水晶で描かれた女神が心にそっと問いかける。どこかで自分自身をだましだまし生きてきた人に届けたい!本当の自分を生きるための、迷いから解き放たれるための、病気に打ち勝つための〝祈り〟のメッセージ。
心のブレーキを外して描くと絵が輝き出した!夢の現実化が加速する「女神の絵」
自然や生命の神秘の中に潜む深いメッセージを絵で表現したい—そんな思いで私が描き続けている一連の作品が、ここでご紹介する「クリスタル女神の絵」です。
私はもともと日本画、仏画(仏の姿や仏教に関する事柄を描いた絵)を専門にしています。そう聞いて、皆さんの頭に思い浮かぶ絵と、「クリスタル女神の絵」は少しイメージが違うかもしれませんね。
実は、私にとっても〝新たな扉〟を開いたことで、これらの作品が生まれました。そして、これらの作品を描くようになってから、不思議なほどに人とのつながりの輪が広がり、すてきな出来事が次々に起こったのです。
日本画になじみのなかったかたにも見てもらう機会が増え、作品を購入していただくことも増えました。
「絵を飾っているだけで気持ちが明るくなった!」「ラッキーなことがあった!」といった、喜びの声もいただくようになりました。
自然のエネルギーを絵から伝えるために画材を厳選
私は、真にすばらしい芸術は、単に技法に優れているとか、題材が目新しいといったことではなく、作品自体から人の心を揺り動かす力、エネルギーが出ているのだと思います。
私自身、これまでにいろいろな画家の絵に励まされたり、生きる力をもらったりしてきました。
力の源になるのは、まず画家が作品に込めた思いでしょう。私は、自身の作品が、見る人の心の中にある〝輝き〟〝光明〟に気づくきっかけになれば—という思いを込めて、描いています。
もう一つは、自然の持つエネルギーを絵から伝えたいということ。そのために画材を厳選しています。私の絵は、伝統的な日本画の技法で、麻などの和紙に鉱物や植物からできた日本画絵具で彩色しています。
特に「白」の輝きを大事にしていて、クリスタル(水晶)を粉にした岩絵具を用いるのが特徴の一つです。
こうした自然のエネルギーに満ちあふれた素材を使い、宝石のようにきらめく宇宙のビジョンを描いたのが「クリスタル女神の絵」です。
自然の中に特別な存在を感じていた
なぜ、こうした絵を描き始めたのか、過去を振り返りながら、お話ししましょう。
私は幼少期から、自然の中に特別な存在がいると感じていました。例えば、お花やきれいな石を眺めているとき、私はそこに〝女神〟や〝精霊〟の姿を見ていたのです。
ですから、お花を見ながら、女神様のきれいなお顔も絵に描いている—そんな子ども時代でした。
10代の頃に日本画の美しさに惹かれ、美大に入って学び、その後は主に日本画壇に作品を発表し、いくつかの賞もいただきました。また、父が仏像彫刻をやっていたこともあり、20年ほど前から仏画を描くようにもなりました。
こうして、ずっと絵を描き続けてきましたが、いつしか「自分の思うように描けていない」と感じるようになっていたのです。
例えば、私が師事した仏画の流派では「仏様の目の幅はこうでなければいけない」などの厳しい制約がありました。でも、奈良時代の仏画を見ると、そんな決まりはなく、もっと自由に描かれているのです。
また、私はもともとカラフルな色づかいが大好きなのに、日本画の伝統を意識するあまりに「カラフルに描いてはいけない」と思い込んだ時期もありました。
その頃のことを振り返ると、かつては「自分の中の女性性を抑えたほうがいい」と感じていたような気がします。
創作に限らず、社会の中で生きるに当たり、「女だから」とか「女なのに」と思われないように、無意識に肩ひじを張っていたのかもしれません。
ですが、結婚して出産し、子どもを育てる過程で、自らの女性性を改めて見つめることになりました。
また、すてきな先生に出会い、ベリーダンスを始めたことも「女性の美しさ」を見つめ直すきっかけになりました。こうした体験が、女性である自分自身を肯定することにもつながっていきました。
そうした中でふと、子どもの頃に身近に感じていた〝女神様〟をモチーフにした絵を描こうと思ったのです。それは私にとって、「女性性の開花」というテーマの追求でもありました。
自然が伝えてくれた大事なメッセージ
また、10年くらい前に屋久島に行ったのも、きっかけの一つです。原生林の中を歩き、手つかずの自然の美しさに衝撃を受けました。
「自然はあるがままで、こんなにも美しい。もしかして、人間がいないほうが地球にとってよいのでは?」と、悲しい気持ちにさえなりました。
でも、地球上に私たち人間が存在することにも、きっと意味があるはず。自然の中で、人間にだけ備わっているよい点はなんだろうかと、考えを巡らせるうち、ふと「祈り」や「創造力」が思い浮かびました。
自分がこう変わったら?この世界がこう変わったら?
未来を思い描き、変えようとする力は、人間だけが持つものです。どんな思いを抱くかによって、私たちは地球をよくすることも、悪くすることもできます。
私たちは、すてきなビジョンを自ら思い描き、さらに、ほかの人と分かち合うことができます。実は、芸術もその手段にほかなりません。
「祈り」を通じて心の中の宇宙とつながる
また、私たちは肉体を持って宇宙や自然の中に存在するけれど、私たちの心の中にも宇宙がある。そう感じました。「祈り」を通じて、心の中の宇宙とつながれるのです。
屋久島の自然の中でそんなことを考えたのが、創作のインスピレーションになっていきました。
こうして少しずつ自分の中で変化が起こり、5年くらい前から女神様をモチーフにした絵を描き始めました。おもしろいことに、夢の中に「これを絵にしたい!」と感じるビジョンをよく見るようになり、創作意欲も高まりました。
でも、当初は私自身、まだ心にいろいろなブレーキがかかっていたようです。技法についても試行錯誤しましたし、「絵に込めた思いは見る人に伝わるかしら?」と不安になったりもしました。
ですが、しだいにクリスタルの岩絵具がうまく絵にはまるようになり、自分のビジョンもより鮮明になってきたのです。
ここに掲載された作品を見ていただくと、当初の作品よりも近年の作品のほうが、キラキラした〝輝き〟がより増しているように感じられないでしょうか。
望ましいビジョンを現実にしていく力
また最近、絵に込める思いがさらに強くなる出来事がありました。
私が描く女神様は、夢に見たビジョンが元になることもあれば、モデルがいることもあります。モデルになってくれた1人が、音楽家で、私の親友でもあるカフナ・カイさんです。
彼女は昨年、重大な病気になりました。詳しくはご自身が体験談に書かれるでしょうが、彼女と話すうちに、「本当の自分」を生きることからズレると、体や心に不調が生じ、そのことを教えてくれるのではないかと気づかされました。
本当の自分を生きるとは、自分自身の使命や役割に気づき、向き合うこと。私の場合は描くこと、彼女の場合は歌うことだと思います。
なにも芸術に関わる人に限った話ではなく、すべての人に一人ひとりの使命や役割があるはずです。それを果たすため、ひたむきに生きるとき、魂の内側から輝きがあふれ出してきます。その輝きこそが、望ましいビジョンを現実にしていくエネルギー。私はそれを絵に描き、伝えたいのです。
皆さんもぜひ「クリスタル女神の絵」を眺めながら、ご自身の中の輝きを思い出してください。また、皆さんの心の中の宇宙とつながるためのメッセージカードも付録についているので、ご活用ください。
自らの中にある輝きを思い出すにつれて、きっと、すてきなビジョンが現実のものになるはずです。願いがかなったり、すごく幸運に恵まれるようになったりもするでしょう。
クリスタル女神の絵はどのように描かれている?
女神の部分に水晶を粉砕し粉状にした岩絵具を使っています。岩絵具は、にかわという動物性のメディウム(溶剤)で混ぜて定着させています。描いているときは透明なため、目に見えないものを心で感じる瞑想的な時間です。乾いたときに浮かび上がる天然の水晶そのままの発色と透明感は、ほかにはない純粋さと輝きがあります。(青山)
伝統的な日本画の手法では、石などの鉱物を粉砕した岩絵具が使われます。白い色を出すために、水晶のほかには方解石や貝を粉末にした絵の具などもあります。私は石の持つ純粋性の高さから水晶を使いますが、そのように波動を考慮して描く画家はまだあまりいないようです。(青山)