐし」を習慣にしてください。個人差はありますが、1プロセス10秒前後でも、筋肉の緊張がほぐれ、血流が上がります。顔がキュッと引き上がって、目元が変わってきたとすぐ実感できるかたも多いと思います。
マスクが日常の一部となった現在では、若々しく見せるポイントは目元にあるといっても過言ではありません。「目が物語る」という言葉があるくらい目には表情があります。
最近、怒っていないのに「怒っているの?」と聞かれることはありませんか? 目の周りのたるみによって表情が険しく見え、眉間にシワでもあろうものなら、まさに怒っているように見えるからです。
優しい表情、若々しい顔を作るには、目の周りの筋肉をほぐし、たるみを解消することが何よりもたいせつなのです。
まぶたがたるむと目が小さくなる
顔ほぐしの効果を高めるには、まず頭をほぐして、頭のこりをとるのがお勧めです。頭のこりをほぐすには、耳の上にある大きな筋肉「側頭筋」、額を覆う筋肉「前頭筋」、頭頂部を覆う筋膜「帽状腱膜」、頭の後ろの下のほうの「後頭筋」をもむのが効果的です(位置については下図参照)。
側頭筋がこってくると、まぶたが上がりにくくなり目に被さるので、目が細く、小さくなります。また、目尻にシワもできます。
側頭筋は、頬骨の中にある咀嚼筋とつながっています。咀嚼筋は口元を動かす筋肉群で、咀嚼筋がこると頬や口元の動きが悪くなります。その結果、頬の肉が下にたまってほうれい線が深くなり、口角も下がってきます。また、目元もくぼんで奥目になり、これまた目が小さく見える原因になるのです。
咀嚼筋は、睡眠中の食いしばりでもこります。また、目を酷使したり、緊張や集中する仕事をしたりしている人は、無意識に食いしばることが多く、これも咀嚼筋のこりにつながります。咀嚼筋にダイレクトにアプローチするのはたいへんですが、側頭筋のこりをほぐせば、側頭筋とつながる咀嚼筋のこりもほぐれてきます。
皮膚をこすらずに筋肉にアプローチする
前頭筋と帽状腱膜、後頭筋のこりによっても、上まぶたが上がりにくくなります。前頭筋は、眉や目の筋肉とつながっているので、ここがこると眉や上まぶたの動きが悪くなるのです。額の筋肉を動かしてまぶたを上げるようになるので、それが日常になることで、額に深い横ジワが刻まれてしまうこともあります。
前頭筋、帽状腱膜、後頭筋は連動しているので、どこがこっても上まぶたは下がってきます。上まぶたのたるみには、帽状腱膜と前頭筋がつながる部分にあたる生え際の緊張を緩め、引き上げる力をよみがえらせることがたいせつです。
生え際はこりが強く出る場所ですので、こぶしでしっかりと圧をかけてほぐしましょう。さらに、頭頂部を覆う帽状腱膜をほぐせば、額の動きがよくなり、まぶたを引き上げる筋肉の力も復活してきます。
頭のこりをほぐすときは、頭皮をさするのではなく、指の腹で筋肉に垂直にしっかりと圧をかけてください。「痛気持ちいい」と感じるくらいがベストです。筋肉は骨についているので、深部まで捉えるためには、指先で骨を感じることが重要です。骨にこびりついた筋肉をはがすイメージで小刻みに動かしてください。
頭のこりをほぐしたら、仕上げに目を囲む眼輪筋と、目の奥の眼瞼挙筋、眉間の皺眉筋をケアすれば肌の弾力がアップしてきます。目の周りの皮膚は、とても薄くて敏感です。
がむしゃらにマッサージすると目を傷めかねません。皮膚をこするのではなく押さえるようにして、その奥の筋肉にアプローチする顔ほぐしなら、目の周りの皮膚に刺激を与えることなく、たるみを解消することができます。
何歳からでも顔は若返る!
目のたるみは、上まぶただけではありません。下まぶたのたるみも老け顔サインの一つです。側頭筋がこると目の周りの筋肉が縮み、血流が悪くなります。頬の張りもなくなり、連動している眼輪筋が下に引っぱられるので、下まぶたがたるんでしまうのです。
下まぶたのたるみには、縮んだ側頭筋をほぐして、目の周りの血流をアップさせることがたいせつです。また、目を酷使すると、眼輪筋が疲れて硬く縮み、その上の皮膚がたるんでシワになります。疲れ目に効くツボ「瞳子髎 」の周りを刺激すれば、筋肉の弾力が戻り、皮膚の張りが高まります。
眼精疲労は目の周りの血流を悪くして、筋肉のこりを招きます。長時間スマホなどで作業した後は、目の疲れをとるツボ「」を押すと、こりがとれてスッキリします。
顔ほぐしを毎日続けると、たるみが解消して顔が引き上がるだけでなく、ストレスも消えて、表情が明るく生き生きとしてきます。
顔のたるみが気になるかたは、「歳だから」と諦めず、まずは頭と顔のこりをほぐすことから始めましょう。顔ほぐしを習慣にすれば、何歳からでも美しく変わることができるのです。