糖質制限で50㎏減量しラクやせレシピを提案
「このままでは早死にしますよ」
医師からそう言われたとき、私はまだ20代前半でした。この頃の私の体重は97㎏(身長は154㎝)。人生で最高体重を記録していました。
そんな私でしたが、「OFFレシピ」を考案し、食べることを楽しみながら50㎏の減量に成功しました。
OFFレシピとは、糖質オフ、カロリーオフ、時間も手間も食費もオフ、それでいておいしいという夢のようなレシピです。
このレシピの話をする前に、まず私のダイエット奮闘記についてお話しします。
20代前半で97㎏を記録した私ですが、10代の頃は標準体重でした。ところが、20歳を過ぎた頃から仕事のストレスで暴食が始まったのです。
もともと食べることが大好きでしたが、20歳を過ぎると、1日に7食食べて、運動はほとんどしないという生活をするようになりました。叔母がパティシエ、父が菓子メーカー勤務ということもあってか、特に甘いものには目がなく、昼食代わりにロールケーキを丸ごと2本、ペロッと食べることもありました。
コンビニの期間限定のスイーツは常に制覇。野菜は「野菜ジュースさえ飲んでおけばOKでしょう」と考えるような、とても偏った食生活を送っていたのです。
こんな生活を送っていれば、体重は1〜2年で爆増するのも当たり前。最高で97㎏まで達したのは、先述の通りです。
テーマパークを徒歩で回れず車イスを借りた
さすがにこの体重になると、太りすぎによって日常生活に支障をきたすようになりました。
まず、重い体を足腰が支えきれず、股関節とひざに痛みが出るようになりました。歩くことやしゃがむことが困難になってしまったのです。
あるとき、大好きなテーマパークに行ったのですが、ひざが痛くてとても歩いて回ることができず、車イスに乗って回るという状況になりました。そんな自分がとても恥ずかしかったのを覚えています。
さらに健康診断を受けると、血圧や血糖値など、すべての検査項目で「要再検査」という数値が出て、脂質異常症、糖尿病予備軍の診断を受けました。
そして、医師からは冒頭でもお話しした「早死にします」の言葉。さすがに「ダイエットをしないとまずい!」と思うようになったのです。
ダイエットを決意してからは、食事制限や置き換えダイエットなど、さまざまな方法を試しました。しかし、少しやせてはリバウンドするという繰り返しで、なかなか体重が安定しませんでした。
糖質も手間も食費もカットできるレシピを考案
いろんな記事を読んで研究するうちに、ダイエットは「食事が8割、運動が2割」という言葉にたどり着きました。食事を徹底的に変えることの大切さに気づいたのです。
とはいえ、無理な食事制限は絶対続きません。私は、糖質を抑えたり、カロリーを抑えたりと、そのときどきの体に合わせた食事作りを始めました。
また、毎日のことですから、時間や手間も抑え、食費もなるべく抑えるレシピを考えるようになりました。これがOFFレシピです。
OFFレシピによる食事の改善と、筋力を落とさず代謝を上げるために、ジムに通って筋力トレーニングを続けたおかげで、最大にやせたときの体重は41㎏となり、なんと56㎏もの減量に成功しました。
しかし、41㎏ではさすがにやせすぎになりますので、現在ではベスト体重である47㎏前後をキープしています。
やせたことで、ひざや股関節の痛みに悩まされることもなくなり、健康診断の数値もすべて正常値になりました。また、太っていた頃は吹き出物が多かったのですが、やせた後は肌荒れがなくなり、ツルッとした美肌になりました。
ダイエットレシピではニンニクもフル活用
私がダイエットしているとき、OFFレシピの中で重用していたのが、スパイスやハーブ系の香辛料、薬味です。その中でも、特に重要な地位を占めていたのが「ニンニク」でした。
ニンニクは、食材のうまみを引き出すことができ、香りもよいので、料理の味をワンランクアップさせることができます。それでいて、食べると満足感が得られ、食べ過ぎを防ぐことにも役立つのです。
ニンニクがあれば、ほかの調味料の使用量を減らすことができるのも大きなメリットです。そのおかげで、カロリーや塩分を控えることができます。
OFFレシピでは、ポークチャップなどの豚肉料理に使ってコクを出す、メカジキなどの淡泊な味の魚にパンチを効かせるなど、ニンニクは万能な調味料として大活躍していました。
そして、さらにお勧めなのが「ニンニクスープ」です。ミネストローネやオニオングラタンスープを作る際に、ニンニクと野菜を炒めて入れると、うまみが出て、とてもおいしくなるのです。
ニンニク料理はおいしいだけでなく、ダイエットの面でも大きな働きをしてくれます。ニンニクは糖質の代謝を助け、スタミナアップにもつながる「アリシン」が豊富なので、やせやすい体に導いてくれるのです。
アリシンはニンニクのにおいの成分で、ビタミンB群と一緒にとるとより代謝がアップし、糖質を分解しやすくなります。
ニンニクに含まれるビタミンB6は、たんぱく質をエネルギーに変えたり、筋肉を作ったりする働きがあります。そのためニンニクと一緒に肉や魚などのたんぱく質をとると、脂肪が燃えやすくなり、ダイエットのサポート効果も期待できます。
次の項では、OFFレシピの中から、寒い季節にぴったりのおいしく食べてやせる「ニンニクスープレシピ」をご紹介します。
やせて疲れを癒し寝つきも改善!
冷え症や低体温にも!「ニンニクスープ」3種
「ニンニクスープ」は、ダイエット食としてお勧めなのはもちろん、体を温めてくれるので寒い冬にもピッタリのメニューです。
私自身、末端冷え症で、指先や足先がすごく冷えてしまいます。ですので、秋から冬にかけては、体を温めることを意識しています。
ニンニクスープは、代謝をアップし、血流をよくしてくれます。ニンニクスープを飲むと体がポカポカしてくるので、冷え症や低体温対策にはとても有効だと思います。
できれば、朝食と夕食、1日2回ニンニクスープを飲むのをお勧めします。
朝食のときにニンニクスープを飲むと、代謝も血流もアップするので、まだ目覚めていない体も頭もシャキッとしてきます。
1日働いた後の夕食にニンニクスープを飲むと、疲れた体が温まり、程よい満腹感が得られて、寝つきがよくなります。
私もなかなか寝つけないタイプなのですが、夕食のときにニンニクスープを飲むとスッと眠りにつけて、睡眠の質も上がっている感じがします。
OFFレシピのニンニクスープは栄養たっぷりで塩分も控えめですから、朝食と夕食で2回飲んでも問題はありません。
野菜をたっぷりとれるので栄養満点
今回は3つのニンニクスープレシピをご紹介します。(作り方は下記)
「トマトと落とし卵のスープ」は、抗酸化力の高いトマトに、卵を加えることでたんぱく質も加わり、特に栄養バランスに優れたスープになっています。
粉チーズを加えることで、コクが増して、さらに美味になるうえに、たんぱく質も多くとれます。
次にご紹介している「中華風ニンニクスープ」は、ゴマ油でニンニクを炒めることで、ニンニクの栄養分が体に吸収されやすくなり、かつ風味をアップさせることができます。ゴクゴク飲めるようなさっぱりしたスープで、もやしなどの冷蔵庫に余っている食材を追加してもOKです。
さらにワカメを加えることで、食物繊維がしっかりとれるので、腸の掃除にもなります。
「ガーリックバターみそ汁」は、ニンニクの風味のおかげで、普通のみそ汁よりもみその量が少なめで十分おいしく仕上がります。塩分を控えながら、食材のうまみはしっかり引き出せるので、満足感のある一品になると思います。
バターを入れることでコクを出すとともに、ニンニクをバターで炒めることで、ニンニクの栄養分を吸収しやすくする役割も担っています。
ガーリックバターみそ汁には、スーパーで売っている袋入りのカット野菜をそのまま入れます。どんな野菜でも合いますので、お好みの野菜を入れていただいてかまいません。野菜は熱を加えることでかさが減るので、たっぷりの量を食べることができ、ビタミンや食物繊維をしっかりとることができます。
冬はどうしても運動不足になりがちなうえに、クリスマスや忘年会、お正月などのイベントが多く、ごちそうを食べる機会も増え、体重やおなか周りが気になる季節です。
ニンニクスープを上手に活用して、ダイエットと健康維持に役立ててください。
トマトと落とし卵のスープ
材料(2人分)
A:おろしニンニク 小さじ2
A:小さじ2
B:トマトジュース(無塩) 400cc
B:顆粒コンソメ 小さじ1
・塩コショウ 適量
・卵 2個
・粉チーズ 適量
・パセリ(乾燥) 適量
作り方
❶鍋にAを入れ、弱火で香りが出るまで炒める
❷Bを加えてひと煮立ちさせ、塩コショウで味を整える
❸卵を落とし入れ、 白身が固まったら器に盛り、 粉チーズとパセリを散らす
中華風ニンニクスープ
材料(2人分)
・ニンニク 2片
・ゴマ油 適量
A ワカメ(乾燥) 小さじ2
A 中華顆粒だし 小さじ2
A 水 500cc
・塩コショウ 適量
・青ネギ(小口切り) 適量
作り方
❶ニンニクは薄切りにする
❷鍋に①とゴマ油を入れて
しんなりするまで炒め、
Aを加えてひと煮立ちさせる
❸塩コショウで味を整え、青ネギを散らす
ガーリックバターみそ汁
材料(2人分)
A 袋入りカット野菜(※) 1袋
A おろしニンニク 小さじ2
A バター
B 水 500cc
B 顆粒だしの素 小さじ1
A 袋入りカット野菜(※) 1袋
A おろしニンニク 小さじ2
A バター
B 水 500cc
B 顆粒だしの素 小さじ1
・みそ 大さじ1〜好みで
作り方
❶鍋にAを入れて野菜がしんなりするまで炒める
❷Bを加えて野菜が柔らかくなるまで煮る
❸みそを溶き入れる
※キャベツ、タマネギ、ニンジンなど好みで