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【夜キウイ】で睡眠の質がググッと向上!アンチエイジング効果も!

睡眠の質を高めるフルーツとして「キウイ」が注目されている!

不眠、肥満などは「文明病」が原因

「夜、不安で眠れない」「朝起きても、どこか体調が悪い」「仕事でミスが多い」「以前よりも太ってしまった」

 こういう不調があるとき、多くの人は自分を責めます。「夜、不安で眠れないのは、自分のメンタルが弱いからだ」「仕事でミスが多いのは、自分が不注意だからだ」などです。

 その結果、日ごとに自己を否定する気持ちが強くなり、少しずつ心と体がむしばまれていきます。すると、さらに不調がひどくなっていく。悲惨な悪循環に陥るわけです。

 私はこうした「悪いのは自分だ」という考え方は採用しません。現実的な解決を妨げるばかりか、そもそも、シンプルに仮説として間違っています。

 なぜなら、あなたが抱える問題の大半は、現代人に特有の「文明病」が原因だからです。

 文明病とは、近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状を意味します。

600万年以上も続いた古代の狩猟採集民の生活環境に人の体は最適化されている

 文明病への対処法として有力なのが、「進化医学」の補助線です。これは、進化論をベースにしながら、人間の病気の正体を考えていく学問のこと。ダーウィンが生み出した進化論と最新医学のデータを組み合わせたもので、「ダーウィニアンメディスン」とも呼ばれています。

 最新の研究によれば、現在の人類の基礎が形成されたのは、およそ680~700万年前とされています。現代人と猿人の中間的な存在であるヒト亜科が生まれた時代です。

 そこから人類は少しずつ進化し、1万~2万年前にようやく石器時代から農耕時代に移動します。つまり、人類は600万年以上にわたって狩猟採集生活を続けてきたわけです。

 この壮大なタイムスパンを見れば、人類は進化の過程で、狩猟採集生活の時代の環境に最適化してきたと考えるのが自然でしょう。

 自然の中で獲物を追い、朝が来たら目覚め、夜になったら眠り、少数の仲間と語り合う。ヒトの脳と体は、そんな環境の中で最高のパフォーマンスを発揮するように進化してきたのです。

60年間で1時間も睡眠時間が短くなった!

 その前提に立ったとき、現代において、古代より「少なすぎる」ものはなんでしょうか。それは「睡眠」です。

 現代人の睡眠は、量・質ともに悪化を続けており、2010年の国民生活時間調査では、日本人の平日の睡眠時間は7時間14分でした。これは1960年のデータよりも1時間ほど少ない数字です。

 睡眠不足と体内に起こる炎症との関係を明らかにしたデータもたくさん存在します。カリフォルニア大学が2016年に72件のデータをメタ分析したところ、次の結果が得られました。

●平均の睡眠時間が1日7~9時間 の範囲を逸脱すると、体内の炎症 マーカーが上昇する 

●夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も、体内の炎症は増える

 どうやら現代人にとって最適な睡眠時間は7~9時間で、これより少なすぎても多すぎても体にはダメージが出るようです。

 では、狩猟採集民の睡眠はどうでしょうか。2015年、人類学者のジェローム・シゲール氏は、ナミビアやタンザニアで94人の狩猟採集民に活動量計をつけてもらい、日々の行動と睡眠のパターンを記録し続けました。

 この実験でわかったのは、狩猟採集民たちの睡眠の質の高さです。彼らの睡眠は平均6・9~8・5時間で、この点は日本ほか先進国と差はありません。

 しかし、睡眠のパターンは極めて正確で、日暮れから3時間後には必ず眠り、毎朝7時には自然と目を覚まします。夜中に何度も目が覚めるケースは一例も確認されず、皆一晩で完全に体力を取り戻していました。目が覚めたのに寝床でダラダラしたり、ぼんやりした頭で狩りに出かけたりなどということはなかったのです。

 そもそも彼らが使う言葉の中に、「不眠」や「寝不足」のような単語すら存在しないというのですから、驚くよりほかないでしょう。

夜キウイで睡眠時間が13・1%も延びた!

 私のブログ「パレオな男」では、このような狩猟採集民の生活や、大学や機関などの最新の研究データから、文明病に対処するいろいろな手法をご紹介しています。

 その中で、今、「睡眠の質を高める」ということで、あるフルーツが注目されています。それは「キウイフルーツ」です。

 台湾にある医学大学が、あるおもしろい実験をしています。睡眠障害に悩む84人を対象に、寝る1時間前にキウイを2個食べてもらい、その後リストバンド型の睡眠チェック機をつけてもらって、4週間、睡眠の状態を調べてみました。すると、4週間後、こんな結果が得られたそうです。

●参加者が眠りに入る時間が 35%も早くなった

●トータルの睡眠時間は 13・1%も延びた

●眠った後、目が覚める時間が 28・9%短くなった 

●主観的な睡眠の質は 42・4%も高くなった

 この結果だけ見ると、下手な不眠対策サプリを飲むより、キウイを食べて寝たほうが効果は高いんじゃないか、と感じるレベルです。

 キウイがなぜ睡眠の質を高めるのか。その理由はまだはっきりしていません。

 台北医学大学の研究チームは、「キウイにはセロトニンが多く含まれるから」とか、「キウイの葉酸やフラボノイドのおかげかも」といった説を提唱しています。セロトニンは、メンタルの安定に欠かせないホルモンです。

 葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けるビタミンです。細胞の生産や再生を助ける働きもあります。

 フラボノイドはポリフェノールの一種で、抗酸化作用やデトックス作用、アンチエイジング、ストレス緩和、がんの抑制、血流促進など、さまざまな効果があります。  そのほかにも、キウイは免疫系の改善に寄与する可能性も指摘されています。常食するフルーツのひとつに加えておいても、決して損はないでしょう。