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その症状は【副鼻腔炎】かも?典型的な症状リストと改善へのファーストステップ

思い当たる症状があったら要注意

耳鼻咽喉科に来られるかたの病気で特に多いのは、日本人の4人に1人がかかっているといわれる花粉症です。しかし、花粉の時期でなくても、鼻やのどの不快な症状に悩まされているかたは、実は花粉症に劣らないくらい多くいらっしゃいます。

例えば、以下のような症状にお困りではないでしょうか。

いつも鼻がつまっている

●黄色がかったドロドロした鼻水が出る

変なにおいがする

鼻水がのどに流れる

のどが渇く、痛い

タンやセキが出る

においがわかりにくい

頭が重い、痛い

一概にはいえませんが、これらの症状から疑われる病気の一つに、「副鼻腔炎」があります。

副鼻腔炎とは、鼻の周囲にある副鼻腔と呼ばれる空洞部分に、炎症が起こる病気のことです。以前は「蓄膿症」と呼ばれていました。

炎症が起こる主な原因は、カゼや細菌感染です。一時的に症状がひどくなっても数日で改善する場合は「急性副鼻腔炎」、炎症がいつまでも治まらず、3カ月以上症状が続くと「慢性副鼻腔炎」となります。

慢性化すると、鼻腔と副鼻腔をつなぐ通路が完全に塞がってしまい、つらい症状がどんどん悪化、なおかつ治りにくくなってしまいます。

 また、細菌感染のほかに、アレルギー、特に好酸球(※)が関連している場合があることも、近年わかってきました。

※アレルギー反応にかかわる白血球の一種。

これは「好酸球性副鼻腔炎」といって、症状が重く、完治しにくいことから難病指定されています。

鼻の両側にポリープ(鼻たけ)が多発するのが特徴で、鼻で息ができないほど両鼻がつまってしまうなど、鼻トラブルの中でも極めて重い病気です。

 冒頭で述べたような症状が長く続く場合は、一度病院で診てもらうことをお勧めします。鼻腔内は、専門設備のそろった耳鼻咽喉科でなければ、詳しく診ることができません。

内科で花粉症やアレルギー性鼻炎と診断されて治療を受けたり、市販薬を飲んだりしてもなかなか症状が改善しないときも、耳鼻咽喉科で専門的な診察を受けたほうがよいでしょう。耳鼻科用CTが導入されている病院なら、副鼻腔の様子もよりしっかりチェックできます。

生活習慣も鼻に大きく影響

加えて、鼻の健康を取り戻すためには、生活習慣の見直しを含めたセルフケアも重要だと、私は考えています。

副鼻腔炎と診断された人の中には、治療を受けてもスッキリしない、再発を繰り返すといったかたが多くいらっしゃいます。

その理由の一つに、炎症を起こしやすい、もしくは炎症が治りにくい生活習慣が影響している可能性があります。

食生活でいうと、冷たいものや甘いもののとりすぎ、お酒の飲みすぎは炎症を悪化させます。鼻をかむのがめんどうだからと、鼻をすすったりするのもよくありません。

鼻がつまると鼻で呼吸ができなくなって口呼吸をすることになりますが、それもさまざまな弊害を招きます。口呼吸は細菌やウイルス、化学物質などが入りやすくなるため、感染による炎症が起こりやすくなったり、さらに悪化したりといった悪循環へとつながるのです。

最近はマスク生活によって、ふだんから口呼吸になっている人が増えています。明らかに口がポカンと開いている人に限らず、指一本程度開いているだけでも口呼吸をしている可能性は高いといえます。

マスクは口呼吸になりやすい

花粉症の時期でもないのに鼻の調子が悪い人が増えたのは、そのような影響もあるのかもしれません。マスクをつけているときは、意識して鼻で呼吸をするとよいでしょう。

病院での治療や薬に頼るばかりで、こうした炎症を招きやすい生活習慣を改善せずにいたら、鼻やのどの症状は治りにくいだけでなく、再発を繰り返すことになりかねないのです。

下記記事で、お勧めのセルフケア解説や生活習慣のアドバイスをしています。
【花粉症】【副鼻腔炎】に「鼻うがい」~ネバネバ鼻水や雑菌を除去!炎症を抑制して鼻スッキリ!|ゆほびかweb
ぜひご自分でもできることに取り組んで、症状の改善と再発予防に努めてください。

近年注目の治療法と手術適応について

病院での治療には、薬物療法や鼻洗浄のほか、後鼻漏(鼻水がのどに漏れる)や、鼻・のどの不快感、タンなどの症状がきつい人に対して行われる「EAT(上咽頭擦過療法)」という治療法があります。

この療法は、薬液を浸した綿棒で上咽頭をこすって刺激します。効果的な治療法として近年、脚光を浴びていますが、治療には、ある程度の痛みや出血を伴います。また、どこの耳鼻科でも受けられるわけではなく、治療を受けたい場合は、実施している病院をインターネットなどで探す必要があります。

症状が3カ月以上続く慢性副鼻腔炎で、治療を行っても改善が見られない場合は、症状の程度によって手術適応となるケースもあります。

好酸球性副鼻腔炎で鼻たけが大きく、鼻づまりや頭重感が強い場合も、手術が検討されます。今は内視鏡手術がほとんどなので、患者さんの負担はかなり軽減されています。

 とはいえ、手術をしても再発を繰り返すこともあるので、やはりセルフケアを並行して行うことをお勧めいたします。

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