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【頭痛を解消】原因は頸椎2番のズレ?優しく触れて矯正する「水晶こすり法」を紹介

私なりにたどり着いた頭痛のメカニズム

はじめまして。私は愛知県蒲郡市で頭痛専門の整体院を開業して16年になります。私自身が小学生のときから頭痛持ちで、それをなんとかしたいという経験から、「日だまりショット」という頭痛治療法を開発しました。これは、頸椎2番のズレを手で優しく触れて矯正するというメソッドです。

私は頭痛を発症した小学2年生のとき、診てもらった鍼灸師の先生に「頸椎2番の骨が左にずれている」と指摘されました。さらに、進路や生き方に悩み始めた中学2年生のときに、自律神経失調症(※)と診断されたのです。私はこの頃から、親や世間体などを気にして、ほんとうはやりたくないことをして、目の輝きを失っている人たちに疑問を感じていました。

※全身の器官や血流をコントロールしている自律神経のバランスが崩れることで起こるさまざまな症状。疲れやすい、不眠、頭痛、めまい、ふらつきなどがある。

その後、学校を出て就職しましたが、「やりたいことはこれじゃない」と感じてすぐに退職。サラリーマンを辞めて歌手を志し、上京して路上で歌っていたこともありました。
その頃、詐欺に遭って無一文になり、歌手になる夢をあきらめざるを得ませんでした。帰郷したものの、食べていくためには、仕事を見つけなければなりません。

マッサージしてあげた人からほめられることが多かったので、「ここを伸ばそう」と整体の道を志し、専門学校に通いました。その後、中国に整体を学びに行ったときに、頸椎の授業で「頸椎には自律神経の反応点があるから、上手にやるとリラックスして体がスッキリするけど、適当にやると逆に緊張して体が硬直してしまう」と教わったのです。このとき「頸椎2番」と「自律神経」がつながりました。

日だまりショットの一つである、頸椎2番に手で優しく触れることで頭痛を治す「水晶こすり法」は、この経験を経て生まれました。頸椎2番に手で優しく触れることは、以前から自分の頭痛を治す際に何気なく行っていました。これをやると、頭痛がおさまると同時に、気分が爽快になるのです。どうやら、頸椎2番には自律神経が切り替わる反応点があり、心まで支配しているのかもしれないと思いました。

頸椎2番がずれると、交感神経が優位になり、首の周りの筋肉が緊張でこわばって血流が悪くなります。次に緊張が緩んだときに、血流が一気に増大し、頭痛が起こる。これが私なりにたどり着いた結論です。

ちなみに、水晶こすり法の水晶は、頸椎2番の骨の周り全体を水晶に見立てて名づけました。

日本人の頭痛持ちは3000万人、偏頭痛持ちは840万人いるといわれています。私の整体院に来られる人は、女性が7割を占めていて、特に40代、50代のかたが多くを占めています。

女性に頭痛が多いのは、感受性や共感力が強いことや、ホルモン分泌の影響があるという指摘があります。頭痛持ちのかたは、優しくて思いやりがあり、人の気持ちがよくわかる「いい人」という印象です。さらに真面目でがんばり屋の人が多いので、人前では明るく元気に振る舞い、人に隠れて鎮痛薬を飲んでいるというかたも少なくありません。

私は頭痛の主な原因は、気圧、人圧、重圧の「三大圧」と考えています。現代社会の生きづらさや息苦しさが大いに影響しているのです。
天気が崩れて気圧が乱れると、血圧も変動し、頭痛が起きやすくなります。
さらに、職場にパワハラ上司がいたり、受験や面接など、過度のストレスを受けたりすると、首がカチカチにこり固まって、自律神経の交感神経が優位になり、心身が緊張状態になります。休日に遊んでいるときに頭痛になる人がいますが、いつも気を張っているため、気が緩むと、途端に血流がよくなり、頭痛が起こってしまうのです。

また、今の仕事や環境、パートナーシップに悩み、自分らしい生き方ができていないと感じているときに、「こんな仕事は嫌だ」「こんな生き方は嫌だ」という心の悲鳴が頭痛となって現れてくる場合も少なくありません。

嫌だと思っていることをやめると、頭痛がよくなることもあります。「頭痛の種」とよくいわれるように、自分の頭痛の種はどこにあるのか、どんなときに頭痛が起こるのかを知っておくといいでしょう。

「水晶こすり法」で頭痛、不眠からうつまで著効

頸椎2番に触れると、今まで社会などに抑え込まれてきた納得いかない気持ちや悔しさ、怒りが指を介して伝わってきます。私自身も10代、20代のときに抱えていた気持ちに触れ、共感した瞬間に、こわばりがスーッととけていきます。頭痛持ちの人なら、頸椎2番に指で触れてみると、ガチガチにこわばっているのがわかるはずです。

自分の手指で頸椎2番に優しく触れる水晶こすり法を行うことで、頸椎2番の左右のズレを自覚すると、緊張していた自律神経が緩んで、整っていきます。首の筋肉のこりや張りもなくなり、常に血流が安定して、頭痛が起こらなくなるのです。

頭痛が起こらなくなるだけでなく、気分が晴れやかになるという人もいます。ほんとうにやりたかったことを始めて、転職などして生き方自体を変える人も珍しくありません。
また、自律神経のバランスが整うことで、めまいや耳鳴りが消えたり、肌荒れがよくなったり、眠りが深くなって不眠が解消したりします。気持ちが楽になるので、うつっぽく沈んだ気分も前向きになります。

もしあなたが頭痛に悩んでいるのなら、簡単にできる水晶こすり法を頭痛の解消に役立ててください。

気合いを入れすぎずにリラックスして行うのがコツ

それでは、水晶こすり法をご自分で行う方法をお伝えします。 

日比大介先生考案の水晶こすり法のやり方

①頭の左側に偏頭痛があるときは頸椎2番の左側を押さえる。

仰向けに寝て、左の偏頭痛の場合は顔を右に傾け、左腕を曲げて開いて、左手を後頭部下に差し込む。親指の腹を頸椎2番の左側に優しく当てて、20秒程度こする。反対側は右手を使って同様に行う

②頭の右側に偏頭痛があるときは頸椎2番の右側を押さえる

右に偏頭痛が出ているときは、頭を左斜め前に倒す。今度は右手の親指の腹で、頸椎2番の右側を約20秒間優しく押さえてこする。①と②は頭痛の場所に応じて一方だけをやってもよい

③仰向けに寝て①、②の動作をやってもよい

仰向けに寝て、左の偏頭痛の場合は顔を右に傾け、左腕を曲げて開いて、左手を後頭部下に差し込む。親指の腹を頸椎2番の左側に優しく当てて、20秒程度こする。反対側は右手を使って同様に行う

④頸椎2番の位置がわからないとき、頭全体が痛いときは

頸椎2番の位置がわからないとき、頭全体が痛いときは、頭をどちらかの斜め前に少し倒したあと、後頭部と首の境目に手のひら全体を当てて優しくおさえながら、20秒間キープする

頭痛は、体の状態だけでなく、「もう限界だ」という心の悲鳴も表現しています。頭痛の裏には、寂しさや悔しさ、納得いかない気持ちなど、言葉では表せないものがあります。

そこで、水晶こすり法を行う際は、一生懸命やろうとしないで、リラックスすることがたいせつ。気合を入れて行うと、交感神経が優位になり、心身ともに緊張してしまいます。あごの力を抜いて、首や肩の力を抜いてリラックスして楽しんで行うことがコツです。

水晶こすり法は、特に偏頭痛に効果があります。偏頭痛の人は、頸椎2番が左右いずれかにズレていることが多いからです。頭痛が右のこめかみに出る場合は、頸椎2番が右に、左のこめかみに出る場合は頸椎2番が左にズレて出っ張っていることがあります。

顔を少し横に傾けたり、頭を斜め前に倒したりすると、後頭部のすぐ下の、頭と首の間に、コリッと出っ張った骨があります。これが頸椎2番です。頭を斜め前に倒すと広がる頸椎1番、2番の骨と骨の隙間に、手指を入れて、頸椎2番に触れると、水晶玉のような球体の一部に触れている感覚があるはずです。手指の腹で、頸椎2番に優しく20秒程度触れて、さすってください。

頭全体が痛むときは、左右ともに行います。このとき、自分がよりやりたいと感じるほうを多めに行うといいでしょう。

増えている子どもの頭痛にはお母さんの「手当て」が有効

頸椎2番に触れていると、ツーンと効いている感覚がありますが、骨の位置が厳密にわからなくても、だいたいの位置でだいじょうぶです。もし、骨の出っ張りがはっきりとわからない場合は、手のひら全体を後頭部と首に当てて優しくこするだけでも、じゅうぶん効果があります。

水晶こすり法は、調子が悪いときに行うようにしてください。頭痛がなく、気分もいいときに行うと、かえって頭痛を引き起こす恐れがあるからです。
なお、頭痛が起きそうだと感じたときや頭が重いとき、人混みに行ったとき、人と会って疲れたときなど、ご自分の「頭痛の種」に見舞われたときに頸椎2番に触れると、頭痛を予防する効果が期待できます。こういうときに水晶こすり法をすると、頭や目がスッキリし、気分が和らぐのがわかるはずです。

手の力加減もお母さんが子どものおでこに触れるときのような優しいタッチなので、非常に安全です。水晶こすり法をやって、何らかのトラブルが起きたという報告は一度もないので、安心してください。

最近は、スマホやゲームによる長時間の悪い姿勢や、コロナ禍以降のストレスなどが原因で、子どもの頭痛が非常に増えていると感じています。もしお子さんに頭痛がある場合、お父さんやお母さんがお子さんに水晶こすり法を行ってあげるといいでしょう。

「いいことノート」をつけて自分をほめて頭痛を防ぐ

最後に、頭痛を減らすための生活の工夫をお伝えしましょう。
先ほども触れたとおり、頭痛に悩む人の多くはがんばり屋なので、そんな自分をほめてあげることです。

例えば、「いいことノート」を作って、自分のいいところや、今日あったよかったことを書き込んで、ほめてあげるのを習慣づけるのです。

頭痛持ちの人は、優しくて思いやりがあるので自己犠牲に走りがちです。つまり、「自分さえ我慢していれば、うまく回る」と考えてしまうのです。その状態が長く続くと、いずれ大きな不満となって大爆発してしまいます。

そうなる前に、自分のいいところをノートに書いて、自分自身を肯定してあげること。自分の機嫌は自分で取るのです。

「水晶こすり法」で人生が変わった人が続出!

頭痛の苦しみ=人生をよくがんばってきた証拠だと思いましょう。そう考えれば、自分の存在価値が認められ、気分が和らぐはず。そうなれば、だんだんと頭痛そのものが減っていきます。

ぜひ、水晶こすり法を取り入れながら、いつもがんばっていてえらいねと自分をほめてあげましょう。

この記事は『ゆほびか』2022年7月号に掲載されています。