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不眠の原因・むずむず脚症候群に効く!医師開発の【遠絡療法】で脚の不快感が解消(その1)

あまりの不快感に眠れない!むずむず脚

 不眠の原因のひとつに、脚がむずむずして眠れなくなる「むずむず症候群」があります。虫が這っているようなむずむず感のほか、ピクピク、チクチク、かゆい、痛いなどいろいろな症状が出て、脚を動かさずにはいられなくなります。

 そのため、「レストレスレッグス(下肢静止不能)症候群」とも呼ばれています。また、脚を動かすと、症状が和らぐのも特徴です。

 症状は夕方から夜にかけて出ることが多く、特に夜、横になって安静にしていると強く出ます。そのため、寝つけなかったり、いったん寝入っても不快感で目が覚めてしまい、朝まで眠れなかったりします。

 むずむず脚症候群には、原因がはっきりしない特発性のものと、病気や薬の影響で起きる二次性のものがあります。

 慢性腎不全、鉄欠乏貧血、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチなどの病気があると、むずむず脚が出やすくなります。

 なぜむずむず脚が起きるのかはわかっていませんが、脳内のドーパミン神経の機能低下、鉄分不足、遺伝的要因などが指摘されています。

 むずむず脚は、「ドーパミンの機能低下」という点ではパーキンソン病と似ていますが、パーキンソン病は大脳基底核にある黒質の変性に
よってドーパミン不足が起こるものです。

 しかし、むずむず脚は黒質が変性しているわけではなく、日本神経治療学会ではA11ドーパミン調節欠損により症状が出る、とされています。こうした、原因不明の機能性疾患によく効くのが、「遠絡療法」です。

 これは、西洋医学と東洋医学を融合し、それぞれの医学の限界を補完した新しい療法で、医師の故・先生が考案し、確立されたものです。

遠絡療法で改善が期待できる症状

 自分で行えるむずむず脚症候群に効く遠絡療法のやり方を見る

原因不明の病気や難病に効果を発揮

 機能性疾患は、いくら検査をしても悪いところが見つからないのに、本人にはとてもつらい症状があります。

 私が遠絡療法に出合ったのは15年ほど前、妻が(首)頭頸部に原因不明の痛みを抱え、どの治療を受けても治らないため困っていたときです。西洋医学でも東洋医学でもよくならない頑固な痛みで、手の施しようがありませんでした。

 そんなとき、柯先生の遠絡療法を受けたら、たちまちその痛みが取れたのです。これには私も驚き、感動しました。そしてぜひ、このすばらしい療法を勉強したいと思い、この道に進むようになったのです。

 私はこれまで、遠絡療法で数々の難病を治癒に導いてきました。むずむず脚症候群も、遠絡療法が非常によく適応します。その症例を、ご紹介しましょう。

 内科の医師のAさん(65歳男性)が下肢にむずむず感を覚えるようになったのは、50代後半の頃でした。年を追うごとに腰から臀部に激しい痛みが出るようになり、下肢のむずむず感も悪化。夜間、両側の太ももとふくらはぎに強いむずむず感が出て、眠れなくなってしまいました。

 Aさんは病院に行ったり、自身で薬を選んで服用したりしましたが、薬が効いたのは最初のうちだけで、しだいに効かなくなってきました。

 そんなとき、同じ症状に悩んでいた娘さんが、横浜で遠絡療法を受けて改善したことを聞き、当院を受診されたのです。

 Aさんのむずむず脚の症状は、1回目の治療でほぼなくなり、腰から臀部の痛みも8割がた軽くなりました。治療が3回終わった現在、むずむず脚の症状は1回も出ておらず、夜もよく眠れるようになったとのこと。まだ薬も併用しているので、これから薬を減らして様子を見たいということでした。

 遠絡療法がこうした原因不明の症状や難病によく効くのは、体内を流れている「生体の流れ(ライフフロー)」がよくなるからです。

1万例の症例から導き出された治療点

 私たちの体の中には、血液、リンパ液、ホルモン、イオン、ドーパミンやセロトニンのような神経伝達物質、さらには目に見えないエネルギーなど、さまざまなものが流れています。遠絡療法ではこれらを総称して「ライフフロー」と呼びます。

 このライフフローが全身を滞りなく流れていれば、体は健康な状態を維持できます。ところが、どこかで流れが滞ったり詰まったりすると、原因がわからない痛みやしびれや不調が起こってきます。

 その滞ったライフフローの流れを促し、全身を活性化するのが遠絡療法です。遠絡療法では、ライフフローが流れる道すじを「ライン」と呼びます。ラインは左右の手足に12本ずつ、体の中央に2本の計26本あります。このライン上にある治療点を刺激して、ライフフローの流れを促します。

 この治療点は、1万例以上に及ぶ臨床研究から体系づけられたものです。どの治療家が行っても確実に効果が出るように柯先生が長い歳月をかけて確立したもので、現在も多くの医師が学び、実践しています。

 ちなみにラインは、東洋医学でいう「経絡」のようなものです。「遠絡」とは症状から離れた、遠い経絡から症状にアプローチするということです。ただし、実際の治療法や考え方は、鍼灸とは異なるものです。

 遠絡療法では、症状のある部位には触りません。また鍼や灸は使わず、木の棒で押したり、ソフトレーザーで刺激したりします。

 次回は、ご自分で行えるむずむず脚症候群に効く遠絡療法のやり方をご紹介します。

ふだんから行えば、ライフフローが整い、上記の症状もよくなっていきます。遠絡療法は、根治へと導くだけでなく、全身療法でもあるのです。