本記事では、平賀サツキ先生が鍼灸師の観点から「ミラクルタッピング」の効果について解説します。
山富浩司先生による前編(ミラクルタッピングのやり方)はこちら
脳波が整い免疫力もアップ!
私は12年前から、岩手県花巻市で鍼灸治療院を開いています。山富浩司先生が開発された「ミラクルタッピング(マインドフルネスタッピング)」を知ったのは、2019年のこと。自分自身で試して効果を実感し、すぐに技法を学び、治療にも取り入れました。
ここでは東洋医学の観点から、なぜタッピングが効くのかについて解説したいと思います。人間の体内では「経絡」と呼ばれる生命エネルギーが「気」を通じて全身を巡っており、気の過不足や流れの乱れが心身の不調を招くと考えられています。
経絡は、皮膚のごく浅いところを走っているので、タッピングのように肌に軽く触れる程度の弱い刺激でも、流れがよくなるのです。
また、ミラクルタッピングを行うと、脳波がミッドアルファ波状態に近づくことがわかっています。人の脳波がミッドアルファ波(9~12Hz)のときは、リラックスしつつ集中力が高まり、病気に対する免疫力も強くなるとされています。
ミラクルタッピングは、怒りや不安、悲しみといったネガティブ感情を瞬時に取り去り、さらに脳波を理想的なリラックス状態に導くことによって、心の状態を整えます。
その結果、気の流れが整って体も健康になり、本来の自分の力が発揮されて夢が叶ったり、幸せな生活を送れるようになったりするのです。
ミラクルタッピングでは、まず両手のひらの小指側の側面をトントンと軽くタッピングします。ここには小腸系や心経という経絡が走っており、心臓や心の働き、さらに脳と関係の深い腸の働きを整えることで、気持ちを安定させます。
顔のタッピングで刺激する頬骨の上には、胃経という経絡が走っています。胃経の気の流れが悪くなると気分がうつっぽくなるので、ここを整えることで、落ち込んだ気分が上向いていきます。
また、怒り・イライラを緩和するタッピングで刺激する小指の内側には、少衝というツボがあります。これは心経に属するツボで、感情の高ぶりや動悸を抑え、心を落ち着かせる効果があります。
さらに、鎖骨の下には兪府というツボがあり、経絡は腎経から心包経へとつながっています。ここを優しくタッピングすることで、心を穏やかにし、気持ちをリラックスさせる効果があります。
感情は、東洋医学では「七情」とも言われ、過度になると五臓が影響を受ける重要なものです。川の流れに例えると最上流に当たります。ですから、感情をミラクルタッピングで整えることで中流や下流にある肉体(肌や内臓など)も活性化し、自然治癒力も高まるのです。
先に述べた通り、経絡は皮膚のごく浅い部分を走っているので、ソフトにやさしく、自分にとって心地よいリズムで刺激することが大切です。
顔が若返り自己否定感も解消!
私は、タッピングを実践し始めてわずか1週間で、患者さんから「どうしたんですか?」と驚かれるほど、顔が変わりました。顔のたるみが取れ、肌ツヤもよくなり、表情も明るくなったのです。
また、以前は自分を責めることが多く、仕事にもなかなか自信を持ちきれなかったのですが、施術前にミラクルタッピングを行うと、自己否定や力みが抜け、格段に治療効果が上がりました。
また、日常生活の中で怒りや不満を感じたとき、以前は自分を責めたり周囲に八つ当たりしがちでしたが、ミラクルタッピングを行うと、気持ちがスッキリするだけでなく、相手の真意も理解できるようになりました。
「私のためを思って、あえて言いにくいことを言ってくれたんだ」と、怒りが感謝に変わることもよくあります。
ミラクルタッピングを施術・指導した患者さんの多くも、私と同じように心からの笑顔を取り戻し、幸せを手に入れています。
ミラクルタッピングこそ、不安や怒り、悲しみを瞬時に取り去り、幸せに近づく最強の近道だと感じています。