「いつ脳梗塞になってもおかしくない」
私がいちばん好きなのは、家でダラダラゴロゴロ過ごすこと。そんな私が唯一やる運動が、サーフィンです。ただし、その前に「ネット」がつく、いわゆるネットサーフィンってやつですけどね……。
なーんて自己紹介するくらい、私は動くのがおっくうなめんどうくさがり屋。そんな私が「とにかく運動しなさい」と医師から言われるようになったのは、脂肪肝と脂質異常症がきっかけでした。
コレステロールと中性脂肪の値がグングン上がり出したのは、1997年に39歳で子宮がんの手術を受けた数年後でした。肝機能の数値も思わしくなく、エコー検査の結果、「脂肪肝」との診断。私はお酒を飲まないので、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とのことでした。
でもこの時点では、だからダメとか、「こうしなさい」といった指導はありませんでした。じゃあたいしたことないんだ、と甘く見てしまうのが、私のいけないところ。
私も夫も甘いものと白米が大好きで、当時は、おはぎなら一気に2個をペロリ。白米は5合のご飯を夫と私の2人で、わずか1日で食べつくしていました。
そんな生活を変わらず続けて、数値がよくなるはずもありません。あるとき、とうとう医師から「いつ脳梗塞や心筋梗塞になってもおかしくない状態です」(※1)と言われる羽目に。
※1 脳梗塞=脳の血管が詰まって起こる病気。心筋梗塞=心臓の血管が詰まって起こる病気
採血時に見た自分の血液も衝撃的でした。本当にドロリとしていて、確かに、いつ血管が詰まってもおかしくないと、やっと危機感を覚えたのです。
いろいろなことを実践するようになったのはそこからです。
例えば、友人から「納豆を1カ月食べたら、コレステロール値が下がった」と聞いて、私も試すことに。
実験のつもりでしたから、「今日はまだ食べてない」と気づいたら、冷蔵庫の前で立ったまま、納豆をかきこむこともありました。
さて成果はというと、聞いたとおりで効果抜群!
1カ月後、360㎎/㎗だった総コレステロール値は200㎎/㎗に(正常値は220㎎/㎗未満)。わずか1カ月で、「何やったの⁉」と医師が驚くほど下がったのです。
納豆・海藻を毎日食べて数値がダウン
しかし、私は大の納豆好きというわけではないため、それ以上は続けられませんでした。
次に試したのが、海藻サラダです。乾物の海藻ひとつまみを水で戻し、ポン酢しょうゆ・ゴマ油・七味で味付けして毎食、食べるようにしたところ、その1カ月後に再びコレステロール値が改善。
しかし、これまた準備がめんどうで1カ月で挫折しました。
私自身が提唱者である「ミネラル豆乳ダイエット」も効果がありました。簡単に説明すると、これは豆乳と野菜ジュースを混ぜて食前に飲むダイエット法です。
これは準備も簡単で続けやすいのですが、体が冷えてしまうのが難点。創始者としてお恥ずかしい限りですが、寒い季節はとても続けられませんでした。暖かくなったら再開しようと思います。
「とにかく運動を」と言う医師の言葉も、もちろん忘れていません。モチベーションを高めるために、2万円もするシューズを購入。ウォーキングを頑張った時期もありました。
このときは続けるためにLINEグループで友人たちに「ウォーキング行ったよ」などと報告。「頑張ったね」と励ましてもらう試みも行いました。しかし、やがて玄関でシューズをはくことさえめんどうに感じるようになり、あえなく挫折。
100点は目指さず緩く70点でOK!
それなら家でできるものを、と今年になり実践し始めたのが「7秒スクワット」です。
これは内科医の宇佐見啓治先生が考案したスクワットです。基本的なやり方は、5秒かけてゆっくり腰を下ろし、太ももが床と平行になったら2秒キープ。その後、反動をつけずに立ち上がります。
このスクワットを10回1セットとして、1日3セット行い、さらにそれを週2日以上実践すると、血糖値の上昇が抑えられるとのこと。
私はこれを自分流にアレンジ。週に4~5日、歯みがきするついでに、10回を目標に行っています。
ありがたいことに、391㎎/㎗だった中性脂肪値は165㎎/㎗に(正常値は150㎎/㎗)。肝機能を示すγ-GPTも高いときには132もあったのですが、最新の検査では49と、正常範囲に落ち着いています(基準値は30単位以下)。
また、同じ食生活を続けていた夫も検査で高血糖を指摘されるようになったため、2015年からは自ら糖質制限を実践。
大好きなご飯の量を減らし、たんぱく質の豊富な肉や厚揚げなどに加え、キャベツの千切りなど野菜をたっぷりとるようにしたところ、血糖値は徐々に下がり、血糖降下薬をやめることができました。
それだけではなく、ダイエットにも成功。90㎏台で3桁目前だった体重を、70㎏台に戻すことができたのです。
なお、私も血糖値はグレーゾーン。脂肪肝改善のためにも役立つので、我が家では今もできる範囲で緩い糖質制限を実践しています。最近お気に入りなのは、手作りの低糖質スイーツ。
私はときどきコンビニスイーツを無性に食べたくなります。そんなとき、砂糖代わりに「ラカントS」(※2)を使った牛乳寒天やおからパウダーの蒸しパンを食べて、抑えきれないスイーツ欲を満たすようにしています。
※2 羅漢果というウリ科の植物のエキスとトウモロコシ由来のブドウ糖で作られる甘味料
そのかいあってか、昨年5月に6・3%だったヘモグロビンA1c(過去1カ月の血糖値の平均を表す数値で、基準値は6・2%未満、治療目標値は7・0%未満)が、8月には5・9%に下がりました。
私は何事も100点満点ではなく、70点でいい、と思っています。
完璧を目指して挫折するより、「できればやる」程度で続けることが大事。
だから、7秒スクワットを数回でやめる日もあれば、たまには大好きなコンビニスイーツを楽しむ日もあってよし。これからも緩めに運動や糖質制限をできる範囲で続けていくつもりです。