治療家も知らない独自のツボ!
私の整体治療院では、30種類以上もの施術法を駆使して、一人ひとり違う患者さんの体の状態や症状に最も適した施術を行うとともに、自分で不調を改善・予防できるセルフケアの方法をお伝えしています。
その一つが、左の太ももにある糖尿病の特効ツボ「糖尿穴」を刺激することです。
糖尿穴は、WHO(世界保健機関)が認定した361種のツボや、一般的な鍼灸治療で用いるツボには含まれておらず、治療家の間でもほとんど知られていません。
というのも、糖尿穴は「高野流圧診療法」独自のツボだからです。
高野流圧診療法は、1950年代に島根県の治療家・高野豊行氏が考案した、内臓疾患の診断・治療法です。
専門書や一般向けの本として残っていますが、手技の肝腎のところは秘術とされており、高野氏から直接教わった人以外はわかりません。
幸いに私は、その一人。高野流圧診療法を正しく使える治療家は、今では私しかいないと思います。
高野流圧診療法の特徴は、太ももからひざ下までの下肢に、腹部の内臓と対応するツボ(圧診帯)が存在することを見出した点にあります。
高血糖や糖尿病の人は、左太もも中央にある糖尿穴を押すと痛みがあり、ここを刺激することで高血糖が改善していく……といった具合に、病気の診断と治療のどちらにも応用できます。
これは、セルフケア方法としても非常に有用です。
太ももは、自分の両手で簡単に押したりもんだりでき、衣服の上からツボ刺激を行っても効果が得られます。しかも、血糖値は食事の後に上昇しますから、食事のたびに自分で糖尿穴を刺激すれば、食後の血糖値の上昇を緩やかに抑えることができるわけです。
そこで、糖尿病の人や、血糖値が高めで気になっている患者さんたちに、糖尿穴を自分で押して刺激する方法をお教えしたところ、目覚ましい効果が続出したのです。
血糖値が下がる秘穴「糖尿穴」
糖尿穴の位置
糖尿穴の刺激法
糖尿病患者の血糖値が下がった!
例えば、ある50代の男性は、糖尿穴を刺激してわずか一晩で、140mg/㎗あった血糖値が1 00mg/㎗ に下がりました(正常値は110mg/㎗未満)。
また、糖尿病と診断されながら10年間も放置してしまった70代の女性は、薬を飲んでも500mg/㎗あった血糖値が、1週間で240mg/㎗になりました。
さらに、糖尿穴の効果を調べるため、私の治療院にいらしている糖尿病の患者さん10人(60~70代)に協力してもらい、糖尿穴を1週間、毎日3回刺激する実験を行ったことがあります。
すると、10人全員の血糖値が下がり、同時に糖尿病に特有の体のだるさが改善されたのです。「体調がよくなった」という声も多数得られ、高い効果が確認できました。
糖尿穴は、高血糖のほか、体の左側に痛みや不調のある人にも効果的です。
腰の左側に出る腰痛、左脚の坐骨神経痛(お尻~太ももの裏側から、つま先にかけて現れる鋭い痛み)、左の股関節の痛みや動かしにくさといった症状のある人は、糖尿穴の刺激が有効です。
糖尿穴は、血糖値が高い人ほど、押すと強い痛みを感じます。体の左側に痛みやしびれなどの症状がある人も同様に、押すと痛みを感じますが、日常的に糖尿穴を刺激することで、症状が軽くなっていきます。
大腸・肝臓・胃・腎臓にも秘穴が効く!
高野流圧診療法には、糖尿穴のほかにもセルフケアに役立つツボがたくさんあります。私のこれまでの治療経験では、大腸、肝臓、胃、腎臓のツボが特に効果的だったので、併せて紹介しておきましょう。
大腸・肝臓・胃・腎臓に効く!
脚の秘穴の押し方
まずは、大腸です。左右の太もも内側にあり、便秘の人にお勧めです。朝の排便を促すために、起床後や朝食後にツボを刺激するとよいでしょう。
太もも内側のゾーンには、下腹部、大腸、小腸、十二指腸などに対応するツボが並んでいるので、太もも内側全体の広い範囲を指の腹で少し強めにさすってもよいです。
大腸の秘穴の押し方
左ひざ上の内側にある胃のツボは、胃液の分泌を調整し、胃の調子が悪いときに刺激すると、その場で楽になります。下痢の人にもお勧めです。
右ひざ上の内側にある肝臓のツボは肝機能を高め、実際に肝機能の検査数値のGOTやGTPが改善した人も少なくありません。私はお酒を飲むとき、肝臓のツボを押しながら飲んでいます。
肝臓と胃の秘穴の押し方
両ひざ内側から約2㎝下にある腎臓のツボは、むくみの改善に有効です。下肢の血液やリンパの流れがよくなるので、足が軽くなります。
これらのツボを刺激することで内臓の働きが全般的によくなるので、試してみてください。