ゆほびか ゆほびか
  • 文字サイズの変更
  • 大
  • 中
  • 小
  • SNS
  • twitter
  • facebook
  • instagram

【70歳医師の不老習慣】腸内環境を整えて老廃物を 出す「大さじ3杯のモズク酢」

海藻類が好きで毎日必ず少量食べる

私は、今年70歳になります。

自分で言うのは恥ずかしいのですが、「とてもそんな年には見えない」「15歳は若く見えますね」と、驚かれることも少なくありません。

友人たちの集まりや同窓会でも、みんな髪が薄かったり白くなったりしていて、年相応に見えます。私を見た友人たちは「おまえ、なんでそんなに若いんだ?」と驚きます。

たしかに、髪はまだ黒々しているし、肌にもハリがあります。年齢の割には若いのかもしれません。

よく「何かしていますか?」「若さの秘訣は?」と聞かれますが、特段何かしているわけではありません。

髪はフサフサ、肌もツヤツヤでシワのない熊谷先生

ただ、好きな食材を挙げろと言われたら、真っ先に浮かぶのが海藻類です。ワカメ、モズク、メカブなど、何かしら毎日、少量ではありますが必ず食べています。量にしたら、大さじ3杯くらいでしょうか。

少し前はメカブをよく食べていましたが、最近はモズク酢が気に入っています。

子どもの頃から大好きだったワカメは、ほかの海藻と一緒にサラダにするほか、みそ汁、スープ、カツオのタタキのツマなど、いろんな形で料理に取り入れています。

海藻は、生より乾燥させたもの、干したものがお勧めです。海藻に含まれる食物繊維(粘着多糖類など)は、人の消化酵素では分解できません。ところが、日に干すことによって壊され、分解されやすくなります。

食物繊維、特に水溶性食物繊維は、乳酸菌などの腸内細菌のエサになります。ですから、食物繊維をよくとるほど、乳酸菌が増えて腸の環境がよくなります。また、食物繊維には、血圧や血糖を下げたり抗がん作用があったりと、体にもよい影響が数多くあります。

海藻に限らず、干した食品は成分が凝縮されて栄養価が高まり、新しいうまみ成分も作られます。コンブやカツオ節、干しシイタケのダシ汁がおいしいのはそのためで、味といい、成分といい、元の食品とは別物です。

少量でも毎日必ず海藻を食べる

梅干しやもろみ酢など酸っぱい物も欠かさない

私はダシ汁も大好きですが、干し柿などの干した食品も好きです。

冬になると、白カビのたくさんついた干し柿を買ってきて、少しずつ切って食べるのが日々の楽しみになります。

食べ物で言うと、もう一つ。

小さい頃から酸っぱいものが大好きでした。梅干しや梅肉エキスは今でもよく食べますし、梅肉エキスの絞りカスで作った梅ジャムは、おやつの中でいちばんの好物でした。

ぬか漬けの古漬けが大好きというのも、変わっているかもしれません。誰も食べないような真っ黒になって、酸っぱくなった古漬けがあれば、お茶漬けが何杯でもお代わりできます。

また、サトウキビから作った琉球もろみ酢を、毎朝コップ1杯飲んでいます。もろみ酢を水で5倍に希釈したもので、夏はこれにほんの少し海の塩を入れて飲みます。

間食はせず1日6000歩は歩く

それから、酸化したものを極力食べないようにしています。私は脳神経外科と認知症の専門医なのですが、やはり酸化したものは脳にも体にも悪影響だと思っています。

揚げ物は、新鮮な油で揚げたもの以外は食べません。古い油で揚げたものや、揚げてから時間のたったものは口にしません。

また、私は太りやすい体質なので、30代の頃から、間食や夜食をとらないようにしています。夕食は18時には食べ終えて、後は何も食べません。夕食後は、1時間ほど散歩をし、1日6000歩以上は歩くようにしています。

腸内細菌について前述しましたが、それが実感できるのが毎日の排便です。尾籠な話で恐縮ですが、私は排便の回数も量も多くて、1日数回はトイレに行きます。排便量は、人と比べられないから正確にはわかりませんが、おそらく普通の人の2~3倍はあるでしょう。便秘をしたことはありません。

排便だけでなく、排尿も多いほうです。便も尿もどんどん排泄するので、体の中に老廃物や毒素が溜まる暇がないと思います。

腸内環境をよくして、不要なものは体外に出す。これが私の若さの秘訣なのかもしれません。

ハリ・コシのある髪とシミ・シワの少ない
美肌を保つ意外な秘訣を公開!

毎晩行う2度洗いのシャンプー

もう少しだけ詳しく、髪と肌についてお話ししたいと思います。

というのも、実は髪と肌の手入れには、独自の考えに基づいて、私なりのケアをしているからです。

髪は、20歳の頃から化学物質の入った整髪料を使わないようにしています。

その代わりに私が使っているのは、椿油です。椿油は昔から、力士の鬢付け油の原料として使われていました。そのためか、昔の力士にハゲた人はいなかったようです。

それから50年近く椿油を使い続けています。使い方は、椿油をほんの少し(1~2滴)手のひらに取り、髪に付けて形を整えるだけ。油は酸化すると特有の臭いがするので、私は五島列島産の純度の高い、酸化しにくい椿油を使っています。

シャンプーは2度洗いを毎晩、行います。シャンプーを使うのは、頭に油をつけたまま寝ないようにするためです。頭に油がついていると、頭皮の皮膚呼吸が妨げられてしまうからです。

シャンプーをすると、髪がパサパサになりますが、私は髪が乾燥している状態を1日に何時間か作ります。そのときに、髪が伸びるような気がするからです。リンス、コンディショナーはほとんど使ったことがありません。

最近、白髪が少し出てきて、娘から「染めたら?」と言われますが、この年齢で染める気にはなりません。

毛量もあるし、髪の一本一本にコシも太さもあって、髪は健康そのものです。光の当たりぐあいによっては、″天使の輪„もできます。その秘訣は椿油による手入れと、2度洗いのシャンプーで皮脂を残さないことだと思っています。

皮膚科医の娘が反対する
禁断のスパルタ洗顔

肌は、一般的に「よい」と言われることは何一つしていません。子どもの頃から日焼けで真っ黒け。肌には無頓着でした。

60歳を過ぎてからシミが少し出てきたので、娘から日焼け止めクリームをぬるように言われました。皮膚ガンのリスクが高くなるというので、それから日焼け止めクリームだけはつけています。

気をつけていることがあるとすれば、顔をよく洗うことです。洗顔は好きで、1日に何回も洗っています。仕事で洗えないときは、ティッシュペーパーやタオルで顔の皮脂をゴシゴシ拭き取ります。

私の洗顔法は、皮膚科医の娘に言わせると、「いちばんやってはいけない」洗顔法だそうです。

普通は、石けんをよく泡立てて、皮膚の表面をこすらないように、やさしく洗うのだそうですが、私は爪を立てて、ゴリゴリ引っ掻くように洗っています。

表面をこすりすぎて、血が出たりかさぶたができたりするほどです。正しい洗顔法とは真逆ですが、それくらい強くこすらないと、汚れが落ちた気がしないのです。

私の勝手な解釈では、皮膚にゴミや皮脂などの汚れがたまって、それがシワになります。ですから、常に表面のゴミや汚れを削りとって、何もない状態にしておけば、ツルツルでハリのある肌になるのではないか、という考えです。

現に何十年もそうやってきて、今、シワもたるみもないツルツルの肌を保っています。またよく洗って油もとっているので、吹き出物もできません。肌のキメが細かくて、毛穴の黒ずみもないし、毛穴もまったく目立ちません。

こする洗顔は皮膚を鍛えるためです。顔は服で覆われることはなく、一生外気にさらされっぱなしです。ですから、素肌で外気に対抗できるように鍛えなければダメだという感覚があるのです。

この年になると、手や首にも年齢が表れてきます。しかし私は、手もシミがなくてツルツルで、首にもシワやたるみはありません。

とはいえ、皮膚科医が「ダメ」だと言ってるのですから、この方法は私独自のやり方であって、皆さんにはお勧めいたしません(笑)。

夢を見続けることが心の若さに不可欠

最後に、私がいちばんの若返り法かもしれないと思う、「夢」の話をさせてください。

私は毎日夢を見ます。しかも、いくつも見ては、それを覚えているのです。

昔は、夢を見ても、朝起きるとすぐに忘れてしまいました。また、覚えていても、それを言葉にすると、全く違うものになってしまうことに気がつきました。

そこで、夢を絵や画像として視覚で記憶するようにしたのです。するとまるで映画を見たように、夢を覚えていられるようになったのです。

寝ているときの「夢」と希望の「夢」。「どちらの夢を見ることも若さの秘訣かも」と、熊谷先生

そして「夢」つながりではあるのですが、「希望」という意味の「夢」を持つことも、とても大事だと思っています。

夢を見ることは、前進し続けることです。もしもお金持ちになりたいなら、どうやってお金を稼ぐかよりも、大金があったら何をしたいかを考えます。どんどん考えていくと、なかには今、すぐにでもできることがあることに気づきます。

その、今できることを先にやってしまうのです。お金持ちになれた頃には、もはやしたいことを楽しめるだけの体力や気力が残っていないかもしれません。

今できること、今しかできないことをする。それこそが夢を叶える一歩であり、若さを保つ秘訣のような気がするのです。

ちなみに私は、同じ夢を千回見ると現実になるという仮説を持っています。だから何回も夢を見続けているのですが、これも、歳をとらない秘訣かもしれません。

この記事は『ゆほびか』2022年11月号に掲載されています。