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毎日の【納豆1パック+ゆで卵1個】で美しく健康になる!ナニワの“美の師匠”も実践!

ナニワの”美の師匠”とも呼ばれる里見英子先生

パサパサ髪やガサガサ肌はたんぱく質不足が原因

 私は今年69歳になりますが、病気はまったくありません。体形は40年前と変わらず、年齢の割にシワやシミが少ないせいか、患者さんから「先生、年齢いくつ?」「どうやったらそういうふうに年をとれるの?」と、よく聞かれます。

 これは、内科医としての知識をすべて自分の健康と美容のために注ぎ込んで、日々の生活の中で実践してきたからだと思っています。

 髪や肌を若々しく保ちたいという人には、まず「良質なたんぱく質を毎日欠かさずしっかりとること」をお勧めします。

髪や肌の状態は、体の中の栄養状態が外に現れたものです。たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、毛髪、骨、歯、爪など、体の材料となる重要な栄養素で、体内のホルモンや酵素、免疫物質などもたんぱく質からできています。

 髪が細ってパサパサになったり、肌がガサガサになったりしているのは、体内にたんぱく質が不足しているということ。外からは見えない、内臓や筋肉なども、材料不足で健康ではない状態と考えられます。ですから、毎日の食事で、良質なたんぱく質をしっかり補給することが必要なのです。

卵と納豆はそれぞれ完璧な食品

 たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成されていますが、このうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれるもので、人間の体内で作ることができません。ですから、この9種類は、食べ物からとる必要があります。

 また、たんぱく質はこの9種類すべてが揃わないと作ることができません。1つでも量が少ないと、その少ない量に合わせたたんぱく質量しか作られないのです。

 そのため、食品中に9種類のアミノ酸が、バランスよく、じゅうぶんな量が含まれているかが大事なのですが、それを示した指標が「アミノ酸スコア」です。「良質なたんぱく質」とは、アミノ酸スコアが満点の100である食べ物を指します。

●アミノ酸スコア

体内でたんぱく質を作るには、9種類の必須アミノ酸が、すべてそろっている必要がある。1種類でも少ないと、その少ない量に合わせたたんぱく質量しか作られない。全種類じゅうぶんな量が含まれているかどうかを示したのが「アミノ酸スコア」だ

 その代表格が、卵です。しかも、卵はアミノ酸スコアが100であるだけでなく、温めるとヒヨコにかえる、1つの個体を作るために必要な栄養がもれなく含まれた完璧な食品です。人間と動物は違いますが、ヒヨコは毛がフサフサの状態で生まれてくるので、毛髪にもいいはず。良質なたんぱく質の補給源として、1日1個は卵を食べましょう。

 卵というと、コレステロールを気にする人もいますが、卵が血中コレステロール値を上げるというのは、誤った情報です。悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすプラスの働きがあるので、食べすぎない限り、心配は無用です。

 たんぱく質は、筋肉の材料でもあるので、加齢に伴う筋肉量の減少を防ぐ意味でも、高齢者こそ積極的に卵を食べてください。

 卵に加えて毎日とりたいのが、納豆です。納豆の原料である大豆は良質な植物性たんぱく質で、卵にはないよさがあります。食物繊維が豊富で、骨粗鬆症の予防によいビタミンKが含まれており、発酵食品なので腸内環境の改善にも役立ちます。大豆には女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンも含まれており、更年期女性の心強い味方です。

 たんぱく質は、動物性と植物性の両方を、多種類の食材からとるのが理想的。卵と納豆はそれぞれ違う意味で完璧な食品なので、卵1個と納豆1パックを毎日必ず食べることを、たんぱく質補給のベースにしましょう。

 私は、プロテイン粉末の形でたんぱく質を補給するよりも、食べ物からとったほうが、体に必要なほかの栄養素もバランスよく摂取でき、吸収率や栄養効率は高いと思います。

おいしいと思えなくてもOK! 美容と健康の〝エサ〟としてまずは1ヵ月続けよう

 では、私が実践している「卵1個と納豆1パックのとり方」を紹介しましょう。関西の人は納豆嫌いが多いといいますが、まさに私もそう。納豆は嫌いで、いまだにおいしいと思ったことは一度もありません。しかし、骨阻喪症予防のために食べ始め、もう10年以上、毎日欠かさず食べ続けています。

 たんぱく質補給のために食べる納豆と卵は、別においしいと思わなくていいんです。毎日の義務として、薬やサプリメントのつもりで必ず食べる。

 私は、納豆は「天然の抗がん剤」だと思って食べています。がんは加齢によって絶対に出てきますが、納豆は老化を防ぐ薬だと自分に言い聞かせています。それくらい強い意志がないと、なかなか毎日の習慣として根づかないと思います。

 私は毎朝、まず焼きのり1枚を小さく折り畳んで口に入れ、植物性乳酸菌飲料で飲み干します。焼きのりは、体の調子を整えるミネラルが豊富です。

 次が、納豆の出番。納豆1パックにスプーン1杯のすりゴマを混ぜて食べ、緑茶を飲んで口の中のネバネバを流します。ご飯にかけず納豆だけで、サプリメントとして食べています。

 そうして嫌なものを先に食べ終えたら、最後に季節の果物を食べます。旬の果物は、ビタミンCなど美容によいビタミンの補給に最適です。

 卵は、朝昼晩の1日のどこかで必ず1個は食べることにしています。お勧めは、ゆで卵。ゆで卵で食べるのがいちばんカロリーが低く、栄養は完璧。しかも、ゆで卵は腹持ちがよく、ゆっくり食べると1個でもかなりおなかが一杯になるので、ダイエットにも向いています。

 私は外食が好きなので、夕食は週に2~3回はレストランで食べています。そこで食べるお肉やお魚は、たんぱく質補給というよりも、生活のうるおい、楽しみです。

 1日3食とも、好きなものを好きなだけ食べていては、太っていく一方です。「好きなものを思う存分楽しむ食事」と「美容と健康のためのエサを補給する食事」、この2つのメリハリをつけることが大事だと思っています。

 どんなに体にいい食べ物でも、一度にまとめて大量にとっては意味がありません。体に余分な栄養素は排出されてしまいますし、とりすぎの害が出ることもあります。納豆や卵も同じで、毎日コンスタントに、適量をコツコツ食べ続けることがたいせつです。

 納豆1パックと卵1個を毎日必ず食べる食事を、まずは1カ月間続けてみてください。肌の調子がよくなるなど、なんらかの変化が実感できるはずです。そして、手ごたえを感じたら、そのまま3カ月、1年と継続していってください。

 良質なたんぱく質を毎日とること以外に、私が髪と美肌のために心がけているのは、ビタミンとミネラルをしっかりとること。髪や肌はたんぱく質が原料ですが、それを吸収したり、コラーゲン(皮膚などを構成する繊維状のたんぱく質)に作り替えたりするには、ビタミンやミネラルが必要だからです。特に、美容ビタミンと呼ばれるビタミンCは、体内に蓄えておくことができないので、意識してとるようにしています。

 そのほか、紫外線対策も欠かせません。紫外線は、肌や髪にダメージを与え、老化を促進させる大敵です。私は、自宅のベランダに出て洗濯物を干すときも、サンバイザーをかぶって日差しを浴びないようにするほど、紫外線を徹底ガードしています。

 卵と納豆は、季節を問わず安価に手に入り、調理の手間もかからない優秀食品です。美容と健康のために、毎日コツコツと食べる習慣をつけてください。