「硬い」ということは滞っているということ
誰もが簡単にできて気持ちがよく、さまざまな効果が得られる健康法の1つ、「耳の穴もみ」。
ご紹介くださるのは、聖隷沼津病院内科医長・伊豆楢の森診療所所長の三井康利先生です。
先生は、こう語ります。
「試しに、耳の穴に小指を入れて、前・後ろ・上・下・斜め……と、360度まんべんなく押してみてください。1カ所につき10〜15秒ずつ、じんわり押すと、とても気持ちがいいと思います。
やった後は、頭や顔周りがスッキリとして、耳も柔らかくなっているのがわかるでしょう。
この「気持ちいい」「柔らかい」というのが、実は健康のキーワードです。「硬い」ということは、滞っているということ。
健康であるためには、体のどの部位も柔らかくしておくのが理想です。体や臓器までもが柔らかければ、頭や心もほぐれやすくなります」(三井康利先生)
そう語る三井先生ですが、以前は決して理想的な体調ではなかったそうです。
「以前は、医師だというのに食べ過ぎ、飲み過ぎの生活で不摂生ばかりして、体は全身ガチガチに硬くて、かなり不健康でした。
当時はとにかく動くのがおっくうで、アレルギー性鼻炎もひどく、いつも鼻がつまっていました。
また、ストレスがたまると不整脈が出たり、夜、なかなか眠れなかったりしたこともありました」(三井康利先生)
それが、ヨガを始めたところ、あれよあれよという間に体調がよくなり、11キログラム、ストンとやせたそうです。
「あるとき、鼻炎で鼻がズルズルしていたのですが、ヨガの先生に誘導されて”耳の穴もみ”をやったところ、途端に鼻がスーッと通ってスッキリしたのです」(三井康利先生)
この経験から、三井先生は多くの患者さんに「耳の穴もみ」を紹介するようになりました。
そして、耳の穴もみで具体的にどのような変化があったか、患者さんに調査したのです。
降圧剤に頼ることなく血圧が正常値になった!
すると、なかでも目を見張る結果となったのが、血圧を下げる効果でした。30数名中5人ものかたに、顕著な降圧効果が得られたのです。
例えば、70代の女性は、170ミリあった最大血圧が、耳の穴もみを始めて1カ月で下がり出し、けっきょく、降圧剤にまったく頼ることなく130ミリ台になりました(基準値は140ミリ未満)。
そんなすごい効果のある「耳の穴もみ」ですが、やり方は超簡単。
○「耳の穴もみ」のやり方
①耳の穴の前にある硬い出っ張りの内側に、親指の腹を当て、奥まで入れる
②耳の穴を押し広げるように、じんわりと圧を10秒かける
③少し指をずらして、まんべんなく耳の穴の周囲に圧をかける
④次に、耳の穴に小指を入れ、同様に2~3を行う
⑤仕上げに、耳の根元を親指と人さし指でつまみ、ゆっくり後ろに10回回す
なお、耳の穴の皮膚はとてもデリケートです。行う前は必ず爪を短く切り、皮膚を傷つけないよう、強い圧をかけて刺激するのは厳禁とのこと。
優しく、じんわりと圧をかけて「気持ちがよい」刺激を味わってくださいね。
現在発売中の『ゆほびか』2021年12月号では、この「耳の穴もみ」について写真とともに詳しくご紹介。より効果を得るためのコツも伝授します。
いつでもどこでもできて、簡単で気持ちイイ「耳の穴もみ」。ぜひ誌面をご覧になって、実践してみてくださいね。
『ゆほびか』2021年12月号では、このほかにも、自律神経が整い免疫力が上がる「耳もみ」術を満載しています。