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【2月22日は猫の日】 精神科医が見つけた癒しのメカニズム——猫の写真を見るだけで日々の疲労やストレスが解消!

健康の土台は心の平安。動物とのふれあいが心身への健康効果を生む

 近年の猫ブームの勢いは、とどまるところを知りません。テレビや雑誌で猫特集を目にすることはしょっちゅう。インターネットで、かわいい猫の写真や動画を楽しんでいるかたも多いと聞きます。

 一般社団法人ペットフード協会(東京都)が毎年実施している「犬と猫の飼育数調査」では、昨年は猫の頭数が犬を上回りました。調査開始からの二十余年で初めてだそうです。

 動物とのふれあいが、心身へのさまざまな健康効果を生むことは、多くの研究で明らかになっています。

 例えば、高血圧、うつ病、自閉症が改善したとの研究報告もあります。動物を見たり触ったりすると、副交感神経が優位になり、心身がリラックスして、こうした効果が得られるのでしょう。

 また、脳にオキシトシンが分泌される可能性にも注目が集まっています。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレスを緩和して幸せな気分をもたらす作用がある神経伝達物質です。

 私は、健康の土台は心の平安にあると考えます。動物に、それをもたらす癒しの力があるのは確かでしょう。

 でも、なぜ今とりわけ猫なのか。 この猫ブームは、精神科医の立場から見ても、非常に興味深いものがありますが、私なりに考えたことをお話しいたします。

猫への共感、憧れが癒しを導く

 猫が私たちを癒してくれるポイントとして、å私は以下の3つの要素に注目しています。

 1つは、猫の姿からの視覚的な刺激。一般的に人は、丸いものを見ていると安心感を得るのですが、猫の顔も大きな目も、真ん丸です。

 さらに、丸顔の中には両目と鼻を結ぶ逆三角形があります。これは人間の赤ちゃんとも共通する特徴ですが、見る者の心を一瞬で和ませる、言わば「ハッピートライアングル」です。

 2つ目は、猫のから聞こえる「ゴロゴロ音」による、聴覚的刺激です。猫のゴロゴロ音の周波数(音が1秒間に起こす振動の回数)は20~50㎐。

 この低周波音に、副交感神経を優位にしたり、自己治癒力を活性化したりする力があるとして、欧米を中心に治療への活用事例が増えています。

 今後、ゴロゴロ音に関する研究が進むことに、私もおおいに期待します。

 3つ目は、猫への感情移入やによる癒しです。猫はやたらと人にびません。気が向けば甘え、向かなければ距離を置く。

 マイペースで自由、孤高とも言えるかもしれません。そうした猫の生き方に対する共感、あるいは憧れが、不思議と、心を落ち着かせてくれるのではないでしょうか。

 ところで、私は以前「タマちゃん」の追っかけをしていました。多摩川流域に突然現れて話題になった、野生のアザラシです。

タマちゃんに気づかされた癒しのメカニズム

 多忙な中、時間をやりくりして川辺に足繁く通った理由はただ1つ。タマちゃんと同じ時間と空間を共有しているだけで、日々の疲労やストレスを忘れ、子どものように無邪気で純粋な気持ちになっているのを実感したからです。

 いっしょにおっかけをしているかたには、やさしそうな、繊細そうな女性が多かったと記憶しています。

 皆さん、タマちゃんを応援しながら、無意識のうちにタマちゃんに感情移入し、いろいろなことを想像されていたでしょう。そうすることで、心の平安を取り戻していたのではないかと考えます。

 猫が好きで、本やスマホで猫を眺めたり、猫を飼って実際に触れ合ったりしているかたも、そうではありませんか?

 猫から癒しを得ているとき、あなたはきっと、猫の存在をそのまま丸ごと無条件に受け入れ、猫の気持ちを想像、共有しているはずです。

 なにかを心から受け入れているとき、そこには、普段はなかなか感じることのない「穏やかな解放感」と「深い平安」がもたらされています。だから猫が好きなかたは、いつも猫といっしょにいたくなるのです。

 もちろん他のペットからも、ある程度は、そういった作用が得られるでしょう。しかし、神秘的なまでに深い静寂をたたえた猫の目を見ていると、ほかのどんな動物よりも、強く感情移入を促されてしまいます。

 猫とは、精神世界のかなり遠いところまでつながれるように思えてなりません。

 どんな表情の猫に感情を動かされ、癒しを得られるかは、そのときのあなたの心の状態しだいです。

 以下に、さまざまな表情の猫の写真が載っています。どの猫が今のあなたの感情を、解放、安心させるでしょうか。ぜひ試してみてください。

ニャンともかわいい「猫の写真」を見るだけで心が楽になる!精神科医の開運アドバイス

写真の見方

 さまざまな表情をした猫の写真が並んでいます。いちばん印象に残った写真、いちばんかわいいと感じた写真があれば、その下の解説をお読みください。

 気に入った写真を何度も眺めるうちに、つらい感情が楽になる、生きやすくなる、運がよくなるなどの変化が得られるでしょう。

笑う猫

笑顔の猫に、もっとも心が動かされた、「癒し」を感じた、というあなた。知らず知らずのうちに、疲労や重圧、緊張をかかえ、明るい気持ちになれるものを求めていたのかもしれません。写真の猫といっしょに、自分の表情も緩めてみてください。

甘える猫

あなたに対して甘えているかのような瞳の猫たち。この写真が気になったかたの中には、「頼られてうれしい」と感じる心があるかもしれません。同時に、自分の中に「もっと甘えたい子ども」がいるのかもしれません。猫のように、目の前の人にすなおに甘えられるようになると、もっと楽に過ごせます。

甘えさせてくれる猫

まるで「どうしたんだい」「なにを落ち込んでいるの? 大丈夫だよ」と心配したり、力づけたりしてくれているような表情の猫たち。写真の猫たちの瞳に、ホッとするような気持ちになったかたもいるかもしれません。写真を眺めながら、存分に、今ある不安や苦しみを解放してください。

ぐっすり猫

気持ちよさそうに、ぐっすり眠っている猫たちです。眠る前に幸せそうに寝ている猫の写真を見ながら、ゆったりリラックスすることは、質のいい睡眠につながります。

自由な猫

しなやかに、自由気ままに、どこか孤高ささえ感じさせる姿の猫たちにあこがれ、癒されるかたもいるでしょう。強く、自由に生きられない自分がいても、それを責めたり恥じたりする必要はありません。今は、猫への羨望の気持ちを存分に味わいましょう。しだいに状況が変わり、今よりもマイペースに、楽に過ごせるようになります。

つらい猫

怒った顔、反省顔の猫たちが気になるのは、あなたの心にも怒りや後悔、苦しさ、不安などのつらい心があって、猫たちの気持ちに共感しているからかもしれません。その感情を否定する必要はありません。猫たちの表情を見ながら、ネガティブな感情を認めてあげてください。しだいに感情が解放されていくでしょう。