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【HSP】【敏感すぎる人】疲れやすく、集団行動が苦手なのは「脳の疲れ」が原因だった!

2020/11/17

HSP=「敏感すぎる人」は性格ではなく生まれ持った脳の特徴

「家や職場で電子音や人の話し声などの雑音が気になってしかたない」

「人が大勢集まる飲み会が苦手」

「人に頼まれるといやと言えない」

「小さなことを気にしすぎて、クヨクヨしてしまう」

「『30分以内に』と制限時間をつけられると、実力が出せなくなる」

 こう言われて、「ハッ、私のことだ」と感じたかたはいませんか?

 これは普通の人より感受性が強い「敏感すぎる人」です。このような人は、従来は単に「性格」ととらえられていました。しかし、近年では研究が重ねられ、先天的な脳や神経系の特徴による「気質」と考えられるようになってきたのです。

 アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士はこれを「HSP(Highly Sensitive Person)=とても敏感な人」と名づけました。アーロン博士の研究から、HSPはどこの国でも、5人に1人程度の割合でいると判明しています。

 HSPは病気ではありません。しかし、些細なことに敏感に反応し、神経が高ぶりやすいため、心身ともに疲れやすい傾向があります。

 非HSPの人からすると「気にしすぎだ」と思うのですが、HSPの敏感さは普通の人とは異なり、次のような特徴があります。

 まず、「刺激に敏感」ということです。光、音、におい、味、触覚など五感を通して入ってくる刺激、さらには脳内イメージなど自分の中から生まれる刺激にも敏感に反応します。

 例えば、人の集まる雑踏にいるだけで、その光景や雑音が過剰な刺激となり、グッタリと疲れてしまいます。食べ物や空気中の化学物質、電磁波に敏感な人もいます。

 また、人の心の動きを機敏に感じ取り、過剰に同調してしまうため、「人の影響を受けやすい」のも大きな特徴です。相手を思いやる心が強く、相手の心を見通してしまうことが多いため、頼まれると「いや」と言えません。他人を優先して自分のことを後回しにしたり、自分の主張を抑えたりするので、さらに疲労していきます。

「敏感すぎる」ことは野生では必要な能力

 HSP、つまり敏感すぎる人は、このような気質から、日常に生きづらさを感じることが多いと思います。しかも、この特性は周囲の理解を得られにくく、自分でも「自分が弱いから」「意気地がないから」「自分が我慢すればいい」と自らを責めてしまいがちです。

 でも、これは生まれ持った気質なのですから、自分を責める必要はありません。

 HSP特有の敏感さには、脳内の情報処理能力の高さが関わっています。つまり、刺激に反応するアンテナの感度がよすぎるのです。

 例えば、普通の人は何かに集中していると、周りの物音が耳に入らなくなります。しかし、敏感すぎる人はちょっとした周りの物音が気になってしかたがありません。

 また、私たちの脳にはさまざまな神経回路があり、異なる働きを担っています。「好奇心」と「不安」の神経回路は、対になって働いていると考えられます。未知の物事に好奇心を持つのと、不安を感じて警戒するのは、ちょうど逆の働きです。

 敏感すぎる人は生まれつき「不安」の神経回路が強いと考えられています。これは本来、生物の生存本能として重要なことです。音や光、においなどに敏感でなければ、外敵の気配に気づくことができません。

 敏感すぎる人の気質は、有害・危険な刺激や変化にいち早く拒否反応を示し、周囲に警鐘を鳴らす「社会のカナリア」的な役割を果たしているのかもしれません。この点からも敏感すぎることは決して恥ずかしいことではないのです。

 敏感すぎる人は、脳の「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞の働きが強いとも考えられています。ミラーニューロンは、他者の動作を見ているだけで、あたかも自分がその動作をしているような反応をします。

 赤ちゃんが周囲のまねをして動作や言葉を覚えるのも、私たちが他人の行動の意図を理解したり、感情に共感したりできるのも、その働きによると考えられています。

 敏感すぎる人はこの働きが非常に強いため、周囲の空気を過剰に読み、近くの人の怒りや悲しみなどの感情に影響を受けやすくなります。このように脳が通常よりも多くの情報処理を行い、神経が高ぶりやすいため、敏感すぎる人は脳も心も体も疲れやすくなります。

 疲労感は、脳の前帯状回皮質という部位と深く関わっています。自律神経の働きや痛みにも関わる部位です。ストレスが続くと、前帯状回皮質の活性が低下し、疲労感が発生するだけでなく、自律神経の働きも乱れ、痛みも感じやすくなります。

 敏感すぎる人が日常で生きづらさをなくすためには、意識して緊張やストレスを手放す工夫が必要です。