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「体内の毒」とは?蓄積レベルがわかるチェックリスト

消化の悪い食べ物は毒素になりやすい

「体内に“毒”がたまる」「デトックス(毒出し)して、健康になろう」などとよく言います。この「毒」とは具体的に何を指すのでしょうか。

 毒とは、簡単に言うと、「体内に残った未消化物」のことを指します。食べた物が消化されず、排泄もされず、体内に残っている状態のものです。これをインドの伝承医学「アーユルヴェーダ」では、「アーマ(毒素)」と呼びます。

 アーユルヴェーダは、5000年もの昔からインドを中心に伝承され、世界中の医療に影響を与えてきました。私自身も西洋医学の医師ですが、長年アーユルヴェーダを研究しています。

 アーユルヴェーダでは、健康を害するものを「毒」と考え、「消化」を「消化・吸収・代謝」の一連の流れで捉えています。

 健康な体は、食べ物を体に取り入れて消化管で消化・分解し、小腸で栄養素を吸収します。吸収された栄養素は代謝によって、エネルギーや体に必要な物質に生成されます。

 しかし、この消化・吸収・代謝が円滑に行われないと、体内に未消化物が蓄積して、栄養素などが通る経路の詰まりを起こします。その詰まった場所に不調や病気が生じると考えるのです。

 体内に未消化物がたまる理由は、実にさまざまです。消化力が低下している場合もありますし、食べ物がその人に合わないということもあります。

 食べ合わせの問題もあります。また、消化には、生活習慣や環境、精神的なものも影響します。

 アーユルヴェーダでは、「重い」ものは消化が悪いとされています。

 例えば、発酵食品。日本には多くの発酵食品がありますが、インドでは消化に悪いとされるため、発酵食品はあまり食べられません。乳加工品や豆腐などの発酵食品は、消化力が落ちている人には向きません。

 ほかにも新米がそうです。日本では収穫期になると新米がよく食べられますが、新米は「重い」ため、インドでは数年寝かせた古米のほうが価格が高く、人気もあります。

 長時間煮込んだものも消化に悪いと言われます。なので、インドのカレーは日本のように長時間煮込まないのです。

 そのほか、白砂糖や小麦粉などの精製食品、牛肉、豚肉などが「重い」食べ物に入ります。

毒を食べると脈拍が上がる

 逆に、消化によい「軽い」食べ物は、古米や鶏肉、適度に油を含んだ温かいものなどになります。少量の油でサッと炒めた野菜炒めなどは、消化力が落ちているときには、特にお勧めです。

 また、消化力を上げる食べ物もあります。例えば、生ショウガは消化を助ける食べ物です。豆腐に生ショウガを合わせて食べることがありますが、あれは「重い」豆腐の消化を生ショウガが助ける、理にかなった食べ方です。

 そのほか、塩(岩塩)、レモン汁、白湯なども消化を補ってくれる食べ物です。

 ただし、100人いれば、100通りの治療法がある、というのがアーユルヴェーダの考え方です。

 「重い」とされるものでも、体質によってさほど苦手でない人もいれば、食べると体調が悪くなる、という人もいます。体質の差がかなり大きいのです。

 アーユルヴェーダとは離れますが、その食べ物があなたにとって毒かどうか、すぐわかる方法があります。食べる前に脈拍を1分間測り、食べて30分経った後、もう一度脈拍を測ります。

 このとき、食べる前より脈拍が10以上増えていたら、その食べ物は、あなたにとって毒であると考えられます。毒を消化しようとすると、交感神経が優位になり、脈拍が上がるからです。

「毒」になる食べ物は脈の早さでわかる!

消化力こそが健康のカギ

 体内に毒がたまると、その蓄積した場所に不調や病気が現れます。アーユルヴェーダでは、「発病」を以下の6段階に分けています。

①蓄積

②悪化

③拡散

④局所(局在化)

⑤明白

⑥区別(慢性化)

 「蓄積」は文字通り、毒素が蓄積し始めている段階です。まだ未病の段階なので、ここで解消できると最適です。

 毒素がさらにたまると「悪化」の段階に移り、いろんな不調が出始めます。次の「拡散」では、その不調が全身に広がっていきます。

 その拡散したものが体のあちこちにとどまり、さらに悪化して症状を出すのが「局所(局在化)」です。この段階まで来ると、ハッキリと病気として扱われるようになります。

 さらに進行すると、発熱や、、など、症状が「明白」に現れるステージに移ります。この段階でも適切な対処を取らなければ、病気は「慢性化(区別)」し、治療困難なものになっていきます。

 不調や病気はなるべく早く、毒素がたまり始めた段階で解消するのが、最も効果的になります。そこで、以下に「蓄積した毒素レベルがわかるチェックリスト」を掲載しました。

体内にたまった毒レベルがわかる!【毒素レベルチェックリスト】

考え込まずに症状があったらチェック!

第1段階

□低体温である

□体を重く感じる

□疲労感が抜けにくい

□顔色が悪いと言われる

□おなかに膨満感がある

□やる気が起きない

□1日に一度以上排泄がない

〈第2段階〉

□腹部に刺すような痛みがある

□のどが渇きやすい

□酸っぱいげっぷが出る

□ほてりがある

□食べ物を見るのが嫌

□吐き気を感じる

〈第3段階〉

□体の一部に熱がある

□発熱感がある

□強いほてりがある

□味覚不良がある

□下痢が続いている

□皮膚に腫瘍(しゅよう)や嚢胞(のうほう)がある

どのくらい体内に毒がたまっている?【毒素レベル診断結果】

第1段階(蓄積)

 一項目でも○がある人は、毒素が体内に蓄積を始めています。消化力を上げ、ストレスをためない生活を心がけましょう

第2段階(悪化・拡散)

 一項目でも○がある人は、毒素の蓄積が進み、悪化、拡散の段階に入っていると思われます

第3段階(局在化)

 一項目でも○がある人は、症状の悪化が進み、局在化しているか、局在化が近い状態です。通院による治療が必要な可能性があります

 このチェックリストの中の症状がある場合、毒素がたまっている可能性が高いので、様々な毒出し法をぜひ試してください。

 毒出しの最も基本的なことは、「消化力を高める」ことです。消化力を補ってくれる食べ物としては、塩、レモン汁、白湯などがあります。

塩、レモン、白湯などは消化力を補う

 消化力をしっかりつければ、体が本来持つ機能や力が高まり、不調や病気を取り除けます。ぜひ実践してください。