幸せや豊かさの意味を今一度問い直すとき
占星術やスピリチュアルに興味のあるかたならば、2020年ぐらいから「風の時代」が到来したという話を耳にされたことがあるのではないでしょうか。
このキーワードは、占星術の範疇外で語られることも多く、いろいろなイメージを持つかたがおられるようですが、西洋占星術においては由緒正しい概念です。
ここでは、難しい話は割愛して、「風の時代」への移行とは、どのような変化と紐づけて考えられるのかをお伝えしていきましょう。
「風の時代」の前には「火の時代」や「地の時代」があり、約200年単位で移り変わってきました。
「火の時代」はアメリカの独立戦争、フランス革命があった時代で、独立のために戦う時代でした。
続く「地の時代」は、文字どおり領土を巡っての戦いの時代でした。領土に紐づく物質、資源をめぐって戦いを繰り広げてきたのです。
そして、約230年以上続いた地の時代が終わりを告げ、風の時代へと移行する節目が、2020年12月だったわけです。
「風」は、目には見えませんが、風に乗って運ばれるものすべてを象徴しています。現代社会にとって、風が表す代表的なものは「情報」です。
情報は、人と人とをつなぐものです。これまでの物質的価値観の時代には「所有する人」が力を持ちましたが、風の時代は、情報の共有による、横つながりの社会が強調されていきます。
また、これまでは、場所や空間に縛られた生活でしたが、新型ウイルスの出現により、まさに、場所や空間にとらわれないリモートワークが広まりました。
この風潮がさらに進化していくと、「地」が象徴する物質的な豊かさにこだわる人も少なくなってくるでしょう。豊かさの概念も、人によって多様化していきそうです。
「幸せとは、成功とは、豊かさとは何か?」と今一度、問い直す時代がやってきたのです。
世間の常識よりも自分のありかたが重要
そして、気になる経済的な変化についてですが、風の時代を通して起こる変化のポイントとしては、
●カードやスマホでのキャッシュレス決済が当たり前に→技術の進歩
●これまでの「これさえあれば安心、安全」が無効に→権威に頼れない時代へ
●情報が「財産」に→情報網の重要性
となります。
世間の常識や他人の意見よりも、自分のありかたが問われるため、これまでの「あたりまえ」にこだわると、葛藤を起こしがちな時代だといえます。
人によっては、「これまでの努力がムダだった!」と感じやすい時代ともいえますが、それは「もっとよいやりかたがあるはずだ」という気づきへのプロセスの一つでもあります。
例えば、家庭や自分の健康を顧みず必死で働いてきた人が、「もう、そんなに働かなくてもいいよ」と言われたら、過去の自分を否定されたように感じるでしょう。ですが、それは一方で、真に豊かな人生を歩むきっかけにもなるわけです。
地方などに移り住み、本当にやりたいことに取り組む人生を選ぶ人も増えていくでしょう。
もっとも、楽して稼ぐのが正しい時代ということではありません。あくまでも、自分らしく生きやすい時代ということです。
仕事に使命感を持つ生きかたを改めて自分らしいとして受け取るかたもいるでしょうし、働くことやお金がすべてではないという自分らしさに気づくかたもいるでしょう。
お金を得る手段に関しても、ますます多種多様になるでしょうし、価値観も多様化するでしょう。
それだけに「自分なりの豊かさ」をしっかり持っておくことが大事ですし、それを求めることが可能な時代なのです。
自分が全体の一部だという視点を持つことがたいせつ
加えて「風の時代」は、私たちに全体性という視点を持つことを求めます。言い替えると「私は全体の一部である」という目線を持つということです。
コーヒー一つ買うにしても、それが世の中にどのような影響を及ぼすのか? 例えば、フェアトレード(※)のコーヒー豆を買うことで発展途上国の子供にプラスになるとか、そういった視点があたりまえになります。
※適正な価格で公正な貿易を行い、経済的弱者である発展途上国の労働者から貧困を撤廃する活動。
ビジネスも、そういった目線を持って組み立てていくと、豊かさにつながるわけです。
自分より影響力の大きな何かに自分の人生を決めてもらえる時代は終わり、自分の頭で考えることが求められる時代です。お金に関しても、人生に関しても、そういった自分軸が必要性を増してきます。
ポジティブに考えると、自由で風通しのよい時代であるし、ネガティブな面をとらえると、自分を見失いがちになるともいえます。
ちなみに、東洋の占いでも、2021年は「自分という原石」を着実に磨き上げていくとよい年なのだそうです。
これまで気づかなかった自分の本質に目覚め、その本質をもって物事を選び取っていくことが大事な時代です。
だからこそ、常に誰かの物差しではなく、自分の幸せの物差しを持って人生を歩んでいくことが求められているのです。
私自身も一人の占い師として、これまで気づかなかった自分の可能性に目覚め、自分らしく命を輝かせて生きる人が増えることを祈っています。
占いを通して、皆様が本来の自分を思い出すお手伝いに、これからも取り組んでいこうと思います。
この記事は『ゆほびかGOLD』2021年4月号「かげした真由子 金運メッセージ占い」からの抜粋です。誌面では、12星座別に2021年上半期の金運の流れを詳しく読み解いています。