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【睡眠の誤解】【睡眠神話】科学的な根拠のない眠りへのこだわりはかえって快眠の妨げとなる!

2020/12/20

 下記をご覧ください。これらは、科学的根拠に欠ける「睡眠神話」の例です。かえって睡眠の妨げともなりかねない、いわば思い込みに近いものといえます。

眠れない=睡眠障害だ

●睡眠時間が短いと調子が悪くなる

●7時間睡眠が寿命を延ばす

●睡眠は90分周期

●ブルーライトが眠りを妨げる

●眠りのゴールデンタイムに眠らなければならない

●眠れなければ睡眠薬を使えばいい

●体内時計は25時間

意外に思われたでしょうか? 以降で理由を解説していきますが、その前にそもそも、人間はなぜ眠るのかについて押さえておきましょう。

人間はなぜ眠るのか。それは脳のシナプスの整理のため

 人間を含め、動物は寝ないと生きることができません。かつて行われた、ラット(大型ネズミ)の不眠実験では、3週間以内に100%の確率で死ぬという結果が出ました。

 アメリカでは、不眠にチャレンジした人もいましたが、4日目に幻覚や妄想を見るようになり、7日目には震えや言語障害が出て、脳の機能異常が起こりました。

 一方で、このような睡眠不足で生じた不調は、睡眠をしっかり取れば回復できます。

 私たちは起きている間に脳内にたまったよけいなものを、睡眠中に解消し、リフレッシュしているのです。

 そのよけいなものの正体は、まだはっきりとわかっていませんが、有力視されているものの1つが、シナプス(神経細胞間の情報をやりとりする部分のこと)です。

 シナプスは、有限であるため、起きている間にたくさん使ったシナプスを眠っている間に整理し、脳内を効率化しているのではないかと考えられています(下図参照)。

 その結果、私たちは睡眠をしっかり取ると、必要な情報が脳内で取捨選択され、朝起きると、頭がクリアになり、日中にイキイキと行動ができるようになるのです。

睡眠障害が週3日以上、3カ月続けば治療が必要

 さて、現代人は「眠れない」と訴える人が多いのですが、治療が必要な人は7%程度と言われています。

 中途覚醒や入眠が困難という状態が週に3回以上あり、それが3カ月以上続き、日中の仕事などに支障をきたす場合は、治療が必要です。

 一方で、「眠れないんじゃないか」と、睡眠自体に不安を持っている人も多く、眠りへのこだわりが不眠の原因になっていることもあります。

「7時間以上眠らないと寿命が縮まる」といった説もありますが、年齢や生活環境によって最適な睡眠時間は異なります。

 例えば、60歳を過ぎて活動量が少なくなると、睡眠時間は5時間でじゅうぶん。日中のパフォーマンスに影響がないなら、睡眠時間が短くても、眠りには問題がないと考えてください。睡眠自体を評価するのではなく、日中のパフォーマンスを評価することがたいせつです。

 睡眠の周期が90分サイクルだと思い込んで、目覚ましを90分単位でセットする人も間違っています。

 ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルは、個人差があり、同じ人でも日によって異なるので、90分単位の睡眠はまったく意味がありません。

「22時から深夜2時のゴールデンタイムに成長ホルモンが分泌されるから眠らなくてはいけない」という説も、根拠のない睡眠神話です。

 成長ホルモンの分泌は時間に左右されるのではなく、就寝後、最初に表れる深いノンレム睡眠に入っているときです。ゴールデンタイムにこだわる必要はありません。

 ブルーライトが眠りを妨げるという話もよく聞きますが、ブルーライトだけが悪いのではありません。

 明るい光全般が睡眠にはよくないので、夕方以降は明るい光を浴びるのをなるべく避けてください。

 また、最近は眠れないという訴えに、気軽にベンゾ系の睡眠薬を出すクリニックも多いですが、依存してしまうのはよくありません。

 睡眠薬は「眠れる」という成功体験をサポートするために使うもの。「睡眠薬がなくても眠れるようになる」という意思を持ち、自信がついたら薬は卒業しましょう。

何時に寝ても起床時間が同じだとリズムは狂わない

 人間の体内時計の平均は、24時間10分くらいです。よく言われる25時間ではありません。

 朝、光を浴びることで体内時計がリセットされますが、寝だめをすると体内時計がずれます。せいぜいプラス1時間以内にとどめ、毎日同じ時間に起きることがたいせつです。

 また、眠気は起床の16時間後にやってきます。例えば、7時に起きたら、16時間後の23時に寝るといったリズムをキープすれば、よい睡眠が得られやすくなります。