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【シワ・タルミを解消】頭のコリを取るマッサージで若返る「村木式頭ほぐし」のやり方

たるみ解消には頭のこりをとるのが必須

顔が老けて見えるのは、単に年齢のせいではありません。「顔のたるみ」が原因です。頬のたるみや目元のシワ、ほうれい線、フェイスラインのもたつき……これらが老け顔を作るのです。

そして、たるみの原因もまた、加齢による皮膚の衰えだけではありません。もちろん、肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンの減少や、紫外線などもたるみの原因になります。しかし、これらよりもっと大きな問題があります。

それは「頭のこり」。頭の筋肉が硬くこっていると、顔のたるみは改善されないのです。なぜなら、頭と顔の筋肉はつながっているから。頭の筋肉がこり固まっていると、顔の筋肉を持ち上げられなくなります。その結果、顔の筋肉は引き下がり、たるみやシワ、ほうれい線が深くなるといったことが連鎖的に起きてくるのです。

つまり、シワやたるみのない若々しい顔でいるためには、頭のこりをとることが必須となるわけです。私のこれまでの施術経験では、顔のたるみに悩んでいるかたはほとんど全員、頭にこりがあります。

頭のこりの厄介な点は、肩や首のこりと違って自覚がないこと。試しに、握りこぶしの平らな面をこめかみの上あたりに押し当てて、小さな円を描くようにもんでみてください。異様に硬かったり、痛みがあったりした場合は、頭がこっているサインです。

70代や80代でも顔の若返り効果を実感

頭のこりをほぐすためにぜひ実践していただきたいのが、頭と額の筋肉をほぐす「頭ほぐし」です。

私のサロンでは、フェイスケアに加えて、私が考案した頭ほぐしを取り入れて、70代、80代のかたにまで顔の若返りを実感してもらえるほどの大きな効果を上げています。

頭ほぐしが一般的なヘッドマッサージと異なるのは、筋肉に直接アプローチする点です。筋肉の奥からほぐし、弾力を取り戻すだけでなく、ふだん使われていない筋肉にも刺激を与えます。また、筋肉が柔らかくなることで、血液やリンパの滞りも解消するので、肌の状態も向上してきます。

頭ほぐしでは、頭の前部から額にかけての前頭筋や、耳の上にある側頭筋、後頭部の後頭筋、頭頂部を覆う帽状腱膜を主にほぐします。前述のように、筋肉はつながっていますから、頭の筋肉をほぐしてこりをとるだけで、顔の筋肉もほぐれ、たるみが解消していきます。

頭ほぐしの効果を最も実感しているのは、私自身かもしれません。

20代の頃の私は、とにかく顔が大きいのが悩みでした。中学時代からニキビもひどく、むくみやすい体質も相まって、顔がパンパンに張っていたのです。「やせれば顔も小さくなる」と思い込み、無理な食事制限から拒食症寸前になったこともありました。

しかし、美容業界に入り、さまざまな経験と研究を経て、硬直した筋肉をほぐして緩めるアプローチを発見してから、顔がむくむことはなくなりました。肌の状態も20代の頃より今のほうがずっといいです。


頭ほぐしは、一人でも簡単にできます。そして、老若男女、誰にでも効果があります。最近は、男性のかたもサロンにいらっしゃるようになり、皆さん、頭ほぐしの効果に感動されています。


また、頭ほぐしで筋肉が弾力を取り戻すことで、たるみの少ない、若々しい状態を長くキープすることができます。

スマホを見続けると頭がこる

頭の筋肉のこりは、日常生活の習慣や姿勢など、体の使い方の「クセ」が大きな原因です。

例えば、パソコンやスマホをよく使う人は、前傾姿勢なうえにあごを引いて下を向き、首が前に出ています。さらにデスクにひじをつく、背中が丸まっている、左右どちらかに傾いて座っているという人も多いと思います。

こうした習慣的な筋肉の使い方が「頭がこるクセ」になっているのです。このような人は、頭だけでなく首や肩もこり、背中もパンパンに張っているのが特徴です。

また、「近くを見る」という行為は、後頭筋を緊張させます。パソコンやスマホの画面をジッと凝視していると、後頭筋が緊張した状態が続きます。

重いダンベルを持ち上げたとき、腕の筋肉がプルプルと震えている状態を想像してください。スマホを見続けるという行為は、それほどの負荷を後頭筋にかけているのと同じなのです。

口周辺のマスクたるみにも効く

コロナ禍も新たな顔の悩みを生んでいます。それは「マスクたるみ」です。マスクをするのがあたりまえの日常は、実はあらゆるところに老け顔になるリスクがひそんでいます。「コロナ禍に入って顔が老けた気がする」「久しぶりに会ったあの人、なんだか老けたような……」というのは、ただの気のせいとも言えないのです。

マスクたるみが起こる大きな原因が「呼吸」です。マスクをすると息苦しいので、口呼吸になり、口が半開きになります。この状態が続くと、口周りの筋肉がたるんでしまうのです。また、口が開いた状態では舌が落ちるため、フェイスラインももたついた感じにもなります。

それだけではありません。密着しているマスクの上部が顔の中央を圧迫するため、その周辺の筋肉が使われにくくなり、顔の下半分の筋肉も上がりにくい状態になります。つまり、マスクが表情筋の動きを止めてしまっているのです。

口の周りの筋肉がたるむと、ほうれい線やマリオネットライン(※)が目立つ原因になります。

※頬のたるみがあごまでつながり人形の口周りのようになること

コロナ禍による外出自粛やテレワークの普及も、顔の老化を促進させます。人に会わないと会話がなく、表情も変化がありません。表情筋を動かす機会が激減するのです。

会社でも電車でも、私たちは周囲に人がいると、なんとなく見られていることを意識して、口角が上がりぎみになります。これは、自然と顔の筋トレをしている状態です。

しかし、家の中で誰にも見られていないと、自然と顔が緩みます。緊張感がないことで、口周りの筋肉がたるみやすくなるのです。

シャンプーの時間に30秒行うだけでOK!

もう一つ、顔の老化の要因で気をつけておきたいのが「食いしばり」です。食いしばりのクセは、頭と顔の筋肉を硬く硬直させます。

深刻なのは、就寝中の食いしばりです。寝ているときに食いしばる力は、歯が欠けることもあるほど大きいそうです。目覚めたときに首や肩がこっているという人は、食いしばりがあるのかもしれません。

食いしばりの根本治療には、歯科医によるマウスピース治療などの対策が必要です。しかし、頭ほぐしを行うことで、食いしばりによる頭や顔のこりもほぐすことができます。

頭ほぐしで頭のこりをとることは、美容面以外でもプラス効果があります。

施術を受けたかたの話でよく聞くのは、「仕事の集中力が上がった」「気持ちが前向きになった」という声です。頭がこっていると思考力や集中力が落ち、仕事の効率が悪くなります。目も疲れやすくなるので、なおさらそう感じるのでしょう。

頭のこりがほぐれると、頭がスッキリして思考力が上がります。そうすると、仕事の効率が上がり、おまけに顔も若返るので、どんどん気持ちも前向きになっていくわけです。

また、「よく眠れるようになった」というかたも多いです。頭のこりがとれることで睡眠の質も向上するのでしょう。

次の項より、たるみ、シワ、ほうれい線、エラ張りに効く頭ほぐしを紹介していきます。毎日全部行う必要はありません。気になるたるみに効く頭ほぐしを行ってください。毎日のシャンプーの時間に30秒行うだけでも効果は出てきます。10年後、今より若々しい顔になるためにぜひ頭ほぐしを習慣にしてください。

村木式「頭ほぐし」のやり方

額のシワ・まぶたのたるみに効く「前頭筋ほぐし」

①こぶしをつくり、第一関節と第二関節の間の平らな面を生え際に当てる。キュッと皮膚を持ち上げてから、小さく円を描いてほぐす。歯を食いしばらないように、口を半開きにして行う

②生え際に沿って①の動作を行いながら、少しずつこめかみに移動していく。1カ所につき5回ほど、小さな円を描きグリグリと刺激を与える。頭蓋骨から筋肉をはがすイメージで

ほうれい線・ブルドッグラインに効く「側頭筋ほぐし」

①親指をこめかみのへこんだ部分に引っかけ、手首を返して残りの指を後頭部に固定する。両手で頭の下部を挟み、親指に力を入れグッと頭を持ち上げるように引っ張る

②親指で頭を斜め上にグッと引っ張ったまま、「あむあむ」と大きく口を開閉する。まっすぐ前を向いたまま行う

③の位置を写真の5カ所に替えていき、①〜②を同様に行う

まぶた・目元のたるみに効く「頭頂部と目の周りほぐし」

テーブルにひじをつき、両手の人さし指の背を眉頭に当て、頭の重みで圧をかける。「うんうん」と縦に、「いやいや」と横に首を小さく振り、刺激を与える。眉の中心、眉尻と位置をずらして、同様に行う

指を広げて頭頂部に置き、指の腹を小さく動かしながら、後頭部に向かって頭皮を耕すようにほぐす。中央から耳に向かって、少しずつ移動しながら全体をほぐす

フェイスラインのたるみに効く「後頭筋ほぐし」

①こぶしの平らな面を耳の後ろに当てる。頭蓋骨を感じるくらい圧をかけ、小刻みに動かしながら、上から下へ向かって1〜2㎜ずつ筋肉のこりをほぐす

②位置をずらしながら後頭部をまんべんなくほぐす。頭と首の境はこりが強くなりやすい場所なので、特に丁寧に

ほおのこけに効く「帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)ほぐし」

①手を軽く握り、平らな面を側頭部に当て、生え際から耳後ろまでほぐす。骨から筋肉をはがすようなイメージで小さく動かす

②頭頂部の帽状腱膜と側頭筋の付着部にあたるハチは特にこりやすい。こぶしの平らな面を当て、小刻みに動かしながらほぐす。痛気持ちいいくらいの圧で行う

後頭筋と首ほぐし「後頭筋と首ほぐし」

①こぶしの平らな面を耳後ろの後頭筋に当てる。横方向に走る後頭筋に対し、こぶしを縦に当て、骨をほぐすように圧をかける

②1カ所につき5回スライドさせ、頭と首のつけ根にある僧帽筋までほぐす

この記事は『ゆほびか』2022年7月号に掲載されています。