よく使うモノは全体量の2割に過ぎない
時短家事が叶う「勝手に片づく家」を作るために、まず行うことは、「モノの適量化」です。
家の中のモノの総量が、自分が管理できる量、家の広さや収納可能な量を超過していては、散らかっても当然ですし、モノがなくなっても当然です。
適切な量のモノを、家族全員が使いやすい定位置に置く。そうして、誰も「散らかさない」状態を作ってみましょう。
では、その手順をご説明しましょう。
❶ 適量化するスペースを決める。最初は狭い範囲がベター
台所の引き出し1段、冷蔵庫のドアポケット、玄関のたたきなど、片づけるスペースを1ヵ所決めます。毎日使う箇所が、成果を実感しやすいのでお勧めです。
最初は、狭い範囲にしておくと、失敗しません。慣れたら、収納棚を数段、クローゼット、洗面所全体、リビング全体……と、徐々に範囲を広げます。
❷ モノを全部出し、仕分ける。基準は「3ヵ月以内に使ったか」
スペースを決めたら、入っているモノを全部出します。
そして、過去3ヵ月以内(※)に使ったか否かを基準に、「使っている」と「使っていない」に分けます。
このとき、取り出したモノを並べると、「フォークは4本なのにスプーンが10本ある」「似たような味の調味料ばかり」「憧れて買ったのに、履いていない靴が複数ある」など、持っているモノの傾向がわかります。
傾向がわかると、よけいなモノを買い足すリスクがしだいに減ってきます。
❸ 残すモノ、残さないモノをそれぞれ適切に処理
使っているモノは、適切な位置に収納しましょう。そして、そのモノを使う位置から3歩以内の位置で、2アクション(例: 棚を開ける→取
り出す)以内で手が届くようにしておくと、家事がスムーズです。
なお、使っているモノのなかでも、使用頻度の高いモノは、おそらく全体の2割程度です。この2割のモノさえ適切に収納できていれば、家事はうまく回り、驚くほど快適に暮らせるようになります。
使っていないモノのほうは処分します。
しかし、どうしても捨てられないモノもありますよね。ここで活用するのが「ブラックボックス」です。
使っていないけれど捨てられないモノは、「ブラックボックス」=「捨てられないモノ専用スペース」に保管します。箱でも袋でもかまいません。人によって、必要な大きさもそれぞれです。
ブラックボックスには、保管期限となる3ヵ月後(※)の日付を明記。期限までに一度も使わなければ処分します。
ブラックボックスにあるのは、たまにしか使わないモノだけですから、日常の家事の妨げにならないよう、棚や引き出しの奥など、視界に入らない場所に隠しましょう。
期限が来ても手放せない場合は、「ほかのモノで代用できないか」「持っていて幸せか」と自分に聞いてみてください。問いかけを重ねるうち、納得して手放せるようになります。
なお、ブラックボックスは、際限なく増やすのではなく、量を必ず決めておきましょう。
ここまできたら、基本的には家は散らかりません。片づける手間がなくなれば、家事時間も短くなります。
もし、また使いづらかったり、出し入れしにくくなったりしたら、それはモノが増えたサインです。再度、使っていないモノを間引きましょう。
(※)服や靴、季節を感じさせる食器、年中行事の道具など、暦に関係するモノの場合は、1年以内に使ったか否かを基準にする