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【体を後ろにそらす】【後屈】で痛みが消える! 心身が若返る! 腰痛・股関節痛・自律神経失調症を撃退!(後編)

「後屈の人」が教える正しい体の使い方

「頭が重たい」「首が痛い」「腰がだるい」……そんな感覚がいつの間にかあたりまえとなっていませんか?

現代人の体は、「使いすぎている部位」と「使わなすぎている部位」の差がひどすぎて、どんどん動かしづらい体になっています。それが痛みや不調となって現れてくるのですが、この差を解消するのが「体をそらす」動きです。

苦手な人が多い動作ですが、正しく行うと、気分がスッキリして、視界も頭もクリアになります。そんなステキな動きを、ぜひ習得してください。

前編から読む

日常でこまめに後屈を行うと心身が若返る

前編でご紹介した3つのワークで背骨の使い方のアンバランスを解消したら、いよいよ後屈にチャレンジです。最も重要なポイントは、背骨を下から順番に動かすこと。

稲穂がもみの重みで自然と垂れていくイメージで、足指→股関節→おなか→胸→頭→指先の順に、体をしなやかにそらしましょう。

 後屈の動きが身についたら、日常でも、家事や仕事の合間に後屈を行うとよいでしょう。さまざまな症状を予防・改善でき、心身が若返っていきます。

ただし、腰椎すべり症、分離症、脊柱管狭窄症()、感覚まひや排尿・排便障害があるかたは、症状を悪化させる可能性もあるため、後屈そのものはやめておきましょう。しかし、後屈の準備体操である3つのワークは行ってもだいじょうぶです。症状の軽減にも役立つので、ぜひ実践してください。

100歳まで元気で動ける体でいるために

 ところで、皆さんは「関節は消耗品」だということを、ご存じでしょうか? 今は人生80年とも100年ともいわれる時代です。肌にシワが刻まれ、毛髪が白髪になるように、関節も消耗しているのです。

例えば、健康な30代の人でも、レントゲンを撮ると、背骨でクッションの役割をしている椎間板が飛び出していることがあります。これは椎間板ヘルニアといわれる状態です。

たとえ痛みがなくても、若いうちから背骨の組織の消耗は始まっています。しかし、正しい背骨の使い方をすれば、この消耗を遅らせることができます。

反対に間違った使い方では、劣化が早まります。関節や椎間板の組織は、劣化すると元に戻りません。そこで、背骨に油をさして手入れする感覚で、体を正しい使い方に戻すポーズ「後屈」にぜひ取り組んでもらいたいと思います。

たとえ椎間板ヘルニアがあっても、正しい背骨の使い方をすれば、痛みなどの症状は出なくなります。

いよいよ本番!体を後ろにそらしてみよう!

1 つま先は開かず、まっすぐ平行にして立つ足の幅は肩幅よりも少し狭いくらい

2 ひざは曲げず、股関節を前に押し出す

3 おなかを張り出す

初心者はここまででOK!

4 胸を引き上げる

5 両腕を上げる

6 首を下から動かす 

最後に、後屈による改善例をご紹介しましょう。 

 【症例❶】 椎間板ヘルニア  

 Aさん(50代・女性)は長年の腰痛持ちで、3年前に下半身がしびれ、歩きづらい症状が出たため、椎間板ヘルニアの手術を受けました。

 しかし、手術して1年後、腰に重だるさを感じるようになり、私のヨガのクラスに参加。そこで後屈に取り組むようになりました。

 最初は股関節の前を引き伸ばす体操が難しかったそうですが、2カ月ほど続けると、しなやかに動けるようになり、それに伴って腰の重さが消失。今もデスクワークが続くと、腰が重くなるそうですが、そのたび後屈でリセットしていい状態をキープされています。姿勢もよくなり、「背が高くなったね」と言われると、喜ばれていました。

 【症例❷】 自律神経の乱れ  

 Bさん(30代・女性)はジムのインストラクターとして、毎日ハードな運動をこなしていました。

次第に慢性的な体の重さを感じるようになり、神経が高ぶり、寝つきが悪い状態が続くようになり、病院へ行くと「自律神経失調症」と診断されたそうです。そこで、私のヨガのクラスに参加し、後屈に取り組んだところ、その夜はすぐ眠りに落ち、起床後は体のだるさがいっさいなくなったと報告してくれました。

 後屈で背骨が柔軟に動くようになり、自律神経の乱れが整った好例と言えるでしょう。

 後屈に対して、なんとなく苦手意識を持っている人が多いのですが、小さな動きでもいいですし、完成形までいかなくてもいいのです。常に自己ベストを更新する気持ちでチャレンジしてみてください。

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