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【幸せを招く言葉】言霊学の泰斗が勧める日本古来の「やまと言葉」③

●本記事は『ゆほびかGOLD』2020年12月号の記事を再編集したものです。

③心の奥の崇高な想いに気づくことが幸せへの第一歩

ほんとうの意味で「有限と無限を感じる心」を知るには、自分の心の奥底にある「大和魂」に気づくことが必要です。

人間に心と魂があるように、日本の精神にも、やまと心と大和魂が存在します。やまと心は、母性的な精神であり、すべてを大きく包み込む優しさと柔らかさを備えています。

これに対し、大和魂は父性的な強さと崇高な志を持ち、自らの天命に向かって真っすぐに進んでいく力を備えています。

母性的な優しさの中に大和魂という凛とした強さとぶれない軸を持った人が「やまとなでしこ」であり、強さの中に母性的な優しさを持つ人が「やまとおのこ」(日本男児)なのです。

どの人の心にも崇高な想いが存在し、なによりも強く、その人の人生を支えています。自分がほんとうにやりたいこと、みんなや世界のためにできることはなにかを考えてみてください。心の奥にある崇高な想いに気づくことが、幸せに生きるための第一歩です。

やまと言葉を使ったら自分も周りの人も幸せになる

本記事の冒頭(①)で、やまと言葉は漢字の伝来前から存在した言葉と説明しましたが、それは狭い意味での定義です。

真のやまと言葉は、あなたの心の奥底にある崇高な想いを、漢語もカタカナの言葉もすべて使って表現する懐の深さを持ち、万物の命を生かしています。

つまり、やまと心から出てきた日本語すべてがやまと言葉であり、今の私たちが話し、書いている言葉そのものが、やまと言葉なのです。やまと言葉を活用していけば、あなた自身も、周囲の人たちも幸せになれます。そのための具体的な方法を紹介しましょう。

まず、言葉は自分の想いを乗せることができる「心の器」であることを意識して話す言葉を選び、相手に命の輝きを観て、自分の心を伝えるつもりで相手に話すこと。同じ「ありがとう」でも、声の調子ひとつで、相手はうれしかったり、そうでもなかったりします。
これは人だけではなく、動植物、水や空気、太陽、月に感謝するときにも当てはめることができます。

相手の想いをくみ取るつもりで会話する

相手を「素晴らしい」といった言葉でほめることもたいせつです。

日本では古来から、その国や土地の魂を愛めでる「国ほめ」神事が行われてきました。
万葉集の歌人も、江戸時代の松まつ尾お芭ば蕉しょうも、訪れた土地で自然や人の美しさをほめる「国ほめ、物ほめ、命ほめ」をしています。言葉でほめる、言こと祝ほぐ文化によって、平和と幸せがもたらされてきたのです。

国ほめの精神は、身近な人に対しても当てはまります。相手の素晴らしさを見出すことは、その人の中に「大いなる存在」、神性・仏性を感じ取ること。その素晴らしさを言葉でほめ讃たたえることで神様とつながり、一体となることができるのです。

話を聞くときの姿勢も大事です。会話中、相手の話に興味がわかず、上の空になるようでは心が通い合う会話は生まれません。

誰かと会話をするときは、心の中で「相手とともにいよう」とつぶやいて、相手の語っている内容の奥にある、崇高な想いをくみ取るつもりで話を聞くようにします。その崇高な想いに気づくと、相手のことを深く理解でき、尊敬が生まれます。

この会話術は、気が合わない人や、相手と意見が対立したときに、ぜひやってみてください。これこそが、言葉の力で平和を実現する「言向け和す(ことむけやわす)」極意だからです。

世界は以前にも増して、不安と混沌の中にあります。こういうときこそ、あなたのやまと心を思い出し、その心を言葉で表現することで、万物の命を活かし、自分と世界に大いなる和と幸せを創り出すことにつながるのです。

(おわり)