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【3日やって1日休むダイエット法】最小の努力で挫折なし!OFFの日は好きなものを食べてOK

意志の力だけでは困難!挫折しない仕組みが大事

私は7年前に整骨院を開業しました。日々、患者さんと接する中でわかったのが、「主治医から体重を落とすよう言われているが、なかなかやせない」と、ダイエットに苦労している人が非常に多いことです。

そこで、治療の一環として、ダイエット指導を始めました。

最新のダイエット知識や医学情報を学び、理論的に正しいダイエットを指導しましたが、最初のうちはなかなか成果が出ませんでした。

太っている人の多くは、もともと食べることが好きで、運動が嫌いです。「やせるためには○○しなければいけない」と頭ではわかっていても、できないし、続かないのです。

誰しも、おいしいものが目の前にあれば、食べてしまうのは当然です。我慢する、努力するという意志の力だけでダイエットを継続するのは困難です。

そこで私は、最小の努力で最大の効果が出る方法、挫折せず、つらくなく、気づいたらやせているようなダイエット方法を開発しました。

3カ月で平均5㎏減、96・6‌%の人が3㎏以上やせたダイエット法

それが、今回ご紹介する「3日やって1日休む」ダイエットです。

このダイエット法には、厳しい食事制限や運動はありません。3日間ダイエットをがんばったら、翌日は1日休む。OFFの日は好きなものを食べていい。その繰り返しで徐々に体重が落ちていき、3カ月後には、太らない食習慣が自然と身につくような仕組みを考えました。

そして、2020年から、90日間のオンライン・ダイエットプログラムとして指導を始めたところ、参加者の100%がダイエットに成功。3カ月で平均5㎏減、3㎏以上やせた人に限ると、成功率は96・6%です。しかも、挫折した人は一人もおらず、今のところリバウンドしたかたもゼロです。

まず、どうやって8時間以内に収めるかを考える

ダイエットをがんばるONの日には、ルールがあります。それは、「1日のうち、食べる時間を8時間以内に収めること」です。

やせられない人には「1日のうち、食べ物が胃袋に入っている時間が長い」という共通点があります。胃や腸の中にずっと食べ物が入っていると、内臓が疲弊して消化が悪くなるうえ、インスリンの過剰分泌を招き、脂肪をため込みやすくなるのです。

反対に、食べる時間を短くすると、内臓がリセットされて「やせスイッチ」が入ることがわかっています。基本的に、最後の食事から10時間ほど経つと、肝臓に蓄えられた糖がなくなり、代わりのエネルギー源として脂肪が分解されていきます。

そして、16時間を超えると「オートファジー」が発動します。これは、細胞内の古くなったたんぱく質が新しく作り替えられる機能のことで、オートファジーが発動すると、体内の不要なものや老廃物が一掃され、全身の細胞が活性化します。そのため、美肌や免疫力アップ、病気の予防などの効果が期待できます。

つまり、食べる時間を8時間以内に収めれば、オートファジーが働き、ダイエット+健康・若返り効果を得られるということになります。

では、実際にどのように実行するか。上に3つのパターンを紹介しました。「食べない時間」が長くて空腹がつらい場合は、液体食ならとってもOKです。粉末プロテインを水に溶かしたものや、野菜と果物、水をミキサーにかけて作ったスムージーなどがお勧めです。

食べる時間を8時間以内に収めるのが難しければ、最初は10時間以内を目標に始めてみましょう。最初から完璧にやろうとするとストレスになり、続けていくのが難しくなります。今の自分に、できる範囲でかまいません。自分の生活時間に応じて、どうすれば食事時間を8時間以内に近づけられるか、いろいろと試しながら、自分に合った方法を見つけていただきたいと思います。

3日間は健康のために体が必要とする食事

私は、健康のために体が必要とする食事を「ベース食」と呼んでいます。ダイエットをがんばるONの日は、体が欲する「必要なもの」を食べるのが基本です。

「体に必要な食事(ベース食)」とは、簡単にいうと和食です。栄養素は互いに作用し合って働くため、一汁三菜でいろいろな食材をバランスよく摂取することがたいせつです。

特に積極的にとりたい食材が、「マゴワヤサシイコ」です。これらは、日本人が伝統的に食べてきた食材であり、糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維など体に必要な栄養素がしっかり含まれており、太りにくい食べ物でもあります。

「マゴワヤサシイコ」を中心に、発酵食を取り入れることで、体はより快調になります。一般的なダイエットでは目の敵にされがちな白米も、茶わん1杯程度であれば、毎食とってOK。代謝が高まるため、ダイエット効率が上がるのはもちろん、脳の調子もよくなります。

洋食や中華など和食以外の料理を食べてもかまいませんが、脂っこい料理はなるべく避けて、「低糖質・高たんぱく質」を意識してメニューを選ぶようにしましょう。

なお、朝食代わりや間食にプロテインやスムージーを飲む場合は、プロテインは粉末を水に溶かしたもの、スムージーは野菜と果物、水だけで手作りしたものをとってください。市販のプロテインバーやスムージーは、砂糖を大量に含んでいるものが多く、かえって逆効果になる可能性があります。

NG食品は「最凶に太る食べ物」

反対に、ONの日に食べてはいけない「NG食品」があります。それは「糖質の多い食べ物」「脂っこい食べ物」「糖質×脂質の掛け合わせの食べ物」です。

NG食品には、二つの問題があります。

第一の問題点は、「最凶に太る食べ物」であること。糖質が多い食べ物は、血糖値を急上昇させます。すると、細胞に糖を取り込むインスリンが大量に分泌され、脂肪を蓄積しやすくなります。そして、インスリンの作用で血糖値が急降下すると、強い空腹感を覚え、また食べすぎてしまうという悪循環に陥ります。

第二に、NG食品に代表される高カロリーで高糖質・高脂質の食品は、体が求めている食事ではなく、それを食べたことによって「脳が幸せを感じる食べ物」です。脳が欲する「食べたいもの」ではあるけれど、必要な栄養素は満たされません。私たちは必要な栄養素が体に満たされていないと感じると、満腹感が得られず、必要以上に食べてしまいます。

上の図に、NG食品の代表例を10品、紹介しました。これらはダイエットを休むOFFの日に食べる「娯楽食」と考えましょう。

3日間がんばったら、その翌日はお休みです。ダイエットのことは気にせずに、1食は何でも好きなものをご褒美として食べます。ONの3日間にNG食品を控えるだけで、太る連鎖を断ち切り、体をやせモードに導くことができます。

NG食品を食べたくなったら「抜け道」を利用する

NG食品のリストを見て、「O FFの日にしか食べられないなんて無理!」と思っても、大丈夫。ちゃんと「抜け道」が用意されています。NG食品が食べたくてたまらないときは、我慢せずに抜け道を通ってください。

例えば、チョコレートが猛烈に食べたくなったら、カカオ高濃度のものを食べましょう。甘いものが欲しくなったら、飴を1粒口にしたり、自然な甘みのある栗や芋、かぼちゃなどを食べると、欲求が収まります。間食をしたくなったら、干し芋や茎わかめ、ミックスナッツがお勧め。ヘルシーで食べごたえがあるので、ゆっくり噛んで食べるようにしていると、食欲が落ち着きます。

ダイエットを続けるうちに食欲や味覚が正常化し、体によいものを適量食べる食習慣が自然と身についていきますから、最初のうちは無理せず抜け道を大いに利用しましょう。

この記事は『ゆほびか』2022年8月号に掲載されています。