体の中から行うコロナ対策
コロナ禍はいまだ終息する気配が見えず、ワクチン接種やマスク着用が、引き続き呼びかけられています。
これらは確かにたいせつなことです。しかし、外からの対策だけでなく、睡眠や食事などの生活習慣や、ストレスへの対処、または心の持ち方なども見直したいところです。
私たちの体には、内から体を守る免疫(病気に抵抗する力)というすばらしい働きが備わっています。免疫力が高ければ、たとえウイルスが侵入しても軽症にとどまり、症状が出たとしても、重症化しない可能性が高いでしょう。
この「内からの対策」という視点が、見落とされているように感じるのです。内からの対策というと、食べ物やサプリメントなどが思い浮かぶ人もいるでしょう。
しかし、それ以前に重要なのが、根本的な体の状態を整えること。その基本となるのが、①呼吸、②姿勢、そして③意識の3つです。
呼吸は誰でもしていることですが、どんな呼吸かが肝腎です。浅い呼吸は、本来の免疫力の低下を招きます。
では呼吸を深くするにはどうしたらいいのかというと、ここに姿勢が関係してきます。実際に試してみるとわかりますが、ネコ背では、息を吸いづらく、吐き切ることもできません。
逆に背すじを伸ばして鼻から息を吸うと、胸や肺が大きく広がりやすくなり、たくさんの新鮮な酸素が入ってきます。吐くときも、おなかの筋肉を使い、不要な二酸化炭素を吐き切ることができます。
これは、呼吸によって肺を上から下まで掃除したようなもの。これだけでも強力な感染症対策の一助になるでしょう。
では、姿勢はなぜ悪くなるのでしょう。理由はいろいろありますが、その一つに意識の状態があります。コロナ禍によって、落ち込んだり、不安や恐怖にかられたりする時間が増えてはいませんか?
そうなると、姿勢は自然に縮こまりがちになります。また、マイナスの意識状態でいること自体が、免疫力を低下させます。
そうはいっても、そんなネガティブな意識の状態を自力で切り替えるのは難しいもの。家にこもる日が続き、心身共に疲れ果て、弱ってしまったという人もいるでしょう。
そういう人は、自分では息を大きく吸おうとがんばっても、浅い呼吸しかできないかもしれません。でも、とても簡単に深い呼吸ができるようになる方法があります。
それが、今回ご紹介する「耳ヨガ」です。
脳の血流を瞬時に促進する
やり方をざっくりと説明すると、次の通りです。
①鼻から息を吸う
②耳たぶをつまむ
③鼻から息を吐きながら、耳を引っ張る
④息を吐き切ったら、手を放す
「呼吸に合わせて、耳を軽く引っ張る」、ただそれだけです。しかし、実際に試すと、心身がすぐに変わるのがわかるはずです。
「頭がチリチリする」「目がじわーっとうるおう感じ」。そんな感想を私の生徒さんから聞いています。これらはすべて、脳の血流が促されたことによって生じる感覚です。
耳を引っ張る手も温かくなりますし、人によっては首や背中までじわ~っと熱くなるようです。上半身の血流が促されると、全身の循環もよくなります。
すると、体に必要なものは取り入れ、老廃物は排泄するという一連の流れが正常化。続けていけば、ウイルスが侵入しても出ていきやすい体になります。
睡眠障害を撃退!耳ヨガを始めたその日から熟睡できるようになった
耳ヨガはそのほか、さまざまな健康効果が期待できます。まず私自身のことからお話ししましょう。
耳ヨガを知る前の私は、ひどい睡眠障害と全身の倦怠感、気力の喪失に悩まされていました。
17年前の話ですが、当時、会社員だった私は、自覚のないままストレスをため込み、自律神経のバランスを崩したのです。
病院で処方された睡眠導入剤は、体に力が入らない副作用が出て、続けられませんでした。改善の兆しは一向に見えず、不安になっていたときに、医師から勧められたのが呼吸法です。
呼吸法をするならヨガがいいのでは、と思い立った私は、ヨガのクラスに参加。そこで出合ったのが、ヨガのポーズの一つである「耳ヨガ」でした。
驚いたことに、ヨガを始めたその夜から、私は熟睡できるようになりました。その後もヨガを続けていったところ、倦怠感がなくなり、前向きに行動する気力を取り戻していったのです。
これに感激した私は、ヨガのすばらしさを伝える側になりました。特に、耳ヨガは安全にできて、時間も場所も選ばないので、たくさんの生徒さんにお勧めしています。
次回は、耳ヨガの詳しいやり方と、生徒さんたちの声をご紹介します。とても簡単で効果の高い耳ヨガ、ぜひお試しください。