「手」には全身の反射区があり、押したりもんだりして刺激をすると、不調だった部分に働きかけて健康状態を改善することができます。また、脳とも密接な関りがあるため、手を使うことで脳を活性化します。
それだけではありません。「手」には、あなたのこれまでたどってきた人生から未来までが表れており、手が発しているサインを読み取り、受け止めることで、人生を好転させることもできるのです。ぜひお試しください。
Part①優しくもむと全身が緩む!強くもむと機能が活性化!市野式「手もみ」最前線
Part②過去と未来の自分も今必要なケアもわかる!「手からのサイン」の読み解き方
Part③全身が緩み血流が改善!痛みが消え免疫力アップ!1日3分基本の手もみ
Part④効果をプラス、道具で楽チン施術緊急時にも対応!「手もみの裏ワザ」3選
Part⑤ベタベタしない!24時間しっとり!冬の乾燥から手肌を守る 市野式ハンドケア
優しくもむと全身が緩む!強くもむと機能が活性化!市野式「手もみ」最前線
私はこれまで、多くのかたの手を拝見してきましたが、今ほど、みなさんの手が疲れている時代はありません。
スマホやパソコンの普及によって人類史上にないほど手が酷使され、ボロボロになっています。
これは、手だけの問題ではありません。手が疲れているということは、全身が疲れているということ。なぜなら、手には全身の地図があり、全身の状態が映し出されているからです。
手と全身をつないでいるのは、反射区(ゾーン)です。反射区は体中の器官や臓器と対応しており、反射区をもめば、それに対応する器官・臓器の状態が変わってきます。また、どこかの臓器の働きが悪ければ、それが手の反射区にサインとして現れます。
例えば、便秘で悩んでいる人は、手のひらにある大腸や直腸の反射区をもむと、ジョリジョリした違和感を感じます。これは便が大腸にたまっているしるし。そこをもんで便秘が解消すると、そのジョリジョリ感もすっきりと消えます。手と全身には、そういう関係があるのです。
私は、ご相談で来られたほとんどのかたの手を最初に見て、手をもみます。すると5分もしないうちに背骨が緩み、肩がほぐれて、股関節が柔らかくなります。手をもむだけでも、全身は整うのです。
優しい刺激が体に効く!
わかりやすい例をご紹介しましょう。Sさん(50歳女性)は、足のだるさや肩の痛みを訴えて来院されました。施術の前に手をもむと、肩までしか上がらなかった腕がスルスルと真上まで上がり、硬かった股関節が軽く直角に上がりました。
さらに足に触ってもいないのに、足のむくみも取れたのです。手だけで、あっという間に全身が緩み、血流が改善したことがわかります。私は、優しくSさんの親指を開いたり、手をさすったりしただけです。実は、この「優しい」刺激が体に効くのです。
私は長年、リフレクソロジストとして足もみをしてきましたが、以前はギューッと強く押しもみしていました。手も、同様です。ところが、2年ほど前から、緩くもむほうが効果が長続きすることがわかってきました。
私たち治療家は、日々の施術でクライアントさんから学ぶことも多く、以前とは施術や考え方が変わることもあります。今の手もみの最前線は、「優しくもんで、皮を緩める治療」なのです。
「疲れ」という字は、やまいだれに皮と書きますね。まさしく、皮が病んでいるから疲れるのです。それに気づいて、私は皮を治療しようと決めました。
皮の下は、たくさんの神経が通っていて、とても鋭敏です。手の酷使により、皮下と皮が癒着してしまい、そこに痛みが生じるのです。
そういうところを優しく優しく、さするようにもんで緩めると、癒着が取れて血行がよくなります。
反対に、たるんでいたり、緩んでいたりするところは強い刺激で引き締めます。治したいところの状態に合わせて、刺激の緩急を変えるのが、最新の手もみなのです。
押して痛いところが悪いところ
最近わかったことが、もう一つあります。以前は、手もみは上半身の症状によく効くと思っていました。ところが前述したように、全身の症状にも、驚くほどよく効くのです。
これは、手に全身の臓器とつながる反射区があるからですが、それだけではありません。手をもむことによって、筋膜(筋肉を包んでいる膜のこと)の連動が起きるのです。
手には、小さい筋肉がたくさんあります。その一部を刺激すると、刺激は筋肉の膜を伝わって、全身に波及します。レース編みの一箇所を手で引っ張ると、その歪みが糸を伝わって全体に伝わりますね。それと同じです。
たかが手ですが、されど手、です。脳神経外科医のペンフィールドが明らかにした脳地図(上のイラスト中段の真ん中の図・赤い手の部分)を見ると、手は脳の中で大きなエリアを占めています。これを見ても、手の働きがいかに大きいか、わかります。
手は、いつでもどこでも、自分で手軽にもむことができます。そこが手もみのよさですが、一つだけ難点があります。いつも刺激にさらされているため、変化を読み取りにくいのです。
手は日常的に酷使されているうえに、洗剤や消毒液など、いろいろな薬品にもされています。そのため荒れやすく、ケガもしやすくなります。
反対に、しっかり手のケアをしていると、実は体調に異変が起こっていたとしても、手の状態からは判断がつきにくくなります。
体の不調は、普通は手や足の反射区にサインとして現れますが、手は見ただけでは、細かい変化がわかりづらい部位だといえます。
ですから、手もみを行うときは、目を閉じて手をまんべんなく押して、変化を感じ取るとよいでしょう。この場合は、しっかり押してもかまいません。
「硬い」「痛い」「ぶよぶよしている」などの違和感があったら、手の治療地図(上の写真)でそこはどの部位の反射区なのかを確認し、重点的にもみます。反対に、手の治療地図を見て、不調を感じている部位の反射区をもむのもお勧めです。
手の反射区は、足とほぼ同じ位置に配置されています。両手のひらを自分に向けて広げ、手首で交差し、左右の親指の外側を合わせます(上の写真参照)。
この中央の親指の骨が背骨で、親指の腹が頭です。手のひらには臓器に対応する反射区、指には目や鼻など顔まわりの反射区が多く、手の甲にも、腕や肩、背中に対応する反射区があります。
指が曲がっていないか爪の向きなどもチェック
手から体の状態を細かく判断するのは難しいと書きましたが、手を見てわかることもありますので、ご紹介します。手を自然に開いて、手の甲を上にして、テーブルの上に置きます。
親指を除いた4本の指と指の間が均等に開いていて、指がまっすぐで、爪が上を向いているのが元気な人の手です。
一方、指と指の間が狭すぎたり、間隔がバラバラだったり、爪が斜め方向(親指側や小指側)を向いているのは、背骨または首から上に問題があることを表しています。
Part①優しくもむと全身が緩む!強くもむと機能が活性化!市野式「手もみ」最前線
Part②過去と未来の自分も今必要なケアもわかる!「手からのサイン」の読み解き方
Part③全身が緩み血流が改善!痛みが消え免疫力アップ!1日3分基本の手もみ
Part④効果をプラス、道具で楽チン施術緊急時にも対応!「手もみの裏ワザ」3選
Part⑤ベタベタしない!24時間しっとり!冬の乾燥から手肌を守る 市野式ハンドケア