寝る前が効果的!心地よくじわっと温めて熟睡へ誘う「仙骨の温め」のやり方
自律神経が反応するには、その部分を40~42℃に温めることが必要です。それ以上の高温になると、自律神経の反応が安定しなくなることがあります。
仙骨を温めるときは、42℃の適温で持続的に温めることがカギとなります。その方法は、大きく分けて2つあります。
❶温熱シートで温める
市販の温熱シート(肌に直貼りできる蒸気で温めるタイプ)を仙骨に貼って温めます。寝る前の時間帯に貼り、寝るときに外しても、そのまま一晩温めてもOKです。
ポイントは、必ず、蒸気で温めるタイプのものを使うこと。使い捨てカイロは時間とともに温度が上昇していくため低温やけどの心配がありますが、温熱シートは一定の温度が続いた後、下がっていくので、やけどの心配がありません。蒸気で温める「湿熱」タイプなので、深部までじっくり温まるのもメリットです。
どうしても使い捨てカイロで代用したい場合は、厚手の下着に貼って使い、寝る前に必ずはがしてください。
❷手作りホットパックで温める
目の細かい綿の布で文庫本くらいの大きさの袋を作り、アズキ60gと天然塩30gをよく混ぜたものを袋に詰め、口を閉じます。
この手作りホットパックを電子レンジで1分加熱し、うつぶせになって服の上から仙骨に当て、10分温めます。
仙骨を温めるのはいつでも構いませんが、夜の時間帯に行うと、より効果的です。仙骨温めを行うと、まず全身がポカポカと温まることを実感できるでしょう。そのため、冷え症や夜間頻尿、不眠には、速やかに効果が現れます。
例えば、ある70歳の女性は、一晩に5~6回、尿意を感じて目覚めるようになり、睡眠もじゅうぶんに取れず困っていましたが、温熱シートを仙骨に貼って寝ることを毎晩続けたところ、就寝中にトイレに起きる回数が2~3回に減少。4~5時間は連続して睡眠を取れるようになり、とても喜ばれています。
また、ある40歳の女性は、アズキのホットパックで仙骨温めを始めて数日で、不眠が解消。眠りが深くなり、夜中に目覚めることなく朝まで熟睡できるようになりました。2年近く苦しんできた原因不明の腹痛も、約1カ月で治まったそうです。
意外なところでは、10年来のぜんそくの発作が、仙骨温めでまったく起こらなくなった人もいます。
そのほか、脊柱管狭窄症による腰痛のため、杖なしでは歩けなかった人が、仙骨温めを始めて3カ月ほどで腰痛が改善し、杖が不要になったケースもあります。腰だけではなく、ひざや首の痛みがよくなった人も少なくありません。
慢性的な体の痛みは、冷えや血流の滞りが一因となっていることが、よくあります。仙骨温めは全身の血流を改善し、炎症を抑えることで、体の各所の痛みの緩和にも役立つのです。継続して行うことで効果が現れるので、最低でも1カ月は毎日続けてみてください。
仙骨を温める方法
1 市販の温熱シートを使う
市販の、蒸気の熱で温めるタイプの「温熱シート」を利用する。
仙骨の上に温熱シートが当たるよう、下着の内側に貼る。
寝る前の時間帯に貼って、寝るときにはがしてもよいし、そのまま一晩温めてもよい。約40℃の低温で温めるため、低温ヤケドの心配がない
使い捨てカイロはNG!
使い捨てカイロは、温度がどんどん上昇するため、自律神経を刺激し過ぎてしまう。どうしても使いたい場合は、寝る前に下着の上や寝巻の上から仙骨に当たるようにカイロをはり、寝る直前には必ずはがすこと。低温ヤケドにも注意する
2 手作りのホットパックを使う
アズキと塩とともに綿の布袋に入れて作ったホットパックを、電子レンジ(500W)で1分ほど加熱する。うつぶせに寝て、ホットパックを服の上から仙骨に当てて、10分ほど温める。ホットパックの熱刺激が強すぎる場合は、服とホットパックの間にタオルを挟む
ホットパックの作り方
【用意するもの】
・目の細かい綿の布……11㎝×35㎝程度
(二つ折りにすると文庫本くらいの大きさ)
・アズキ…60g
・天然塩………30g
【作り方】
❶布を折りたたみ、両端をミシンなどで縫う
❷①にアズキと塩を入れ、袋を閉じて縫い合わせる