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なぜ一流の人は「トイレ掃除」にこだわるのか——知らない人にも自分にも気づかうことが運と成功を導く【後編】

掃除の本質——部屋が整うと心が整い自分はもちろんのこと他者からも信頼を得られる

掃除は、単に「きれいにする」「整理する」というだけにとどまらず、「自分をたいせつにする」尊いアクションだと、私は思っています。

私がCAの仕事に就いたばかりの頃のことです。恋愛も仕事も、何もかもがうまくいかない、どん底の時期がありました。

そんなとき、ふと見た雑誌で、片づけが勧められていました。私は当時、1Kのマンションに住んでいたのですが、家の中を見返してみると、使っていないものがあふれていることに気づきました。

そこで、ある休日、何年も着ていない服や新聞紙、賞味期限の切れた缶詰などを一気に廃棄してみました。なんとその分量は、1K住まいにもかかわらず、大きなゴミ袋6袋分にもなりました。

たった1日のアクションでしたが、ことのほかスッキリして、気分も晴れ晴れしたことを覚えています。すると次の出社日から、人に会うのも、仕事をするのも、どんどん楽しくなっていったのです。

このことを、ANA時代の後輩のお母様に話したところ、「部屋が散らかっている人は、カバンの中も散らかっている。カバンの中が散らかっている人は、お財布の中も散らかっている。お財布の中が散らかっている人は、心の中も散らかっている」とおっしゃっていました。私自身、大いに納得したものです。

信頼されたい人は1㎝にこだわって

ところで先日、歯科医院のスタッフさん向けに開催した接遇研修での出来事です。その医院で、治療道具の入った引き出しが1㎝だけ空いているのが目について、私は「この1㎝にこだわりましょう」とお話しさせていただきました。

患者様は、どこを見て「よい医院かそうでないか」を判断しているかわかりません。ほんのちょっとの乱れに敏感な人は意外と少なくないもの。この1㎝がだらしなく見え、不信感につながることもあるのです。

引き出しやドアをきちんと閉めること。カルテや書類の背がそろっていること。道具の一つひとつがあるべき場所に並んでいること……。「ほんのちょっと」を見逃すだけで、他者の信頼ばかりか、自分への信頼も損ねてしまいかねません。

掃除や片づけが尊いと思うのは、そんな理由からです。

一流といわれる人たちは、あたりまえのようにやっています。

いつもより少し細かいところまで意識を注いで、掃除や片付けをすることで人生が必ず好転することを、ぜひ覚えておいてくださいね。