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【1秒片づけ】めんどくさいを解消!人気インスタグラマーの「ズボラ専用」お片づけ術

足の踏み場もない部屋に住んでいた

今でこそ整理収納アドバイザーの資格を持つ私ですが、かつては掃除と片づけが大の苦手で、「散らかり放題の家」に住んでいました。

そんな私が提唱するのが「1秒片づけ」です。何しろ1秒で片づけられますので、めんどうくさがりで片づけが苦手な私でも、常に快適な家を維持できています。

動きが最小限に抑えられるように、さまざまな工夫が隠されているakiさんのキッチン


「1秒できれいに片づくはずがない」……そう思っていませんか? しかし、実際にこの手法ならば、1秒で、もしかしたら1秒もかからずに片づくのです。そのやり方を説明する前に、まず私の話をしましょう。

独身時代の私の部屋は、文字通り足の踏み場もないメチャクチャな状態でした。たまに見るに見かねた母が掃除をしてくれるのですが、そうするとどこに何がしまってあるのかがわからなくなり、掃除をしてもらっているにも関わらず、すごく迷惑に思っていました。

これは結婚をして、長男が生まれてからも変わりませんでした。何をするにも「めんどうくさい」が口グセで、せっかく新築の家に住み替えても、家の中が片づいていることはありませんでした。

そんな私を、大きなショックが襲いました。子どもを死産したのです。私は悲しくてつらくて、何もやる気が起きず、外に出ることもほとんどなくなりました。そんな状態ですから、普段から散らかっていた家の中は、さらにグチャグチャになっていったのです。

そんな暮らしが1年ほど続いたある日、ふと散らかったリビングを見て、「明日この床を雑巾がけしてみよう」と思いました。なぜそう思ったのかはわかりません。でも、雑巾がけをして、きれいになった床を見たときに、気持ちがスーッと軽くなったのを感じました。

雑巾がけをしている間、掃除に意識が集中するので、悲しみやつらさを忘れている自分に気がつきました。これを毎日続けているうちに、いつの間にか家の中はスッキリ片づいていました。そして私の心も立ち直っていたのです。

家からイライラを徹底的に排除した

こうして家はきれいに片づいたのですが、私のめんどうくさがりな性格が変わったわけではありません。

育休の明けた私は、子どもたちを保育園に預けて職場に復帰しました。しかし、子育てをしながら、仕事や家事もこなすのはたいへんでした。家の中での忙しさに、イライラすることが増えていきました。

そこで私は考えました。
「なぜこんなにイライラするの?」
「それはどうしたら解消できるのだろう」

すると、家事には私の大嫌いな「めんどうなこと」「嫌なこと」がたくさんあって、これをなくせばいい、と気づいたのです。

私が特にめんどうだと感じていることはなんだろうと掘り下げてみると、「ものを取り出す」「しまう」といった収納に関することがほとんどでした。そこで徹底的に「イライラすること」「めんどうなこと」「やりたくないこと」を排除する収納法を考えていったのです。これが「1秒片づけ」の始まりです。

例えば、ほこりがたまりそうなところには、あらかじめハンディモップを置いておく。そうするとほこりが気になったときに、いちいちハンディモップを取りに行かず、そこにあるモップでサッと一拭き。1秒で掃除は完了です。

また、以前は掃除機をクローゼットに置いていましたが、これも掃除をするたびに扉を開けて取り出すのがめんどうなので、今はリビングの壁に掛けてあります。

ズボラでしょう?(笑) でも、これが1秒片づけの基本なのです。「めんどうくさい」「イライラする「ストレスになる」、これらを全て解消し、「嫌なことはやらない」。今いる場所から動かず、体の向きを変えるだけ、腕を伸ばしただけで片づけが完了する。徹底的にこれを目指したのが1秒片づけなのです。

生活動線上に使うものを収納する

生活をしていると、家の中の動きというのはほぼ決まっています。その生活動線上に使うものを収納しておくのが、1秒片づけの基本です。

例えば、私の子どもの場合、朝起きて和室からキッチンへ行って歯みがき。ダイニングテーブルについて、勉強と朝食。その後、検温して体温カードに記入。カードをランドセルに入れて、和室で着替え、リビングの収納棚前で靴下を履いて、マスクやハンカチを持つ。そして、ランドセルを背負い、玄関へ。

この動線上に、使うものを収納するのです。勉強道具と文具はテーブル下に保管します。いちいち取りに戻らないためです。体温計と体温カードはテーブルから手が届くアイランドキッチンの側面に収納。ランドセルはリビング側に置き場を確保します。こうすれば、「わざわざ」と「めんどう」の両方を一気になくすことができます。

このような収納を心がけると、全ての動作が楽になりました。それでいて家の中はいつも片づいている状態が保てるようになったのです。

収納に対する考え方を変えただけで、家の中でのストレスがほぼなくなりました。片づけや掃除が楽になると、ストレスが減るだけでなく、時間にゆとりが生まれます。空いた時間を自分の楽しみや家族のために使えるのも1秒片づけの利点です。

家の中でのイライラ、クタクタが激減した!

1秒片づけを実践する今は、家の中でイライラしたり、クタクタに疲れたりすることがほぼなくなりました。逆に、ものをしまう、出すなどの収納で自分がどれほどストレスを受け、疲労をためていたかに驚くくらいです。

おかげで今は、家族みんなが快適な家でとても仲よく暮らせています。子どもに「片づけなさい!」と怒ることもなく、朝もバタバタせず「おはよう! 今日もがんばろうね!」と家族に声かけをして、一日が始まります。

1秒片づけのコツは、イライラの原因を感じたらすぐに一つずつ解決して、自分にとって楽にできる簡単な収納の仕組みを作っていくこと。収納を変えるだけで、「めんどうくさい」がどんどん消えていきます。

1秒片づけの具体的なやり方を紹介していきます。1秒片づけは、マメな人、もともと片づけが大好きな人には向かないかもしれません。ズボラな人、めんどうくさがりの人、片づけになるべく時間をかけたくない人にお勧めです。ぜひ参考にしてください。

誰でもできる「1秒片づけ」4つのステップ

めんどうくさがりやは些細なことがストレスに

ここでは、「1秒片づけ」のやり方を具体的に説明していきます。

前項でもお話しした通り、1秒片づけの基本は、あなたが「めんどうくさい」「嫌だ」と思うことをやらないこと。そのために、以下の4つのステップを踏みながら、1秒片づけを実践してください。

ステップ①
「あーめんどうくさいな」を洗い出す

自分が何を「めんどうくさい」と思っているか、それがわからないといつまでたってもめんどうくさいまま。そうは言っても、すぐにはなかなか思いつかないと思います。
そこで、毎日の生活の中で、「あーめんどうくさい」と思ったら、それをノートに書いていきましょう。

例えば、私の場合、家事の中で最も「めんどうくさい」と思っていたのは洗濯でした。洗剤のフタの開け閉めも、洗剤の量を計量するのも、さらに乾燥機で乾燥した洗濯物をカゴに移すのも、洗濯物をたたむのもめんどうくさくて嫌でした。

ほかにも、浴室では、入浴剤を入れるのがめんどうくさい。リビングでは、子どもたちの「ママ、あれ
取って」がめんどうくさい。書き出してみると、家じゅうが「めんどうくさい」だらけでした。究極のめんどうくさがりやにとっては、些細なことでもストレスになるのです。

何を「めんどうくさい」と思うか、それはあなたにしかわかりません。ですので、「めんどうくさい」を書き出してみる必要があるのです。

ステップ②
「めんどうくさい」の理由を考える

次に、それを「めんどうくさい」と思う理由を考えます。
私の場合、洗剤がこぼれたり、その後を拭いたりするのが嫌で、洗剤のフタの開け閉めがめんどうでした。洗濯物を乾燥機からカゴに移すのは、かがんで立つのを何度も繰り返すのがめんどうでしたし、洗濯物をたたむのは、たたむこと自体もめんどうくさいし、たたむ場所へ移動するのもめんどうくさいと思っていました。

ステップ③
楽できる改善案を考える

それでは、どうしたらその「めんどうくささ」をなくして、自分が楽できるかを考えるのが第3のステップです。

私は、洗剤は容器を押せば自動的に出てくるボトルを使用しています。このボトルは、洗剤を片手で簡単に計量でき、そのまま片手で洗濯機に入れられます。口が広いので、洗剤の詰め替えも簡単。洗剤がこぼれることもありません。

折りたたみタイプのカゴを立ったときにちょうどよい高さに設置したら、乾燥機から洗濯物を取り出すときにかがむ必要がなくなりました。

タオルや下着はたたまずに、乾燥機の背後にある収納ボックスにポイポイとそのまま入れるようにしました。

入浴剤は、「詰め替えそのまま」というポンプを取りつけて浴槽の上につるし、指で押すだけで出るようにしました。

リビングテーブルに座ったままでも手が届く位置に、ティッシュペーパーやウエットティッシュなどを吊るし、食事中、子どもたちに「あれ取ってぇ」と言われても、座ったまま対応できるようにしました。

ステップ④
実際にやってダメなら見直す

これらは1回でうまくいくとは限りません。「めんどうくさい」を解消するために実際にやってみたけどまだめんどうくさい場合、こっちに置いたほうがいいかな、ほかの方法がないかなと考えて改善するのが、第4ステップです。

私も「まだめんどうだな」と感じるたびに何度も改善していって、どんどん便利に、楽になっていきました。

「浮かせる収納」をフル活用する

1秒片づけで役に立つのは、100円ショップで売られているグッズです。
私の場合、先述したようにしまったり出したりの収納がめんどうくさい。そこで、壁や扉に掛けたり、パイプにつるしたり、「浮かせる収納」が多くなり、100円グッズのフックが大活躍するのです。

浮かせると収納が楽なだけでなく、掃除も簡単です。掃除機をかけるたびにゴミ箱やクッションを持ち上げる……という「めんどうくさい」がなくなります。

また、箸はマグネットケースに入れ、キッチンからテーブルに向かう動線上にあるシンクの前に浮かせて収納し、食事の際にはケースごと取り外して持ってきます。ティッシュはキッチン横につるし、リビングテーブルの上には何ものせません。

テーブルの上はいつも何もないので、食事の前にテーブルの上を片づけるという「めんどうくさい」はわが家ではありません。

「捨てるのは嫌」と思ったら嫌なことはやらない

めんどうくさがりやのakiさんはまとめ買い派。日用品は一気に1年分を購入する。なんと約4万3000円分!

意外にめんどうくさいのが、日々消耗する日用品の補充です。私は「そろそろそろなくなるなぁ」というときにわざわざ買いに行くのがめんどうでした。

私の場合、洗剤やソープ、シャンプーなどの日用品は、1年分をまとめて購入しています。こうすることでこまめに在庫チェックすることや「買いに行かなきゃ」となるストレスを軽減させました。
「片づけ」と言うと、「余分なものをため込まない」「不要なものは処分する」という考え方が主流のようです。しかし、私は「そろそろ買いに行かなきゃ」と感じるストレスのほうが嫌なので、スペースがあるのなら、なるべくストックしておくほうです。

キッチン下段の収納にまとめ買いした日用品を保管する

「捨てる」と言われても、「捨てるのは嫌だな」と思う人が多いのではないでしょうか? 「捨てるのが嫌」なら「嫌なことはやらない」、それが1秒片づけの基本です。なので、「これはとっておきたい」と思うものは捨てずに保管しています。

できることなら、4つのステップを踏んで、あなたが快適に過ごせる1秒片づけを編み出してほしいのですが、何がめんどうくさいかわからないという人は、まず収納を浮かせてみませんか?

ものはよく使う場所のそばで浮かせる、あるいは後づけの引き出しに収納する。これをしてみるだけでも片づけのストレスがかなり軽減されるはずです。

少しずつ慣れてくると、家の中の「めんどうくさい」をなくすことが楽しくなってきます。そうなると片づけで悩むことはなくなり、家の中がどんどん快適になるのです。

この記事は『ゆほびか』2022年12月号に掲載されています。