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【MCTオイル】ダイエット① ~筋肉量は落とさないまま脂肪をぐんぐん消費する「ケトン体質」とは?

糖質と正しくつきあうことが大事

「病気を治す食事は何か」 私は栄養素やカロリー、また、さまざまな科学的なエビデンスを元に研究を続けています。

 その中でわかったのは、日本人は糖質の取りすぎで、それがあらゆる不調の原因になっているということです。糖質は、砂糖が豊富なお菓子だけでなく、ご飯やパン、めん類など炭水化物にも含まれます。

 糖質の取りすぎは、肥満はもちろん、高血糖、血圧上昇につながり、動脈硬化などの病気の原因になります。

 ですから、糖質を制限することは、病気を治し、健康になるために欠かせないと言えます。ただし、糖質自体は決して悪ではありません。なにより、糖質は筋肉を維持するために必要で大事な栄養素です。

 問題は、糖質には依存性があり、気づかないうちに食べ過ぎているということです。糖質を制限することの本質は、糖質を食生活から追放することではなく、〝糖質との正しいつきあい方を身につけて、コントロールする〞ということなのです。

 私が患者さんにお伝えしているのは、そうした考えに基づいた、正しい糖質制限の方法です。それとともにお勧めしているのが、飲む万能油「MCTオイル」です。

MCTオイルで「ケトン体質に」


 MCTオイルは、Medium Chain Triglycerideの頭文字を取ったもので、日本語にすれば中鎖脂肪酸です。油の主成分は脂肪酸であり、脂肪酸は炭素が連結される長さによって、「長鎖脂肪酸」や「中鎖脂肪酸」などに分けられます。

 サラダ油やオリーブ油は長鎖脂肪酸で、話題となったココナッツオイルには、中鎖脂肪酸が約60%、長鎖脂肪酸が約40 %含まれます。MCTオイルとして販売されているものは、中鎖脂肪酸が100%で無臭でサラサラとしています。

 MCTオイルが世に最も注目されたのは、テレビで放送されたダイエット特番でしょう。このダイエット番組で私は、肥満の女性タレントたちにM C T オイルを使ったダイエットを指導し、大幅な減量に成功しました。

 さまざまな専門家が指導した他のダイエット法を抑え、二度にわたり圧勝したのです。

 筋肉を落とさず体脂肪を減らすその理由は、ダイエット中に「筋肉量が落ちなかったこと」と、「空腹を感じずに楽に継続できたこと」だと思います。

 一般的な食事制限では、脂肪が減るのと同じだけ、筋肉量が減ってしまいます。筋肉が減ると、たとえ体重が減っても体力や免疫力(病気に対する抵抗力)まで落ちてしまうため、疲れやすく、病気にもかかりやすくなります。

 当然、基礎代謝(安静時に消費するエネルギー)が落ちるので、やせにくい体質になってしまいます。

 一方、ダイエットにMCTオイルを取り入れると、筋肉量を落とさず、体脂肪だけを効率よく減らせます。MCTオイルは体内に入ると、すぐに肝臓で分解されて「ケトン体」を大量に合成します。

 すると、体内の脂肪を燃焼してエネルギーを作る「ケトン体回路」が活性化します。MCT オイルの摂取により、ケトン体回路を使ってエネルギーを生み出せる「ケトン体質」になると、なんとエネルギーの90%を脂肪から消費する状態になります。

 さらにケトン体は、満腹中枢を直接刺激して、食欲を抑える働きもあります。冬眠中の動物が空腹を感じずに休めるのは、ケトン体の作用なのです。これらの特徴により、MCTオイルはダイエットに最適な油だと言えます。

次回は、MCTオイルの好ましい飲み方を解説します。

(次回に続きます)