ゆほびか ゆほびか
  • 文字サイズの変更
  • 大
  • 中
  • 小
  • SNS
  • twitter
  • facebook
  • instagram

【出口王仁三郎】天候をも動かす強烈な言霊が発生!宗教界の巨人が奏上した「神言」とは

出口王仁三郎(1871~1948)
大本教の二代教祖の一人。本名は上田喜三郎。1921年、1935年に不敬罪、治安維持法などで弾圧される。戦後も教団活動を続けたがまもなく死去。宗教界に大きな影響を与えた天才。著書に大著『霊界物語』がある

古神道において今よりも重視されていた大祓詞

 出口王仁三郎(でぐちおにさぶろう)は、戦前に国家から徹底的な弾圧を受けた「大本教」の創始者です。近代の宗教界の巨人であり、第二次世界大戦のゆくえを言い当てるなど、予言者としても大きな注目を浴びました。

 その業績は、語り尽くせないほどに膨大なのですが、ここでは、神道の重要な祝詞である「大祓詞(おおはらえのことば)」と出口王仁三郎ーーというテーマに絞ってお話ししたいと思います。

古代国家の祭りとしての大祓は、武家の勃興によって律令制が形骸化して、早い段階で廃れていきますが、民間レベルでは続けられました。大祓詞による千度祓い、万度祓い(祓い言葉を千回、万回唱える修法)が武士の間でも大いに人気となりました。

伊勢神宮で授かる神宮大麻(お札)は、もともと現地で千度祓いや万度祓いをやってきたという証です。今の神宮大麻には元の意義がなくなってしまっていますが、もともとは大祓に関係しているわけです。

明治以降に国家神道体制になり、長い歴史を持つ大祓詞の一部がカットされ、神仏分離も行われました。

しかし、出口王仁三郎は、国家神道になる前の、自由な民間神道を重視しました。王仁三郎が始めた大本教の本質は、こうした民間の神道、古神道にあります。

また、現代の神社神道では、年末と6月には大祓を行いますが、神主が毎日大祓詞を唱えることはあまりありません。

一方、王仁三郎の流れをくむ神道では、大祓詞は朝晩唱えられています。王仁三郎は、それだけ大祓詞を重視していました。

王仁三郎は、大祓詞のことを「神言(かみごと)」と呼びました。このように呼ぶのは大本教と黒住教ぐらいです。

一般にいう大祓詞は、律令時代に国の宮廷で中臣氏が奏上したものですが、実はもっと前からあったのではないかという説もあり、王仁三郎はそのルーツは高天原(たかまがはら。神様の世界)なのではないかと言っています。

明治時代に神社が国家管理になったことで、各神社に受け継がれていた古い行法がなくなっていきましたが、実践し続けた人もいます。

宮地水位などが有名で、何か祭祀があると、必ず3回、5回、10回と、式次第になくても大祓詞を唱えました。

王仁三郎は言霊を発する術を得ていた

出口王仁三郎がSP盤「神言」の録音をした綾部(京都府)の松雲閣。
小さく写っているのは王仁三郎

王仁三郎の大祓詞に迫力があって人を魅了するのは、言霊(ことだま)の人だからです。

例えば、王仁三郎は合気道の創始者として有名な植芝盛平(うえしばもりへい)の師匠に当たります。植芝盛平は、修行の過程で大正時代に大本教の本部があった綾部(京都府)を訪れました。

当時、大本教の神社を整備している最中でしたが、腕力に自信のある植芝が傍らの岩を動かそうと思ったところ、動きませんでした。王仁三郎が「それは言霊の力で動かすしかない」と言い、言霊を発声したら、たやすく動いたといいます。

植芝はそれに驚いて「言霊の力とはこういうことか」と合気道を始めました。彼は合気道についていろいろな著書を持っていますが、その多くで言霊について語っています。

このように王仁三郎は、言霊を発する術を習得していました。その境地に至るために、言葉の出し方、言葉に秘められた霊的な意味を徹底的に研究したのです。
王仁三郎の言霊の力については、快晴だった山で実験したら嵐が起こり、広がりすぎて止めたとか、たくさんの人の病気を治したなど、枚挙にいとまがありません。

王仁三郎の大祓詞から聴こえてくるもの

出口王仁三郎が吹き込んだ神言(大祓詞)のSP盤。
当時の最新メディアだったレコードに注目した王仁三郎は、
大正、昭和の二度にわたって録音を行った

 王仁三郎の大祓詞を聴いたとき、そこに私たちは、本来の神道をかい間見ることができます。国家神道的なものではなく古神道的なもの、長きにわたって民間で伝えられてきた形の神道です。

 戦争に負けて神道への批判が出てきたとき、王仁三郎は「戦争に負けようと神様は神様だ」と言いました。別に民主主義になったからといって、神様が変わるわけではないのだと。シャーマニズムを抑圧してきた戦後の神道と相反する思想がそこにあります。

王仁三郎の声を聴いた瞬間、霊的に波動がわかる人ならば、その響き、言霊のすごさがしっかりと感じ取れるはずです。

大祓詞は穢れを祓い、自分の執着も流していきます。ぜひ、大祓詞が持つ神秘的な力と、王仁三郎の言霊との相乗効果で、執着を捨ててください。捨てれば、新たなものが入ってきます。エネルギーの流れであるお金もまたしかりです。

 お金つながりで、最後に、王仁三郎の金言をご紹介しましょう。

「金持ちと、金番とは違ふ。金を生かして使ふ人を金持ちと云ふのである。金もいきものであるから、自分をよく活かして使つて呉れる人を喜ぶ。活動さして呉れぬやうな主人に対しては、不平があるから、さういふ所には金が集まらぬ」

出口王仁三郎の祝詞奏上音源から最新技術でノイズを取り除いた10トラックを収録した『出口王仁三郎 言霊 大祓 祝詞 CDブック』(八幡書店)