納豆には新型コロナを予防する効果も⁉
私は長年、医師として西洋医学だけでなく東洋医学も組み合わせながら、治療はもちろんのこと、生活習慣や食生活へのアドバイスなど、病気の予防にも力を入れてきました。
なかでも「食」は、健康な体を作るための基本と考えています。身近にある、体にいいものを毎日の食卓にあげることが、健康にはとてもたいせつです。
例えば、大豆は、「畑の肉」と呼ばれるほどたんぱく質が豊富です。そのほかにもビタミンEや、カルシウム、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンなど、さまざまな栄養成分が含まれています。
さらに大豆を発酵させた「納豆」は、「最高のサプリメント」といっていいほど優秀な食品です。納豆特有のネバネバに含まれるナットウキナーゼという成分は、血液をサラサラにしてくれます。血液がサラサラになれば、高血圧や動脈硬化などのリスクを抑えられます。
実際に国立がん研究センターの調査では、納豆を多く食べる人ほど、死亡リスクが低下することが判明しました。死亡原因との関連では、脳卒中や心筋梗塞などの循環器の病気において、納豆の摂取量が多いほど死亡リスクが低下する傾向があるようです。
岐阜大学の研究でも、納豆を週に1〜2パック食べる人は、ほとんど食べない人に比べて、脳卒中による死亡リスクが約3割低いと報告されています。
また、納豆に豊富に含まれるビタミンKは、骨粗鬆症(※)の予防に役立つことがわかっています。
※骨強度(骨の強さ)が低下して、骨折しやすい状態になる病気
さらに、東京農工大学や宮崎大学などによる最新の共同研究によって、納豆抽出エキスに、新型コロナウイルスの培養細胞への感染を阻害する働きがあることもわかりました。
納豆+みそは最強の組み合わせ
みそもまた、大豆を手軽にとれる代表的な食品です。しかも、みそは細かくつぶした大豆を発酵・熟成させているので、栄養が非常に吸収されやすいといえます。
この二つの大豆発酵食品を同時にとれる究極の食品が「納豆スープ」です。
体にいいばかりか腹持ちもいいので、ダイエットのお供としても最適です。ダイエットを目的にする場合、食事の最初に納豆スープを飲むのがよいでしょう。

ダイエットにも一役買ううえに、「美肌ビタミン」といわれるビタミンB2やビタミンEも豊富ですから、納豆スープはまさに女性の味方といえます。また、たんぱく質の代謝に欠かせないビタミンB6も多く含まれているので、疲労回復効果も期待できるでしょう。
大豆が豊富な食物繊維を含むことと、納豆とみそが発酵食品であることから、納豆スープを飲むと腸の働きがよくなります。便通がよくなるのはもちろん、腸内環境が整って腸管免疫の働きもよくなり、免疫力の向上が期待できます。
新型コロナウイルスの流行以降、テレワークや自粛生活で体を動かす機会が減ったという人も多いでしょう。体を動かさないと血液がドロドロになるので、血管が詰まりやすくなります。
そういう人にも納豆スープは最適の食べ物です。「健康的にやせたい」「いつまでも若々しい美肌になりたい」「血液から心身を元気にしていきたい」というかたは、ぜひ納豆スープを毎日の食事に取り入れてみてください。
超簡単!納豆スープの作り方
▼材料
納豆、味噌汁

▼作り方
❶ お好みの具で作ったみそ汁に、よくかき混ぜた納豆1パックを入れる

❷ これだけで完成。そのまま食べる

※かき混ぜないほうが納豆の風味が引き立ちますが、お好みで
