4週間の「月曜断食」はやせるばかりか心身が清まり健康になる!
「月曜断食」とは、1週間のうち月曜日だけ、水だけで過ごし、胃腸を休ませる食事法です。
ここ2年ほどで、「月曜断食」はさまざまなメディアに取り上げられ、実にたくさんのかたに好評をいただきました。中には、大幅な体重減に成功したかたもいて、「月曜断食=ダイエット」という見方が定着しています。
しかし、月曜断食の本来の目的は体質改善です。言うなれば、ダイエットは、食べすぎてしまう習慣を改善する最中に産まれる副産物のようなものなのです。
私は、になってから10年以上経ちますが、その間ずっと、患者さんの体質改善を目的とする断食とともに歩んできました。
修業時代に勤めていた中国式針治療専門店「ハリー」と、現在、私が総院長を務めている「Harriet Ginza(ハリエット ギンザ) 」を合わせて7万人以上の患者さんに断食指導を行っています。そして、ほとんどのかたが断食に成功しています。
私は、断食に挑戦した患者さんたちの姿を見て、断食のすばらしさを広く世に広めたいと思うようになりました。
しかし、本来の断食は、最短でも3日間かかり、現代人の生活サイクルになじまない点がネックでした。そこで、誰もが、手軽に、安全に、お金をかけずに自宅で取り組めるにはどうしたらいいのかと考えたのが月曜断食です。
今年は、新型コロナウイルスの影響で、ステイホーム(外出自粛)を余儀なくされ、「コロナ太り」と言われる体重増の状態になっているかたも多いことでしょう。
自宅で、今日から始められる、断食の効果を利用した月曜断食を、ぜひ試していただきたいと思います。
「月曜断食」の基本的なルールを確認!
月曜断食は、1週間を、水以外何もとらずに胃腸を休ませる「日」、体が喜ぶ栄養を補給する「日」、心を満たす「日」の3つに分けて、無理せず続けられるようになっています(上の図参照)。
これを4週間続けて、1セットとします。これにより、治療院で行う「3日間の断食プラス4週間の回復食」と同等の効果が期待できます。
よく、「1週目の不食日が怖くてなかなか始められない」という声を耳にします。確かに、ツイッターなどのSNSで見る体験者の声には、「眠気に襲われた」「頭痛が起きた」という報告を見ます。
こういった症状は、一過性のものであり、なおかつ体が正常な状態へ戻ろうとしているサインでもあります。ですから、これらの症状は「あってあたりまえ」と思って取りかかると、初めての「不食日」に対する恐怖心も薄れることでしょう。
火曜~金曜までの「良食日」では、基本的に、朝食は旬の果物とヨーグルト、昼食はおかずのみ、夕食は野菜スープや蒸し野菜などの野菜を中心にしたメニューを食べます。
この期間に注意したいのが、食べる量です。自分のこぶし2個分を目安にしてください。
また、パン・お米・麺などの糖質は控えること。一日に水を1・5~2ℓ飲むこともたいせつです。アルコールは飲んでもOKです。
ただし、火曜日は、胃腸が空っぽで吸収力がよくなっているので、消化しやすい回復食を意識します。
週末の「美食日」は、糖質・肉・魚・デザートなど、こぶし2個分の範囲内で好きなものを食べてください。火曜~金曜まで、こぶし2個分ルールを守ってきた場合は、胃が小さくなっているので、以前のような量は食べられないと思います。
これを1カ月続けると、平均して5~7㎏体重が減ります。
「不食日」「良食日」「美食日」の、さらに細かいポイントや、最大限の成功に導く次のステップをご紹介しましょう。
つらいのは最初の月曜日の1~2回目だけ
「不食日」「良食日」「美食日」をこなすには、それぞれにちょっとしたコツがあります。
まずは、「不食日」です。
そもそも「不食日」は、これまで食べすぎてフル活動していた胃腸を空っぽにして、休ませることが目的です。そのため、一日にとるのは1・5~2ℓの水だけにします。
水は、一度に大量に飲まずに、少しずつ時間をかけてゆっくり飲みましょう。冷え症の人は、がお勧めです。コーヒー・紅茶・野菜ジュースなどはNGです。
フラつきや頭痛が起こるのは、胃腸が空っぽになった合図です。こういった不調は、不食日の1~2回目だけです。また、夜の空腹がつらい場合は、就寝を早めにしましょう。
次に、「良食日」ですが、実は「回復食」から始まる火曜日が、月曜断食の中でいちばん大事な日と言っても過言ではありません。
火曜日は、食べ物の吸収率がとても高くなっているので、いきなり糖質の多いものを食べると、体重が増えるだけでなく、血糖値の急上昇にもつながります。
そのため、少しずつ体に食事を慣れさせるように、野菜中心の消化しやすい温かい食事をとりましょう。
また、断食明けは味覚が鋭くなっているので、野菜や果物がいつもよりおいしく感じることでしょう。
水曜日以降は、野菜メインの献立に、肉や魚料理をプラスしてもだいじょうぶですが、基本的には、消化がよく糖質の少ない野菜、たんぱく質の多い豆腐や卵、腸がよろこぶ発酵食品などを中心に食べましょう。
このとき、「1・5~2ℓの水」「量はこぶし2個分」ルールも忘れないようにするのがたいせつです。
「美食日」を迎える頃には、胃が小さくなっているので、朝の目覚めがよくなったり、体が軽くなったりといった、体調の変化を感じるようになります。
「美食日」の食事は、量より質を重視します。食べすぎた場合は、翌日、夜を抜くことで調整できます。
1カ月経ったら自分なりの食事の調整法がわかる
1カ月間のベーシックな基本メニューを終えると、多くのかたが5~7㎏の減量に成功しています。
実は、月曜断食を1カ月続けた頃には、ほとんどのかたが、自分の体に合った食事のコントロール方法に、うっすらと気づいています。
食べる物の選び方や、おやつを食べるタイミング、食べすぎた日は夜断食に変更したり、翌日の食事量をセーブしたりと、無意識のうちに調整できるようになっているのです。
この時点ですでに目標を達成したかたは、「ベーシックメニュー」から「体重維持型メニュー」(下の図参照)に切り替えてもいいでしょう。
1減量が目標が高いかたは、引き続きベーシックメニューを続けてもいいのですが、「断食に慣れてきたし、もう少し効率を上げたい」という場合は、上級者メニューへの切り替えもお勧めです。
上級者メニューとは、木曜日に夜断食を行い、「美食日」を土曜日だけにするという方法です。この場合、金曜日の朝ごはんは回復食にしましょう。
「良食日」中に一日だけ夜断食を追加することで、さらに脂肪を燃焼しやすい体質に変わっていきます。基礎代謝も上がって、体の修復能力も高まり、疲れにくい体になります。
よく「月曜断食のゴールはどこですか?」と質問されることがあります。「マイナス〇㎏」と具体的な数字をかかげるかたもいれば、「結婚した頃の体形」を目標にしているかた、「血糖値の数値改善!」というかたもおり、個人によってさまざまなので、一概に「こうなったら」と言いにくいのが正直なところです。
しかし、月曜断食の目的は、あくまでも体質改善です。月曜断食を通して、食事のコントロール方法がわかり、それを実行することで体調管理ができているのなら、それが一つのゴールなのかもしれません。
そして、「目標達成したら終わり!」とせずに、自分に合った無理のないつきあい方で、月曜断食を続けていただきたいと思います。