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「合成洗剤」をやめたら主婦湿疹や肌荒れ、かゆみも消えて生活の質がグンと向上!

シャンプーで洗うと頭がかゆい!

 「やめる」というテーマで考えたとき、私の人生に最も大きな影響を与えたのは、「合成洗剤」をやめたことです。今、私は合成洗剤を使っていません。洗浄にはすべて、石けんを使っています。

 石けんと合成洗剤の見分け方は、とても簡単です。容器の「成分表示」を見たときに「石けん」の文字があれば石けんで、合成洗剤には「洗剤」と書いてあります。

 この「合成」とは、「合成界面活性剤」のことです。本来、水と油は混ざりませんが、「界面活性剤」には水と油を混ざり合わせる働きがあります。この作用により、皮脂や油汚れを包み込んで、汚れを落としやすくするのです。

 合成界面活性剤は、主に石油を原料として、化学合成で製造します。パーム油などの植物油から作られた合成洗剤もありますが、これは植物油をいったん高級アルコールに変えて、そこから合成洗剤を作ります。

 「植物油由来」と書いてあるものは合成洗剤です。合成洗剤は、物質に染み込む力が長く続くという特徴があり、そのせいで皮膚や繊維に残留しやすいのです。これが、洗濯物が固くなったり、肌荒れを起こしたりする原因の一つになります。

 一方、石けんは、天然油脂を原料に製造された、毒性のない物質です。汚れをキャッチして落とす力は抜群で、皮膚や物の表面に残留しにくいという特長があります。

 私が合成洗剤をやめたきっかけはシャンプーでした。私は、以前は頭を洗うのにスーパーなどで普通に買えるシャンプーを使っていました。

 市販のシャンプーのほとんどは合成洗剤です。そのシャンプーで頭を洗っているうちに、いつしか深刻な「AKS」の症状に悩まされるようになりました。

 AKSとは、「頭(A)」「かゆい(K)」「症候群(S)」の略。私の造語です。毎晩頭を洗っても、翌日にはかきむしるほどかゆくなるのです。

 私は、AKSがシャンプーのせいだとはまったく気づかず、ずっとシャンプーを使い続けていました。

 でもある日、ふと、子どもの頃は、固形石けんで頭を洗っていたなあと思い出しました。その頃は、頭がかゆくなることはありませんでした。

 それで試しに固形石けんを地肌にこすりつけて洗ってみたところ、かゆみがまったく出なかったのです。

 ただ、今度は別の問題が発生しました。洗髪後はいくらすすいでもベトベトするし、髪を乾かしてからはゴワゴワになり、シャンプーのときほどサラサラにならないのです。

 それで数年間は、ふだんは石けんで洗い、お出かけするときはシャンプーで洗う、というふうに使い分けて生活していました。

石けんはじゅうぶんな量をしっかり溶かして使う!

 その後、結婚してすぐの頃、生協(生活協同組合)に入ったのですが、生協が盛んに石けんを推奨しているのを見て、洗濯にも粉石けんを使い始めました。

 ところが、これがまた使い勝手が悪いのです。白いものが黄ばんだり、油臭くなったり。環境にはいいんだろうけど、汚れ落ちはイマイチ。けっきょく、使うのをやめてしまいました。

 今、石けんを愛用している人も、「汚れ落ちは悪いけど、肌に優しいから」「環境のため」と自分を説得しながら、使用している人も多いのではないでしょうか。

 実は、これはすべて間違いでした。石けんの使い勝手が悪い、汚れが落ちないと思っていたのは、私の使い方が間違っていたのです。

  ある日、私は石けんの正しい使い方を教えてくれるサイトを見つけました。そこには、石けんで洗濯するときは、濃度と事前の溶かし込みが重要だということが書いてありました。

 必要な量の石けんをきちんと溶かすと、必然的にしっかり泡立つようになります。それまでの私は、少ない量の石けんをきちんと溶かさず、泡もない状態で洗濯していました。これでは汚れ落ちが悪いわけです。

 私は早速、必要な量の石けんをよく溶かして洗濯してみました。当然、泡もたっぷり立ちます。すると、汚れ落ち抜群!一回でなんとなく黒ずんでいたシーツが真っ白になるし、衣類のシミも落ちたのです。

石けんはじゅうぶんな量を、しっかり泡立てて使うのがコツ

 食器洗いのときは、洗濯用粉石けんをお湯で溶いた「トロトロ石けん」を使っています。これも泡がたっぷり立つ量の石けんを使うと、油汚れがスルスル落ちていきます。石けんの必要量の目安は、泡がたっぷり立つかどうかなんです。

 頭を洗うときも同じです。たっぷりの石けんをしっかり泡立てて洗うと、シャンプーで洗ったときのようにサラサラツヤツヤになりました。

 以降、私はキッパリと「合成洗剤をやめる」ことができました。それは環境のためではなく、石けんのほうが肌によく、汚れも落ちるという前向きな理由からです。

イヌ用毛布のにおいもきれいに落ちた!

 石けんを上手に使うコツは量と溶かし込みと泡です。そもそも石けんを使う人はエコ思考の人が多く、無駄使いを避けるために、量を減らしがちです。

 実は、石けんの使い勝手が悪いのはこれが原因。石けんの量が少ないと泡立ちが悪く、洗浄力がじゅうぶんに発揮されないのです。

 洗濯するときは、まず洗濯機に水と洗濯用石けん(粉末でも液体でも)を入れて、15分ほど攪拌してよく溶かします。その後、洗濯物を入れて洗うと、汚れもにおいもしっかり落ちます。

 服についたシミは、漂白剤を使わなくても落ちますし、黄ばんだ古着も、一皮剥けたように色柄が鮮明になります。

 「イヌ用の毛布を、何度合成洗剤で洗ってもにおいが落ちないので捨てるしかない」と言っていた友人に、石けん洗いを勧めたら、毛布に染みついていたにおいがきれいに落ちたと驚いていました。

 さらに、石けんをよく溶かして洗うと、雨天時に室内干ししても、雑巾のような「生乾き臭」がしません。石けんで洗っている我が家のタオルは、柔軟剤を使わなくてもふわふわで無臭です。

 ちなみに、この溶かし込みは、合成洗剤でも使える技です。合成洗剤も15分撹拌してよく溶かすと、汚れ落ちがアップし、部屋干し臭も軽減します。洗剤が衣類へ残留することも減り、柔らかく仕上がります。

石けんで洗ったタオルは生乾きのにおいがせず、とってもフカフカ

 トイレ掃除をするときは、便器に洗濯用粉石けんをふりかけてこすります。石けんだと便器の表面に残留しにくいので、洗った後に汚れがつきにくく、かなり長い時間、きれいな状態を維持できます。

 我が家のトイレ掃除は、便器をこするのは1カ月に1度程度。それでもピカピカにきれいです。

 また、石けん生活になってから、指先に血がにじむほどひどかった湿疹主婦もなくなり、手荒れもしなくなりました。もちろん、AKSにもなりません。

 「合成洗剤をやめる」と、生活の質が格段に上がりました。洗濯の汚れ落ちや生乾き臭が不満な人は、まず合成洗剤をよく溶かすことから始めてはどうでしょう。これだけでも汚れ落ちがグンとよくなります。

 溶かし込みに慣れたら、ぜひ石けんに移行してみてください。さらにきれいに落ちますよ。

洗濯前に石けんを入れて15分ほど攪拌しておくと格段に洗浄力が上がる。
ちなみに、合成洗剤もこの方法で洗浄力は上がる

 特に、主婦湿疹に悩まされている人は、試しにトロトロ石けんを使ってみることをお勧めします。じゅうぶんな量をしっかり溶かし、たっぷり泡立てた石けんのパワーは、一度知ってしまうと離れられなくなると思います。