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【C触覚線維】【前腕をなでる】だけで自律神経のバランスが整い脳ストレスをリセットできる!

2020/12/13

快の感情を生む 特殊な神経が発見された

 不安や緊張を感じたとき、親しい人から体をなでられて、気持ちが落ち着いた経験は、誰にでもあるでしょう。また、慣れない場にひとりでいて心細いときに、無意識のうちに腕などをさすっていたこともあるかと思います。

 近年の研究により、肌をなでることが、脳や自律神経にどのような効果をもたらすかということが、次第にわかってきました。

 皮膚は「第二の脳」ともいわれ、触覚や温度感覚など、さまざまな刺激を感知して脳に伝える、人体最大の感覚器官です。

 触覚を感知する神経の末端には、「受容器」という器官がついています。受容器が刺激を受け取り、それを脳に伝えてくれているのです。

 ところが最近になって、受容器を持たずに刺激を受け取っている、特殊な神経が発見されました。

 それが「C触覚線維」です。

 C触覚線維の末端は、毛根にからみつくように伸びており、肌をなでたときに生じる、毛の振動による刺激を、脳に伝えます。

 そのため、C触覚線維は、皮膚の無毛部、つまり、人間でいえば手のひらと足の裏には存在しません。

 C触覚線維が受け取った情報は、脳の広い範囲に伝わります。

 具体的には、呼吸や血圧など生命活動の根幹を司る「脳幹」、自律神経やホルモンの調節を司る「視床下部」、感情に関わる「扁桃体」、情動に関わる「島皮質」などに、C触覚線維から情報が伝えられます。

 これにより、肌に触れられたことに対する、「気持ちいい」「気持ち悪い」という快・不快の感情が生まれます。「触れられているのは自分だ」という自己意識や、触れてきた相手に対する愛着や信頼感も、同時に形成されます。

C触覚線維をなでると自律神経が整う

 C触覚線維には、「ゆっくりと動く刺激にだけ反応する」という特徴があります。

 研究によると、秒速3~10cmの速度で触れたときだけ反応し、それ以下でもそれ以上の速度でも反応しません。

 つまり、C触覚線維は、スキンシップのように肌をゆっくりとなでるような刺激にだけ反応するのです。

 C触覚線維が刺激されることで生じる「心地よい」という快の感情には、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整える効果があることがわかっています。

 また、C触覚線維への刺激は、ストレス解消にもつながります。

 私たちの体は、ストレスを感じると、脳の視床下部から下垂体、副腎皮質の順に反応が起こり、副腎皮質から、ストレスに対抗するためのホルモンが分泌されます。

 しかし、ストレスが強すぎて、ホルモンが過剰に分泌されると、脳や内臓に、悪影響をもたらします。

 そこで有効なのが、C触覚線維への刺激です。C触覚線維への刺激は脳の視床下部に伝わるため、ストレスが打ち消されて、その後のストレス反応を弱めてくれる効果があるのです。

前腕にはC触覚線維が集中している

 ヒトの場合、C触覚線維は前腕に多く存在しているので、乱れた自律神経を整えたり、ストレスを癒したりするときは、「前腕をなでる」とよいでしょう。

 前腕をなでるコツは、心地よさを感じながらなでることです。

 そのためには、1秒間に5cmくらいのゆっくりとした速度でなでること。C触覚繊維は、秒速5cm前後の速さで触れたときにもっとも興奮し、リラックス状態をもたらす副交感神経を優位にすることがわかっています。

 また、手のひら全体を使ってふれることと、軽くさするのではなく、やや圧をかけて触れることもポイントです。

 秒速5㎝と聞くと難しく思われるかもしれませんが、私たちがたいせつな人やペットなどに触れるときは、無意識のうちに、こうしたなで方をしています。

 相手を思いやり、慈愛の気持ちをもって触れると、人は自然と、このゆっくりした速度で触れるようになるのです。

 しかも、これは人間だけに見られる現象ではありません。

 C触覚繊維はほとんどの哺乳類に存在し、親が子の体をなめるときや、仲間同士で毛づくろいをするときも、秒速5cm前後の速さで行うことがわかっています。

 また、スキンシップによって、「オキシトシン」というホルモンが分泌されることもわかっています。

 別名を「絆ホルモン」ともいい、相手との信頼を強めるほか、ストレスホルモンを減少させる効果や、鎮痛効果、導眠作用があるホルモンです。

 現代人の生活環境はストレスが多く、スキンシップも減ってきています。ストレスを感じたときや、たいせつな人を癒してあげたいとき、自分や相手をいたわる気持ちで、ぜひ前腕をなでてみてください。

前腕をなでるコツ

C触覚線維の多い、ひじから手首にかけての前腕の外側を、秒速5cm程度のゆっくりした速度で、手のひら全体を使って、やや圧をかけてやさしくなでる。心をこめて、慈愛の気持ちを持って腕をなでれば、自然とこのスピードになる。素肌を直接なでても、服の上からなでてもOK